いすを逆向きにして、抱えるように使用して腰痛になった症例を考察してみました。
60歳代、男性、定年後、マンション経営、ギックリ腰で来院。
両側の仙腸関節が開いているのを調整。
2回目6日後、2日ほど快調だったが、また痛くなってきた。
仙腸関節が、元に戻っている。
テレビを見るのに、いすを逆向きにして、寄りかかるように見ている。
食後、そのまま、ねてしまう。!
3回目1週間後、痛みなく、施療完。
定年後、テレビを見る時間が長くなったのも要因の1つのようです。
メルマガ266号・普通に腰掛ければ、足の開き角度は20度で、安定します。
関節可動域内に収まり、股関節、仙腸関節に無理はかかりません。
しかし! いすを逆向きに腰掛けた場合、
背もたれで足が限界まで開き、無理な開脚姿勢になります。
そのため股関節、仙腸関節に、無理な力が加わり関節がズレていきます。
この症例では、仙腸関節だけが、開くような(仙骨側は、内側に閉じる)ずれが生じていました。
過去に、北京の病院で、回転復位法という腰痛治療は、
このように、いすを逆向きにし抱えるように座らせることで骨盤を固定して、腰の骨を集中して調整する手技でした。
このことからも、逆向きで座ることは、骨盤が固定されます。
長い時間そのままで居るとと、仙腸関節にズレが生じやすいと考えられます。
西部劇の映画で、いすをくるっと回して寄りかかるシーンありますね。
なんか、かっこいいし、寄りかかれるし、やりそうな症例でした。
しかし、いすの設計は、逆座りを考えて作られていませんから、使用方法が違い体へ負担をかけることになるようです。
いすは、腰掛ける方向を守って座りましょう。