さざれ石解説
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「岡神社さざれ石」について  
「君が代」に「さざれ石の巌となりて」と詠まれた岐阜県春日村産の「さざれ石」は岐 阜県の天然記念物に指定されている。「さざれ石」の名称は、平安朝の姫君の名前で「さ ざれのきみ」というお伽草子の中のお話がもとになっているという説がある。しかし、「 さざれ石」というのは元来「細石」と書き、小さな石のことであり、石質は各地様々で外 観上小さな石の隙間が炭酸カルシュウムや水酸化鉄等で埋められ固化した石を一般に「さ ざれ石」と呼んでいるようである。滋賀県で有名なさざれ石は「姉川さぎれ石」で、岩質 は砂岩・泥岩・頁岩・粘板岩・チャートのホルンフエルス(Hornfels接触変成岩)や玄武 岩・マンガンノジュール等からなるさざれ石で、色は黒色のものが殆どである。これに対 し、京都の「さざれ石」はチャートの角礫岩、春日村のものは灰白色の石灰角礫岩と、岩 質は全く異なったものである。米国では石灰角礫岩をトウファ(Tufa)と呼んでいる。  岡神社には春日村の「さぎれ石」と全く同じ石灰角礫岩が露頭に見られ、石垣にも多数 用いられており、現在では、観察することすら難しいさざれ石の宝庫となっている。流水 による運搬浸食でできる円礫と違って、角礫は崖下等で岩が崩壊し壊れたままのもので、 どうして岡神社に角礫さざれ石があるのか大きな謎である。  この謎を考えてみると、「姉川さざれ石」は姉川上流の伊吹山北部の古生代に形成され た古生層が、更に北側の花崗岩の貫入(中生代末期)によって熱変成をうけてできたホル ンフエルスによってつくられているのに対し、「岡神社さざれ石」は海水中の炭酸カルシ ュウムの沈殿でできた石灰岩からなる伊吹山が、フイリッピン梅プレート等により横臥褶 曲をうける等の地殻変動の結果できたものと推定される.それが、関ケ原活断層に沿って 断層の南側は相対的に西方へずれてきて現在位置にきたものと思われる.元の位置は石灰 岩崖のある弥高付近と想像できるが、もし、そうだとすると岡神社の移動速度は一般に考 えられているものよりかなり遅いものとなる.また、岡神社が小高い丘となっているのは姉川が南へ直進し天野川と連なり丘の西や東側を流れていた頃、丘をつくる角礫岩の堅さ が浸食に耐えたことを物語るものと考えられる.  姉川流域にあって「姉川さざれ石」とは異なった「岡神社さざれ石」は、大自然の歴史 を宿しつつ、神域として守られてきた貴重な天然記念物であると考えられる.また、この 丘を神の社とした先人達の叡知に頭の下がる思いである.(平成11年3月25日 一色)


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