ESTATE★椰子の木の下で 〜バリ島ずっこけ物語〜
  ひょんなことから、突然バリ島へ移住してしまった日本人家族の日々の喜び、驚き、感動を綴ったエッセイです。
バリ島生活泣き笑い。これから行き着く先は・・・!?
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第20話 名(迷?)ガイド BackNext

港在住の頃、日本から出張でやってくるお客様は、たいていは仕事を早々に終わらせ、早く遊びたがる。 日本ではなかなか周囲の目があって自由にできないが、一歩海外に出てしまえば誰も咎める人がいない。会社員同士、彼らの遊びたい気持ちも良く解るので、こっちもサービス精神旺盛に張り切って案内してしまう。 香港でのガイドは比較的に楽だ。ゴルフやマカオでのギャンブルを楽しむ人もいるが、大抵はショッピングがほとんどだ。奥さんや会社の女の子に頼まれてきている買い物リストを用意してきている場合が多い。 ルイヴィトン、ディオール、シャネルの香水、痩せる石鹸、ナイキのシューズ…などなど。そして昼食は飲茶(ヤムチャ)を楽しみ、夜は美味しい中華料理店へお連れし、百万ドルの夜景を楽しむ。
しかし、ごくたまに中華料理が嫌いでショッピングにも興味のな人もいる。そういう時は困ってしまうが、意外と香港の地元の人が使う交通手段を味あわせてあげると喜んでくれたりする。 地下鉄(切符の買い方から日本と違う)、香港島と九龍を結ぶフェリー(ここからの夜景も絶賛)、2階立てバス(看板をよけながら暴走するバスの2階はスリル満点)、2階立て市電(市民の生活風景を覗ける)。 乗り物を乗りながらガイドをしているとあっという間に時間が過ぎ、夕食の時間となる。夕食は僕にとって嬉しい日本食だ。どこの国の駐在員もそうだが、地元の食事には飽きており、実は日本食を一番食べたがっているのだ。 そしてホステスのいるカラオケに連れて行ってめでたく案内を終える。

て、バリ島に日本からお客様が男ばかり4名見えることになった。お客様といっても初対面で、仕事上のお付き合いはない。バリ島は初めてなので何か楽しむアドヴァイスを欲しいとのことで、早速ヌサドゥアのホテルへ出向いた。 僕はバリ島に住んで約1年半経ったが、おおよそ観光客の行くスポットには行ったことが無い。プサキ寺院、タナロット寺院も知らないし、マリンスポーツも、ラフティングもしたことがない。 ただ、どこの卵が新鮮で安いとか、肉野菜の相場とか、医者はどこが良いとか、現地の学校などにはかなり詳しくなった。しかし、僕の情報は観光客には役に立たないようだ。




食中のところへお邪魔し、まずは自己紹介をする。お互いに初対面なので最初はやや堅い。

「バリコピ、サトゥ(バリコーヒーを一つ)」

さりげなくインドネシア語でウェイターに注文する(さりげないと言うより、しゃらくさい)。

「今のはインドネシア語ですか?」

「ええ、まぁ。僕の語学はたいした事ないですよ」

やや照れながら謙遜する(誰もたいした事とは言っていない)。
昨晩着いて、三日後には日本へ帰らなければならないという。その短い間にたっぷりとバリ島を効率よく遊ぶにはどうしたら良いか悩んでいるようだ。 皆ある程度ガイドブックでどんな楽しみ方があるか知っているが、逆に楽しみのメニューがありすぎて絞れない。レストランでメニューが多すぎて何をオーダーしてよいか悩んでしまうのと同じだ。 その点、女の子の場合は目的がはっきりしているからアドヴァイスしやすい。

「ダンビングしたいんだけど」
「日本人インストラクターのいるところを紹介するよ。」

「イカットを買いたいんだけど」
「センスの良い店へ連れていってあげる」

「家具を買いたいんだけど」
「輸送費の方が高くつくけどそれでもいい?」

「シルバー欲しいんだけど」
「925で良ければレギャン通りに行ったら揃っているよ」

「男が欲しいんだけど」
「????自分で探して!」

こんな感じだ。

客様とガイドブックなどを見ながら計画を練っていく。一時間ほどすると初対面の緊張はほぐれ、冗談も出てくる。 「夜釣りなんかも面白いらしいですよ」「なに?おんな釣れるんか?」 そうなんだ、男はどこ行ってもスケベなことを期待することを忘れていた。皆、日本に帰れば会社の社長だが、ここではただの一人の男だ。僕も調子に乗って余計なことを喋りはじめる。「あそこのビーチはみんなトップレスですよね。 このあいだなんか若い日本人の女の子までトップレスだったんでビックリしましたよ」みんなの表情が変わり、いきなり地図を見てメモる人まで出てくる。結局、今まで立てた計画を白紙に戻し、そのビーチへまず行くことが最優先となった。 「天候や時間帯によって、いないこともありますからご了解願います。」(イルカウォッチングじゃないってぇの) 「カメラを向けると怒りますから気をつけて下さい。」(相手は野生動物じゃないってぇの)

の日の夕食はジンバランのビーチで夕日を楽しみながらシーフードを楽しんだ。陽が沈みまだ空が明るいとき、西の低い位置に一番星が現れた。 「あっ一番星が現れましたね、夕日の後はバリの星空がきれいですよ。」 「あんな低い位置でも星が見れるんか。」 「ええ、バリ島は空がきれいですので、日本とは違い、あのくらいの低い角度でも見れるんですよ。」と余計なことをべらべら喋って数分経ったら、誰かが「あれ、あの星動いてるで!」えっ!みんな数秒見つめた後、大爆笑!。 引っ込みつかなくなった僕は「バリ島の一番星は最近、空港に着陸するんですよ。」と説明を加える。この一番星勘違いのお陰で、お客様との距離がぐっと近づき、その晩は皆と大笑いし通しだった。なにが幸い(災い)するかわからない。

しかし、昔の人はいい事を言ってる。「沈黙は金」「口は災いの元」と。今後、胆に銘じておこう。

(1999.6.16)

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