ESTATE★椰子の木の下で 〜バリ島ずっこけ物語〜
  ひょんなことから、突然バリ島へ移住してしまった日本人家族の日々の喜び、驚き、感動を綴ったエッセイです。
バリ島生活泣き笑い。これから行き着く先は・・・!?
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チリと鼻水とバリ人とわたし

第37話 チリと鼻水とバリ人とわたし BackNext

はどんなものでも、料理としてだされるものだったら何でも食べられるし、飲める。 ただし、アルコールを除いて。 日本でサラリーマンをしていた頃、営業職だったせいもあり、アルコールを飲む機会が多かった。
しかし、いくら飲んでも強くならないし、何と言っても「美味しく感じられない」んだ。大汗をかいた後の最初の一杯のビールですら美味しくない。 先輩や友人は親切心で、強くなれる秘訣やおいしく飲む方法を教えてくれたが、どれも僕には全く通用せず、アルコール嫌いを一層強くするだけだった。 今はそんなことはないと思うが、その当時はまだ酒が強いという事は、その人の一つの長所のようなところがあった。
だから酒が強い友人が非常に羨ましかった。 まだ20代の頃、仕事で出張するところは何故か地酒が有名なところばかりであった。 そこのお得意様と懇意になり、「地酒の美味しいのをご馳走するよ。」などと言われる時が一番辛い。人の好意を受けたいのに受けられないのだから。 今では逆に僕が酒を飲まない事を羨ましがる人もいるが、やはり飲める事によって得るものの方が多いような気がする。 実際に酒を飲む事によって、友人や取引先関係に限らずお互いをもっと近く感じることができるからだ。

が弱いせいで、先輩などからはよくからかわれた。

「おまえにはビールをボトルキープしとけば十分だな」
「おまえは鍛えが足りねぇんだよ」
(そんなこと言ったって腹筋や腕立てみたいに鍛えても強くならないんだ)

僕の強い飲み物と言えば、強いて言えば牛乳だ。牛乳だったら冷(ひや)でも熱燗でもいけるが、この歳になって居酒屋で牛乳をオーダーするにはちょっと勇気がいる。
最近思ったのは、こんなにアルコールを受けつけないのは、きっと前世では僕は大酒飲みで、そこで酒のせいで大失敗をやらかしたに違いない。 だから今世に生まれた時には自ら酒の飲めない体を選んだのではないだろうか。

ルコールには全く弱い僕だが、人に負けないほど強い物がある。それは「辛さ」だ。 日本の塩辛、ワサビ。韓国のキムチ。タイのトムヤンクンに代表されるあの酸っぱ辛さ。四川料理。 それと忘れてはならないインドネシアのチリ。みんな大好きだ。
しかし、酒が強いという事は自慢になり得るが、辛いのが強くてもあまり自慢にならない。酒飲みはカッコいい。 グラスを片手にバーカウンターに腰掛けているだけで絵になる人もいる。一方、辛いのが好きだといってチリをかじっていてもあんまりカッコ良くない。
酒は唄の題材にも良く使われる。「北酒場」 「酒よ」 「ブランデーグラス」……などなど。 「酒と泪と男と女」と題を聞いただけで、人はそこにドラマを見出すが、「チリと鼻水とバリ人と私」なんか言っても何のことかさっぱり分らず、唄にしてもまず売れないだろう。だっておしゃれじゃ無い。



リ島へ移住当初、レストランでうら若きバリ人の女性たちが、何食わぬ顔で、強烈な辛い料理を食べているのに驚いた。 僕も辛いのは強い方と思っていたが、現地の料理には半端でなく辛いものがある。 まだ、インドネシアの辛さになれていなかった僕は、次の日、トイレに行くとお尻が痛かった事を思い出す。 こんなの食べ続けていたら痔になってしまうと思ったものだ。
しかし、アルコールは鍛えても強くならなかった僕だが、チリの辛さはこの2年間で相当に強くなったようだ。 というか舌の辛さを感知する箇所が麻痺してしまったのかもしれない。
それが分かるのは、日本からのお客様と食事する時だ。 僕があまり辛くないと思っている料理でも皆、ヒーヒー言いながら、鼻水をすすり、汗をかきかき食べている姿を見ると、ちょっと自分の舌が正常なのかどうか心配になってくる。

リ島での食べる席にはいたるところにチリが登場する。家族でよくスーパーのレストランを利用するのだが、サイドオーダーでコロッケや春巻などをオーダーすると、あの青いチリが生のまま、チリ畑から持ってきた姿のまま一緒にでてくる。 これを歯で直接噛むと、一気に口の中があつくなり、すかさずケチャップをつけたコロッケをライスと一緒に口に入れると、これが何とも言えない味のハーモニーだ。
また、頻繁に行く屋台のトウモロコシ屋さんでは、焼き立てのトウモロコシに自分でへらを使ってマーガリンをつけるのだが、そこには2種類あり、一種類は普通のマーガリン、もう一方はチリ入りマーガリンだ。 チリ入りマーガリン? と最初は笑ってしまったが、これを塗りたくると結構美味しいんだ。今や僕の定版おやつとなっている。

かし、チリ好きの僕でも真似できない食べかたがあった。まだ熟す前の酸味のきついマンゴを生のチリと一緒に食べるんだ。 チリの熱さと酸味とが絶妙にマッチして美味しいと、インドネシア人の友人は勧める。本当かよ。 面白い事に熟したマンゴとは一緒に食べないらしい。
こうしてチリに囲まれた食生活を送り続けた結果、今やチリなしでは僕の食生活はありえない。 「アル中」ならぬ「チリ中」だ。寿司屋でワサビを多めにもらうのと同じように、インドネシア料理を食べる時はサンバルと呼ばれる、チリとトマトなどでできたペースト状の香辛料を多めにいただく。 僕は何故か体からチリが抜けてくると元気が無くなってくる。 だから元気を取り戻す為に、頻繁に屋台のバクソ屋(肉団子スープ)や ミーアヤム屋(鳥肉入りゆで麺)に行き、サンバルを入れて食する。 僕にとってのサンバルは車にとってのガソリンみたいなものだ。



のサンバルは各レストランでオリジナルを作っている事も多く、レストランによって微妙に味わいが異なり、違いを楽しむ事ができる。 日本人観光客でも、このサンバルの魅力にとりつかれ、市販されているサンバルをたくさん持ってかえる人も多いようだ。
そう言えば、だれかが言っていたけど、チリには脂肪を分解する作用があるらしく、チリダイエットなどという減量方法もあるらしい(本当?)。 ちなみに僕は香港在住時よりも10kg以上も自然に減量し、20歳の時の体重に戻ってしまった。 チリのせいなのかな?

(2000.8.22)

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