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琵琶湖水鳥・湿地センター > ラムサール条約 > ラムサール条約を活用しよう | ●資料集● |
条約の視点から2007年のテーマ「湿地と漁業」を活動の企画者向けに簡便に紹介する条約事務局による文書,琵琶湖ラムサール研究会和訳.
英語 Word (条約事務局,69㎅) 和訳 Word (59㎅)
少なくとも10億の人々が、そしてその多くは途上国で、その主要な動物タンパク源として魚介類に依存している。そのうち3千5百万人は、フルタイムにしろパートタイムにしろ、捕獲漁業あるいは水産養殖業に直接携わっている。550億米ドル(6兆円余)もの国際貿易高を漁業は生み出しており、また水産養殖も過去30年間で世界の食料生産部門の中で最も急速に成長してきており現在消費される魚介類の3分の1を供給する。
これだけを聞くととてもよいニュースのようだが、人類が発達させてきた漁獲や養殖の技術は、海域でも淡水域でも魚介類と漁業を持続させる生態系の健全さ十分考慮してこなかった。その結果は? 漁業の多くは持続可能な管理がなされておらず、次のような悪いニュースがある:
* | 「MSCについて」WWFジャパン. |
* | MSC: Marine Stewardship Council(英文). |
これらの全ての問題を湿地やラムサール条約はどこで計算に入れてゆくのか? 内陸湿地および沿岸域湿地は、魚介類と漁業を、大規模な商業的なものから生活のための漁業までの全て、また捕獲漁業から養殖までの全てのレベルで支えている。沿岸域湿地、例えばマングローブ湿地や海草群落などが、その成魚になればより深い水域に暮らす魚介類の産卵場や成育場を提供していることも加えられる。
* | 条約湿地選定「基準7と「基準8」,国際的に重要な湿地のリスト拡充の戦略的枠組み,第3版(2006年版). |
* | 決議Ⅸ.4「ラムサール条約と漁業資源の保全、生産、及び持続可能な利用」. |
漁業を主要に支える条約湿地もあるが、ほとんど全ての条約湿地でいくらかは魚介類を利用していると思われる。近年ラムサール条約は魚介類と漁業の重要性の認識を高めており、条約湿地選定基準には「基準7」と「基準8」にそれらに関するものが含まれているほか、漁業の保全や生産および持続可能な利用に関する決議も最近に採択された(決議Ⅸ.4)。いまや条約の152の締約国は、湿地における持続可能な漁業を確立し維持する役割を果たすことを約束したわけである。
ほとんど誰もみなが漁業に何らかのかかわりをもっている。カレーに入ったクルマエビや焼き魚をほおばる消費者かもしれないし、捕獲漁業やサケ、コイ、クルマエビなどの水産養殖業に携わる生産者、持続可能な漁法の開発や実施を監督する意思決定者、あるいは水界生態系の保全に専念する環境部門かもしれない。実際のところこれらのいくつかが当てはまるだろう。
2007年2月2日のWWDには、みんながなんらかのやり方で、持続可能な漁業を支える湿地の価値を祝福することに参加していただきたい。そのために、誰にも持続可能な漁業に果たす役割があるのだということを強調する資料もつくっていただきたい。
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URL: http://www.biwa.ne.jp/%7enio/ramsar/outreach/wwd2007_introj.htm
Last update: 2008/06/17, Biwa-ko Ramsar Kenkyu-kai (BRK).