Swan 琵琶湖水鳥・湿地センターラムサール条約ラムサール条約を活用しよう | ●資料集第9回締約国会議

ラムサール条約 第9回締約国会議
決議.2:条約の科学技術面の将来的な実施

日本語訳:
「ラムサール条約第9回締約国会議の記録」(環境省 2008年)より了解を得て再録. 

  PDF  (376,環境省)

条約事務局原文:
 英語   フランス語   スペイン語 

「湿地と水:命を育み,暮らしを支える」
"Wetlands and water: supporting life, sustaining livelihoods"
湿地条約(ラムサール,イラン,1971)
第9回締約国会議
ウガンダ共和国カンパラ,2005年11月815日

決議.2
条約の科学技術面の将来的な実施

1.条約の決議と勧告の起草、検討、採択及び実施の過程の効力と効率を高めることの必要性を、締約国が確認した決議Ⅷ.45想起し

2.締約国が利用できる科学技術的手引き等の資料がいよいよ大部のものとなり、条約履行の主要な側面のいくつかを橋渡しするようなたくさんの枠組み、例えば「条約実施の枠組み(決議.8)」、「賢明な利用のための概念的な枠組み(決議.1付属書A)」、「国際的に重要な湿地のリストを将来的に拡充するための戦略的枠組み及びガイドライン」改訂版(同決議付属書B)、条約の「水関連の手引きの統合的枠組み(同決議付属書C)」ならびに「湿地目録、評価及びモニタリングの統合的な枠組み(同決議付属書E)」が提供されることは、条約履行のため締約国にとって有用な道具を提供し、また、既存の手引きの不足を特定する際に役立つ一歩であることを認識し

3.湿地の生態学や保全、賢明な利用ならびに管理に関するより詳細な技術手法や総説、報告を、締約国ならびにより広範な湿地関係者による条約実施を支援する強化された情報支援事業として出版する目的で「ラムサール技術報告書シリーズ」の準備が進められていることを歓迎し

4.また、本決議では2006年から2011年までの期間に条約が実施すべき重要な科学技術的行動の全体像を提供することを目的としている一方で、本締約国会議の他の決議においていくつも科学技術的実施行動が明記されていること、並びにそれらの決議が条約の下に発展させるべき政策の特定の優先分野に焦点をあてることをその目的としていることを、併せて認識し

5.決議Ⅷ.28が条約の科学技術検討委員会(STRP)の作業の優先順位を定める仕組みを確立したことを想起し

6.STRPの20032005年の3年間における優先作業の中でも進展させることができていない重要な要素があること、並びにSTRPがその計画を十分に果たすには資金、特に締約国等からの自発的寄付が必要であることを意識し

締約国会議は、

7.本決議の付属書1に示されるSTRPの20062008年の緊急優先行動ならびに最優先行動を承認し、また、条約の20062011年の科学技術実施計画として付属書2に示される行動予定も併せて承認する

8.条約事務局に対して、本決議の付属書2に今回の締約国会議で採択された他の決議から生じる科学技術的実施行動を適切に統合するように指示する

9.条約事務局に対して、本決議の付属書1と付属書2を決議Ⅸ.8付属書と統合して条約の20062008年の作業計画の形にして、締約国等に遅滞無く提供するように要請する

10.締約国、援助機関、政府間機関、国際団体パートナー、各国のNGO等に対して、この計画を、本決議付属書1に示されるSTRPの緊急優先行動ならびに優先度の高い行動の資金計画を含めて、ラムサール条約の将来の科学技術的履行への資金的ならびにその他物質的支援を各機関が決定する際に用いるよう強く要請する


付属書1
条約の科学技術検討委員会(STRP)の20062008年の作業計画における緊急優先課題ならびに優先度の高い課題とその達成にかかる費用算定

20062008年の3年間の作業計画における優先活動として、下記の26項目とその算定費用がSTRPおよび第9回締約国会議(COP9)によって勧告された。それら課題は次の2つの範疇に分けられる:

  1. 緊急優先課題:得られた資金を用いて20062008年の可能な限り早い時点にSTRPが開始すべきもの;および、

  2. 優先度の高い課題:20062008年3年間のうちで資金が得られた時点で開始するもの。これら優先度の高い課題には、それに先立つ緊急優先課題の達成次第のものもある。

STRP緊急優先課題に12項目が特定され、次の題目が含まれる:

暫定的算定費用は、各課題は必要な作業に着手するために1人(あるいは複数)の専門家をSTRPが雇う必要があるという前提に基づいている。これらの算定費用はSTRP並びにその専門家「作業部会」が提供したものである。より正確な見積と課題を達成する手段は(すべての課題で費用をかけて専門家に依頼する必要があるとは限らないが)、20062008年の3年間のはじめに、改訂STRP運用規則(決議.11)に確立された仕組みを通じて策定され、常設委員会に報告される。

緊急優先課題12項目の暫定的算定費用の総額は25万スイスフランであり、それ以外の優先度の高い課題14項目の合計は19万スイスフランである。

本付属書1では下の課題の一部でその表題を略記した。付属書2に各課題の完全な記述があるので対応する課題番号に従って参照されたい。

決議Ⅷ.45から生じる問題およびSTRPのすでに「進行中」の機能

Ⅰ.決議Ⅷ.45から生じる問題およびSTRPのすでに「進行中」の機能
課題と成果暫定的算定費用(スイスフラン)
小計25,000
2.
条約の戦略的な科学技術的方向性の問題点を扱うという真の「検討」機能を実行するとともに、新たに発生する問題に関して条約に科学技術的助言を提供する対応の仕組みとして行動するが、これら積極的な手引きの提供と反応的な助言機能とのバランスを達成することを全般的目的とする。

 緊急優先課題 

最小限
STRPの会合および工程のための運用規則の範囲内に収まると考えられる)
3.
締約国会議決議の実施の科学技術面の進展を継続して概観する。

 緊急優先課題 

20,000
(範囲を定めてから、この課題が湿地管理者や締約国等との協議を必要とした場合)
5.
条約の手引きに関し不足分野を特定し、旧来の手引きを最新の文書にまとめなおし、必要があれば旧式の文書を廃止あるいは取り消すことも視野に入れて、条約の既存の手引きを(決議Ⅸ.17で要請される行動と関連させて)再検討する。

 緊急優先課題 

5,000

.「湿地の賢明な利用及び生態学的特徴の維持のための概念的な枠組み」(決議.1付属書A)に関する課題

Ⅱ.「湿地の賢明な利用及び生態学的特徴の維持のための概念的な枠組み」(決議Ⅸ.1付属書A)に関する課題
課題と成果暫定的算定費用(スイスフラン)
小計30,000
14.
条約が1993年に出版した「湿地の賢明な利用に向けて(原題:Towards the Wise Use of Wetlands)」に収録されている事例研究ならびにその他関連の事例研究を検討し、それらの事例のその後の進展状況を検討し、最新の研究成果を提供する。

優先度の高い課題

30,000
15.
生態系の恩恵/サービスに関する定義と用語について(決議Ⅷ.7の段落15ならびにCOP9文書16を参照し、かつ他の国際フォーラムにおけるこれらの用語の用法を考慮して)その整合化をさらに検討する。

優先度の高い課題

未算定

.「湿地目録、評価及びモニタリングの総合的な枠組み」(決議.1付属書E)および条約の効果指標(決議.1付属書D)に関する課題

Ⅲ.「湿地目録、評価及びモニタリングの総合的な枠組み」(決議Ⅸ.1付属書E)および条約の効果指標(決議Ⅸ.1付属書D)に関する課題
課題と成果暫定的算定費用(スイスフラン)
小計135,000
52.
条約湿地にとって必要でかつ公式報告に含む必要のあるデータと情報を検討し、「条約湿地情報サービス」をより発展させ、また他の多国間環境協定に必要な報告との調和を図る。

 緊急優先課題 

.(必要なデータの検討):30,000
52.
この検討結果に照らして「ラムサール条約湿地情報票(RIS)」の構造を根本から再検討する。その際には決議.6「湿地目録の枠組み」、改訂された生態学的特徴の定義を含む決議.1付属書A「湿地の賢明な利用及び生態学的特徴の維持のための概念的な枠組み」、ならびにその他関連の第9回締約国会議決議を考慮する。優先して次の問題を扱う:
  • 湿地の生態学的特徴の記載の手引きの作成;
  • 「湿地情報票」を電子的に提出するための手順の開発;
  • 「湿地情報票」のレイアウトおよび情報フィールドと、「湿地目録の枠組み」の主要データフィールドならびに生態学的特徴の記述との調和;
  • 国境をまたぐ湿地の扱い方;
  • RISに正確な境界の記述の挿入を可能にする主要データフィールドを含める手法の可能性研究。

 緊急優先課題 

.(「湿地情報票」の検討と生態学的特徴手引き等):15,000
52.
これらの検討に関連して、より一般的に湿地に必要とされるデータの体系を、地球規模と個々の湿地レベルと別々に扱って、策定する。

 緊急優先課題 

.(湿地データの必要性の検討):15,000
53.
デジタル地図化にかかる問題を含め、湿地の境界設定ならびに地図化に関する助言を、その生態学的特徴の記述と関連させて準備する。

優先度の高い課題

15,000
54.
生態学的特徴の変化を検出して、報告し、それに応答するまでの工程の全体についてさらに対応された手引きを準備する。

優先度の高い課題

20,000
59.
条約履行の効果指標の収集から比較対照、分析、評価、報告、その結果と結論の出版と広報までの仕組みを確立し実施する。

 緊急優先課題 

25,000
(原注.この課題では、確立した仕組みによっては、各指標の分析から評価、報告、広報までの費用の追加算定が含まれるようになる。)
60.
条約履行の効果を測る追加の指標を開発し、試験して、締約国の利用を推奨する。

優先度の高い課題

15,000

.「ラムサール条約の水関連の手引きの統合的枠組み」(決議.1付属書C)に関する課題

Ⅳ.「ラムサール条約の水関連の手引きの統合的枠組み」(決議Ⅸ.1付属書C)に関する課題
課題と成果暫定的算定費用(スイスフラン)
小計120,000
81.
河川流域管理ならびに(適切な場合には)沿岸域管理のために、事例分析を含めて、ラムサール条約における『クリティカルパス』アプローチをより詳細に策定する。また、広報・教育・普及啓発(CEPA)ツールの適用も含め、運用上の手引きを用意する。

 緊急優先課題 

30,000
85.
湿地を統合的沿岸域管理(ICZM)に組み込む際の望ましい実施の手引きを、締約国に研究事例を求めてそれに基づいて策定する。

優先度の高い課題

15,000
89.
締約国が環境要素としての水の需要を満たすための指針を準備する。

 緊急優先課題 

15,000
90.
技術総説報告書「地下水と湿地の相互作用」ならびに同「生態系機能を維持するための地下水の利用と管理」を準備する。これら報告書が完成したのち現在の「ラムサール条約の水に関連する指針の統合的な枠組み」(決議.1付属書C)を再検討し、湿地生態系を維持しつつ地下水の汲み上げによる悪影響を最小限にするあるいは軽減することを目指す地下水管理戦略策定の詳細な技術的手引きを準備し、またその他所要の修正を更新する。

優先度の高い課題

総説報告書:20,000
戦略の手引き等:10,000
枠組みの検討と更新:5,000
91.
水質と湿地の問題の戦略的検討に着手する。条約の手引きに水質問題を扱うための中期計画ならびに委託事項を策定する。そののち、締約国のために環境要素としての水の需要を測定し満たす際に水質問題の組み込むための手引きを準備する。

 緊急優先課題 

25,000

.「国際的に重要な湿地のリストを将来的に拡充するための戦略的枠組み及びガイドライン」の改正(決議.1付属書B)に関する課題

Ⅴ.「国際的に重要な湿地のリストを将来的に拡充するための戦略的枠組み及びガイドライン」の改正(決議Ⅸ.1付属書B)に関する課題
課題と成果暫定的算定費用(スイスフラン)
小計55,000
104.
「十分に代表されていない湿地タイプ」の解釈を発展させ、条約湿地リストで代表されるべき種々の湿地タイプの目標を明確にする方法を研究する。

優先度の高い課題

15,000
107.
特定の湿地タイプの指定に関する既存の手引きを再検討し、追加手引きの必要性を評価し、必要に応じてそれを策定する。

優先度の高い課題

25,000
109.
条約湿地選定基準9(決議.1付属書B)を適用するために鳥類以外の動物種の適切な個体群推定値と1%基準値の一覧表を作成し更新する。

 緊急優先課題 

10,000
112.
条約湿地選定基準とガイドラインについて、それらが全体として地球規模の湿地保全と賢明な利用の優先事項を確実に反映するよう常に検討する。

優先度の高い課題

5,000

.湿地管理(ラムサール賢明な利用ハンドブック第8巻)に関する課題

20062008年についてはSTRPの緊急優先課題も優先度の高い課題も無い。

.湿地と農業に関する課題

Ⅶ.湿地と農業に関する課題
課題と成果暫定的算定費用(スイスフラン)
小計20,000
150.
種々の湿地タイプにとって好ましい農法や農業政策に関する指針を、「農業における水管理に関する包括的評価プロジェクト(CA)」等の取組より提供される情報を活用しつつ、かつ既存の法的枠組みとの調和を図りつつ準備する。
* 訳注.「農業における水管理に関する包括的評価プロジェクト(CA)」は,ラムサール条約,国際農業研究協議グループ(CGIAR:Consultative Group on International Agricultural Research),国連食糧農業機関(FAO),生物多様性条約(CBD)の4者の共同プロジェクト(事務局:国際水管理研究所(IWMI)),プロジェクトHPhttp://www.iwmi.cgiar.org/assessment/

 緊急優先課題 

20,000

.広報・教育・普及啓発(CEPA)の技術面

Ⅷ.広報・教育・普及啓発(CEPA)の技術面
課題と成果暫定的算定費用(スイスフラン)
小計30,000
152.
STRP作業へのCEPA専門家からのインプットを通じて、STRPが準備する手引き文書の各々に、CEPAが十分取り扱われることを確実にする。

優先度の高い課題

15,000
153.
STRPが準備する手引き文書の主題となる課題に関して、水関連部門において条約の問題を主流化することを含めて、水部門や他の部門における意思決定者に対する普及啓発目的の資料を準備する機会を探求する。

 緊急優先課題 

水問題の資料に 15,000
(他の個別の機会が特定されるかどうかによってその他の費用が決定される)

STRPによるその他の部門の手引きの策定

Ⅸ.STRPによるその他の部門の手引きの策定
課題と成果暫定的算定費用(スイスフラン)
小計25,000
163.
湿地生態系の賢明な利用と人類の健康との関係および課題を検討する。

 緊急優先課題 

25,000

20062008年における暫定的算定費用の総額:44万スイスフラン。


付属書2
条約の科学技術的履行のための20062011年行動予定

重要な注釈:以下の節に述べられる行動のうち「STRP以外による行動」と記述されるものは科学技術的性質をもつ行動のみを取り扱っており、条約の『20032008年戦略計画』や他の締約国会議が採択した決定に示される、政策的課題や手続き上ならびに行政上の課題にかかる締約国や他の機関に関係する行動は、この付属書で扱う範囲の外である(決議Ⅸ.8を参照)。

本付属書の節一覧

  1. 決議Ⅷ.45から生じる課題および科学技術検討委員会(STRP)のすでに進行中の機能
  2. 「湿地の賢明な利用及び生態学的特徴の維持のための概念的な枠組み」(決議.1付属書A)に関する課題
  3. 「湿地目録、評価及びモニタリングの統合的枠組み」(決議.1付属書E)および条約の効果指標(決議.1付属書D)に関する課題
  4. 「ラムサール条約の水関連手引きの統合的枠組み」(決議.1付属書C)に関する課題
  5. 「国際的に重要な湿地のリストを将来的に拡充するための戦略的枠組み及びガイドライン」改訂版(決議.1付属書B)に関する課題
  6. 湿地管理(ラムサール賢明な利用ハンドブック第8巻)に関する課題
  7. 湿地と農業に関する課題
  8. 広報・教育・普及啓発(CEPA)の技術面
  9. 科学技術検討委員会(STRP)によるその他の部門の手引きの策定

決議Ⅷ.45から生じる課題および科学技術検討委員会(STRP)のすでに進行中の機能

Ⅰ⒜ STRPによる行動

1.締約国より提出される締約国会議決議案のうち、技術的内容を持っているものに対して検討と注釈を加え、常設委員会ならびに締約国会議に助言する。(常設委員会の第9回締約国会議(COP9)小委員会)

2.積極的な手引き機能と反応的な助言機能とのバランスを達成するという全般的目的をもって、個別に要請された手引きの起草とともに、条約の戦略的な科学技術的方向性の問題点を扱う真の「検討」機能を実行することと、新たに発生する問題に関して条約に科学技術的助言を提供する対応の仕組みとして行動することを、さらに強調していく。(STRP第12回会合(以下STRP12と略す))STRP20062008年緊急優先行動

3.効果指標(下記第節参照)やより広範な問題と関連させて、締約国会議決議の実施の科学技術面の進展を継続して概観する。(STRP12STRP20062008年緊急優先行動

4.すでに進行中の以下の機能における助言を継続して提供する:

)条約湿地の指定ならびに湿地管理問題に関して、生態学的特徴の変化にかかる条約第3条2の報告を含めて、要請に応じて助言する;

)生態学的特徴を損なう変化に直面する条約湿地を記載するモントルーレコードから、記載されている条約湿地を外そうという締約国からの要請に関して条約事務局に助言する;

)各国のSTRP担当窓口の専門知識や助言がSTRP作業へ十分に貢献できるように、彼らとの連絡を確立し維持する;

)条約の地域区分によって指定された地域とは異なる地域での活動に、参加しようという締約国からの要請に対して助言する;

)関係する条約担当政府機関の要請があった場合には、条約の「小規模助成基金(SGF)」プロジェクトのモニタリング及び評価への当該国のSTRP担当窓口を確実に参加させる;

)要請に応じて、湿地関連プロジェクトの選別(スクリーニング)、策定および評価において締約国ならびに二国間開発機関を支援する;

)条約のために国際湿地保全連合により維持されている「条約湿地情報サービス」の経過報告を受け、またその将来的必要性並びに発展性に関して助言する;

)他の多国間環境協定の科学技術的助言機関(ならびに関係する過程)と、「共同作業計画」の行動を通じて等、適切な場合に協力、情報交換ならびに活動調整を確実に実施する。

決議Ⅷ.28決議Ⅸ.11

5.特に(「ミレニアム生態系評価 (MA)の概念的枠組み」を参照する等して)不足分野を特定したり、旧来の手引きを最新の文書にまとめなおしたり、(勧告4.10および決議5.6等)旧式の文書を廃止あるいは取り消したりする観点から、(決議Ⅸ.17で要請された行動との関連で)条約の既存の手引きの範囲を検討し、次のCOP10にこの点についての勧告を行う。(STRP12,決議.1付属書A,COP9文書16STRP20062008年優先度の高い行動

Ⅰ⒝ STRP以外による行動

6.全般的に、新決議や追加決議の提案を進めることよりも、既存の決議勧告の十分な実施に対して、適切である限り高い優先順位を与える。[締約国](常設委員会の決議.45小委員会)

7.締約国が自国の状況に最も関係する決議や勧告の実施に集中できるよう、現行の決議勧告の主題別ならびに地理的関連性による索引をつくり支援する。[条約事務局](常設委員会の決議.45小委員会)

8.決議や勧告を条約担当政府機関以外の利害関係者にむけて普及啓発する仕組みを促進する。[締約国,条約事務局,他](常設委員会の決議.45小委員会)

9.新たなあるいは追加の決議を起草する際は、湿地管理者をはじめとする利害関係者が容易に利用できることを目指し、要約や事例研究を用いることも含め、できるだけ簡明で使いやすいものにするように努力する。[締約国,STRP](常設委員会の決議.45小委員会)

10.締約国会議各回のはじめに、また締約国会議の直前に開かれる常設委員会の会合に、その時点までに上程された締約国会議への提案や決議案に見られる潜在的な科学技術的課題のうち、その次の3年間にSTRPや条約事務局ならびに締約国に割り当てられると思われるものについて可能な限り完全なあらましを提出する。そうすることによって締約国会議は、そのような科学技術的課題全体の規模やそれらに着手するための費用等の付随情報も得て決定を下すことが可能になる。[条約事務局,STRP](決議.2)

11.決議や勧告の実施について共有すべき経験が得られた事例について、個々の湿地での経験についてその場所を特定し、得られた教訓を可能な限り明らかにするなどして、提供する。[締約国,政府間機関,国際団体パートナー,他NGO]

12.STRPの作業経費に自発的寄付をもって支援する。STRPの作業はそのような自発的寄付に頼っている。[締約国,援助機関,他](決議.2)

.「湿地の賢明な利用及び生態学的特徴の維持のための概念的な枠組み」(決議.1付属書A)に関する課題

Ⅱ⒜ STRPによる行動

13.「湿地の賢明な利用及び生態学的特徴の維持のための概念的な枠組み」と関連させることも含めて、「ミレニアム生態系評価」が明らかにした結果、なかでも特に応答選択肢に関するものを最も効果的に用いる方法を練り上げる。(STRP12,決議.1付属書A)

14.条約が1993年に出版した『湿地の賢明な利用に向けて(原題:Towards the Wise Use of Wetlands)』に収録されている事例研究ならびにその他関連の事例研究を検討し(行動66,69,72の要請も含み)、それらの事例のその後の進展状況を検討し、エコシステムアプローチの適用に関する助言を含めて最新の研究成果を提供する。(戦略計画行動3.1.2,STRP20032005年作業計画,STRP12報告)STRP20062008年優先度の高い行動

15.生態系の恩恵/サービスに関する定義と用語について(決議Ⅷ.7段落15ならびにCOP9文書16を参照し、かつ他の国際フォーラムにおけるこれらの用語の用法を考慮して)その調和をさらに検討し、COP10に報告する。(決議.1付属書A)STRP20062008年優先度の高い行動

16.条約履行の効果指標について達成されるであろう進展や、前述の行動5における手引きの不足分野の検討、ならびに決議Ⅷ.45の実施を考慮し、締約国の賢明な利用概念の実施を援助するために必要と思われる新たなツールを開発する。(戦略計画行動17.1.5,STRP20032005年作業計画)

17.漁業の維持に果たす条約湿地や他の湿地の貢献を評価し、枯渇する水産資源を最大持続可能収量(MSY)をもたらすレベルに維持もしくは回復させるという、「持続可能な開発に関する世界首脳会議(WSSD[訳注])」の目標に貢献しうるような持続可能な管理手法を推奨する。(戦略計画行動1.2.6)

[訳注]
日本では一般的に「ヨハネスブルグサミット」もしくは「第2回地球サミット」と呼ばれている。

18.湿地やその持続可能な漁業との関連についての締約国へのさらなる手引きを提供するために、「ミレニアム生態系評価 (MA)」や「農業における水管理に関する包括的評価プロジェクト(CA[訳注]」他の評価結果を考慮しつつ、決議Ⅸ.4付属書推敲する手段を検討する。(決議Ⅸ.4

[訳注]
「農業における水管理に関する包括的評価プロジェクト(CA)」は,ラムサール条約,国際農業研究協議グループ(CGIAR:Consultative Group on International Agricultural Research),国連食糧農業機関(FAO),生物多様性条約(CBD)の4者の共同プロジェクト(事務局:国際水管理研究所(IWMI)),プロジェクトHPhttp://www.iwmi.cgiar.org/assessment/

19.決議.14「湿地と貧困削減」実施のためのガイドラインを策定する。(決議.14)

20.進行中の作業や優先事項、すなわち決議Ⅸ.2付属書1に含まれる次の優先課題との関連において、バイオームにまたがる湿地の計画策定や管理のためのツールや取組について、その妥当性ならびに適用可能性を考慮する:課題5.既存の条約の手引きの検討;課題81.河川流域および沿岸域におけるさらなる管理方法の策定、ならびに課題 112.地球規模における湿地保全と賢明な利用の優先事項を反映させるための条約湿地選定基準とガイドラインの検討。(決議Ⅸ.20

Ⅱ⒝ STRP以外による行動

21.決議.1付属書Aの手引きに含まれる用語の政策文書等における利用を検討し、当該手引きにおける助言との一致を保つするようにこのような用法を必要に応じて適用する。[締約国](決議.1付属書A)

22.ハンドブックにある条約の手引きを用いた取組に着手する際は、適切な場合に「ミレニアム生態系評価」に由来し決議.1付属書Aの手引きに採択された『概念的枠組み』を参照しつつ、取組の焦点を選択する。[締約国](決議.1付属書A)

23.開発計画や、災害による被害を防止したり最小限に抑えるための手段を事前に認識した、湿地の賢明な管理を含んだ防災計画のために、適切な区域を選定するための多重危機(マルチハザード)分析を確立する。[締約国](決議Ⅸ.9

24.2004年12月のインド洋津波災害の被害を受けた国々の沿岸域湿地とそこに結びついた地域社会での人々の暮らしの回復、ならびに沿岸域一般の地域社会や湿地の脆弱性の削減を積極的に支援するために緊急に協働を行う。それらは以下のような取り組みを通じて進める:

25.賢明な利用の概念を適用する領域のひとつの例として漁業に注目して、適切な場合には空間的管理手法の利用を含めて、漁業の環境への影響を緩和する管理方法の導入あるいは継続を支援するために、生息環境の保全ならびに種の保全に対する条約の規定を用いる。[締約国](決議Ⅸ.4

26.条約湿地とその周辺域に関連した、職人的漁業を含む漁業ならびに水産養殖業に関する生態学的データおよび社会経済的データを体系的に収集するための全国規模ならびに地方規模のプログラムを検討し、必要に応じて増強する。そして、湿地に依存する漁業資源の目録、評価、モニタリングに着手する。[締約国](決議Ⅸ.4

27.条約湿地及び条約湿地や他の湿地に影響を及ぼしかねない区域における水産養殖法(例えば人工池での養殖や生簀養殖など)を注意深く制御し、湿地の生態学的特徴を損なうような変化を防ぐ。その際には、国連食糧農業機関(FAO)の1997年「責任ある漁業と水産養殖業のための行動規範および関連技術指針」、ならびに「水産養殖開発のための2000年バンコク宣言および戦略」(アジア太平洋養殖センターネットワーク(NACA)/FAO)などの規定を適用する。[締約国](決議Ⅸ.4

28.水産養殖業や水族館産業への水生生物相[訳注]の導入を調節するための政策や法律および事業に従って湿地の生態学的特徴を維持するために、侵入的外来種の移入を回避するようにする。また、既知の侵入的外来水生生物相(侵入的外来遺伝子を含む)の移入や蔓延を防止するために必要な措置を講じる。[締約国](決議Ⅸ.4

[訳注]
生物相(biota)。特定の場所における動物相と植物相を合わせたものだが、時に微生物相を加えて考える。

29.環境への悪影響の少ない漁業技術や関連活動のやり方を入手利用できるように漁業者を支援する。[締約国](決議Ⅸ.4

30.漁業資源の保全と持続可能な管理に役立ち、また生物多様性条約の目標やWSSD目標ならびにミレニアム開発目標を達成するために貢献できるという認識を助長するような、計画策定や管理の取り組みの相乗作用や提携を促進するために、生物多様性保全や自然資源管理に関係する他の条約や協定ならびに機関と(世界レベルならびに条約地域レベルでFAOとも)協働する。[条約事務局](決議Ⅸ.4

31.条約がさらに助言を受け条約の任務を果たすことができるよう、世界魚類センター(WorldFish Center)やFAO等、漁業資源やその保全ならびに持続可能な利用に関係する専門家組織との適切なパートナーシップを追求する。[条約事務局](決議Ⅸ.4

32.特に渡り性の水鳥など、湿地に依存する生物種の個体群動態及び持続可能な収穫に関する研究を促進し、広報を行う。また、国内の狩猟に関する法制度を、渡り性水鳥その他の湿地に依存する生物種の賢明な利用原則と確実に一致させる。その際、地理的範囲、種の生活史の特徴及び持続可能な収穫に関する研究を考慮に入れるむこと。[締約国,他](『戦略計画』行動12.2.4,12.2.5)

33.部門横断的仕組みである「泥炭地地球規模行動計画調整委員会」の作業と決議.17「泥炭地に関する地球的行動」(「ラムサール技術報告書」のひとつとして刊行予定)の下に策定された『実施計画』と優先事項の達成を通じることを含め、条約の賢明な利用概念適用の例証として、情報普及、締約国等による同計画実施状況のモニタリング、不足分野の特定ならびにさらなる同計画実施のための資金確保における支援を強調しつつ、泥炭地生態系ならびにその恩恵/サービスの賢明な利用を促進し確保する。[泥炭地地球的行動調整委員会,締約国,条約事務局](STRP12

34.熱帯性泥炭沼沢地林を消滅から救う計画を策定し実施する。[締約国,泥炭地地球規模行動計画調整委員会,援助機関](STRP12

35.マングローブ生態系の持続可能な管理のための、環境的に健全な技術の開発ならびに移転に関するイニシアティブに協力する[締約国,他](決議Ⅷ.32

36.湿地の保全と賢明な利用を奨励する措置を特定し促進するために、既存もしくは策定中の政策や法的、制度的枠組みの見直しを継続するとともに、保全と賢明な利用の妨げとなる措置を特定し廃止する。また、奨励措置と、資金供与の仕組み、取引、影響評価及び価値評価等の関連事項との関係について調査する。[締約国](戦略計画行動8.1.1,決議Ⅷ.23Ⅷ.34Ⅷ.40

37.先住民と協議を行い、彼らの支持を得た上で、湿地の保全と賢明な利用について先住民や地域住民が有する適切な伝統的知見や管理手法を文書化し、それらの適用を奨励する。[締約国](戦略計画行動6.1.2,決議Ⅷ.39

38.土地保有政策を見直す際には、必要に応じて、湿地とその資源の公平かつ透明で持続可能な管理を促進するような方法で、湿地の保有制度と利用者の権利を考慮する。[締約国](決議Ⅷ.34

39.適切な他機関と協働し、可能であれば、炭素の蓄積・隔離や海面上昇の影響の緩和に湿地が果たす役割について研究する。[締約国](決議Ⅷ.3

40.民間部門と共同で湿地に由来する動植物産品の国内外での輸出入双方の取引を再検討する。また適宜必要な法的、制度的及び行政的措置を講じ、それらの採取が持続可能であり、かつ絶滅のおそれのある野生動植物の種の取引に関する条約(CITES)を確実に遵守するようにする。[締約国](『戦略計画』行動7.1.5)

41.貧困削減に貢献する特に以下の分野における行動をとる:

42.決議.44「アフリカの開発のための新パートナーシップ(NEPAD)及びアフリカ地域におけるラムサール条約履行」に含まれる決定を基礎におき、またNEPADの実施と貧困削減を結びつけて、NEPADの「環境イニシアティブ」の湿地関連部分(事業領域2)を実施する。[アフリカ地域の締約国](決議Ⅸ.14

43.バイオームにまたがる統合的湿地計画策定や管理に関する情報、ツールおよび取組について締約国が入手できるようにする。また、そういったツールや取組のこれまで以上の適用や策定を促進する。特に、締約国がラムサール条約や生物多様性条約の規定や手引きをより効果的に実施できるように支援する際にそれらが持つさらなる用途を評価する。[WWF](決議Ⅸ.20

44.種々のバイオームが提供する生態系の恩恵/サービスが確実に認識され、それらが管理制度や土地・水利用活動に確実に組み入れられるように、統合的計画策定に条約湿地を含む保護区ネットワークの発展を組み込む。その際はまた、生物多様性条約決定/28「保護区」の規定、中でも保護区の制度と個別指定地にかかる計画策定、選定、設立、強化、管理のための直接的行動に言及する同決議付属書の『計画要素1』を特に考慮する。[締約国](決議Ⅸ.20

45.重要な文化的価値を有する湿地についてのさらなる事例研究を特定し分析する。そしてそれらを広く知らしめ、文化的過程と湿地の保全と賢明な利用の関係についての知識と理解を高める。[締約国](決議Ⅸ.21

46.湿地にかかる政策や戦略、また湿地管理計画に、文化的価値を組み入れる。そして、その結果についての広報(communicate)を行い、包括的かつ統合的な取組の策定に貢献する。[締約国](決議Ⅸ.21

47.幅広い参加型過程を通じて、文化的価値に関する手引きを提供しようという決議Ⅷ.19段落17に定められた作業を完遂する。その活動を調整するために、条約の常設委員会の監督下に、世界各地からの代表参加の地理的釣り合いを図りつつ、STRPからの適切なインプットを得て湿地の文化的価値に関する学際的な作業グループを設立する。[条約事務局,常設委員会,STRP](決議Ⅸ.21

48.条約の20062008年の作業に文化的価値を組み入れるために実行した活動とそれにより得られた経験を分析し、常設委員会およびCOP10に報告する。[条約事務局](決議Ⅸ.21

.「湿地目録、評価及びモニタリングの統合的枠組み」(決議.1付属書E)および条約の効果指標(決議.1付属書D)に関する課題

Ⅲ⒜ STRPによる行動

49.地下水問題ならびに欧州宇宙機関「地球湿地 GlobWetland」リモートセンシングプロジェクトの関連アウトプットに特に注意を払い、可能な分類法や現行の条約の分類法とどのように関連し得るかを評価することを含め、水文地形に基づく湿地タイプ分類法を開発、検討、出版する。そして締約国への助言を含むCOP10への報告を準備する。(STRP12

50.各国の国別湿地目録の全てが入力され、かつ締約国が情報更新できるような、ウェブ上の湿地目録のメタデータベースが利用できるようにする。(『戦略計画』行動1.1.4)

51.『地球全体の湿地資源と湿地目録の優先事項に関する評価』更新版(GroWI-2)が進展した際には、湿地目録のメタデータ情報を利用して適切なインプットをする。(STRP20032005年作業計画)

52.

)条約湿地にとって必要なデータと情報そして公式報告におけるそれらの役割を検討し、「条約湿地情報サービス」をより発展させ、また他の多国間環境協定に必要な報告との調和を図る。

)この検討結果に照らして、「ラムサール条約湿地情報票(RIS)」の構造を根本から再検討する。その際には決議.6「湿地目録の枠組み」、改訂された生態学的特徴の定義を含めた決議.1付属書A「湿地の賢明な利用及び生態学的特徴の維持のための概念的な枠組み」、ならびにその他関連の第9回締約国会議決議を考慮する。

優先して次の問題を扱う:

  • 湿地の生態学的特徴記載に関する手引きの準備;
  • 「湿地情報票」を電子的に提出するための手順の開発;
  • 「湿地目録の枠組み」の主要データフィールドならびに生態学的特徴の記述と、「湿地情報票」のレイアウトおよび情報フィールドとの調和;
  • 国境をまたぐ湿地の扱い方;
  • 正確な境界の記載を可能にする、新たな「湿地情報票」主要データフィールドを挿入する可能性の研究

)これらの検討に関連して、より一般的に湿地に必要とされるデータの体系を、地球規模と個々の湿地レベルと別々に扱って、策定する。STRP20062008年優先度の高い行動

53.決議Ⅷ.13で特定されているデジタル地図化にかかる問題を含めて、湿地の境界設定ならびに地図化に関する助言を、その生態学的特徴の記述と関連させて準備する。(STRP20032005年作業計画)STRP20062008年優先度の高い行動

54. 湿地の重要性の理由やその保全目標を考慮に入れつつ、生態学的特徴の変化を検出して、報告し、それに対応するまでの工程の全体について統合されたさらなる手引きを、そのような変化が報告するに足らないほどわずかなものであると判断するための指針を含め、準備する。(決議Ⅷ.8STRP20032005年作業計画)STRP20062008年優先度の高い行動

55.ユネスコの「人と生物圏(MAB)プログラム」の「生物圏保護区の統合的モニタリング(BRIM)」手順の策定が完了した後、これを検討・評価し、またそのラムサール条約湿地及び他の湿地の生態学的特徴のモニタリングへの適用について助言する。(決議Ⅷ.7

56.特に条約第3条2の報告様式に確実に合致するような、「モントルーレコード質問表」の再設計に関する助言を準備する。(STRP20032005年作業計画)

57.条約湿地の生態学的特徴の現状と傾向について、より湿地全般にわたる現状と傾向の下に可能な限り位置づけて、また適切な場合には「条約湿地データベース」や条約履行の効果指標ならびに「ミレニアム生態系評価」の取組の結果を活かして、その分析を準備する。(決議Ⅷ.8STRP20032005年作業計画)

58.前述の課題57に関連させて、2010年までに生物多様性の損失の速度を現在よりも大幅に低下させるというWSSD(第2回地球サミット)/生物多様性条約の目標、特に生物多様性条約の「特定生物圏(バイオーム)における傾向の指標」や「水質指標」に関する進展評価へのインプットとして、(「地球生物多様性概況」や国連環境計画(UNEP)の「地球環境概況第4版(GEO-4)」への貢献にも考慮して)、湿地とその生物多様性の現状と傾向に関する総合報告書を、2008年に一度、2011年にもう一度を出版することを目指して準備する。[STRP,条約事務局,国際団体パートナー](STRP12

59.条約履行の効果指標のデータ収集、編纂、分析、評価、その結果や結論の報告、出版、広報などの仕組みを確立し実施する。[条約事務局,締約国,国際団体パートナー,STRP](STRP12,決議.1付属書D)STRP20062008年緊急優先行動

60.賢明な利用に関する政策課題や人類に湿地が提供する恩恵/サービスを扱う指標を含めて、条約履行の効果を測る追加の指標を開発し、試験して、締約国の利用を推奨する。(決議.1付属書D)STRP20062008年優先度の高い行動

61.前段で述べた仕組みに加えて、決議.8付属書「20062008年における『20032008年戦略計画』実施の枠組み」の「主要成果領域(Key Result Areas)」とその関連指標を用いた条約の実施状況のモニタリングを援助する。[STRP,締約国,条約事務局](決議.8)

62.資源と能力が許す範囲で『鳥インフルエンザ科学作業部会』に継続して参加する;「高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)」に関連した発生時の緊急対策計画ならびに湿地管理計画を策定する諸機関に、野生の鳥類、飼育下の鳥類並びに家禽の間の感染症伝染の危険を減少させる実際上の手法に関して関連情報を提供する;この重大で急速展開する状況へ対応する国々を助ける実効的な助言等の情報共有を、適切な国際機関や『鳥インフルエンザ科学作業部会』とともに支援する。これらの進行状況を常設委員会ならびにCOP10に報告する。[STRP,条約事務局](決議Ⅸ.23

Ⅲ⒝ STRP以外による行動

63.地元から全国までの規模、ならびに国境をまたぐ水界生態系の評価における国際協力を通じたもの等の超国家規模での湿地生態系評価に、「ミレニアム生態系評価」の地域(subglobal)評価の経験や方法を利用する。[締約国,他](決議Ⅷ.7

64.「(湿地目録、評価及びモニタリングの)総合的な枠組み」に従って湿地あるいは湿地の生物多様性のモニタリングを立案し着手する際は、適切な状況下で迅速評価(rapid assessment)のツールや手法を用いる可能性も、決議Ⅸ.1付属書Eⅰにあるこれらの方法を用いた繰り返し調査による長期的な仮説主導型(hypothesis-driven)モニタリングの手引きに従って検討する。[締約国,他](決議Ⅸ.1付属書Eⅰ

65.国内の湿地目録に着手する際は、決議Ⅷ.16Ⅷ.6に採択されたガイドラインに基づき、湿地生態系の恩恵/サービスの現在もしくは過去の状況から、再生あるいは回復が適切であると思われる湿地を特定する。[締約国,他](決議Ⅷ.16Ⅷ.6

66.条約第3条2に基づいて締約国が条約湿地の生態学的特徴の変化あるいは潜在的変化を記録する際に用いる簡素な様式の策定を完了させる。[条約事務局,国際湿地保全連合](STRP12

67.湿地に関する影響評価を支援するための専門知識や助言の提供源を特定することを目的として、国際影響評価学会(IAIA)のネットワークに属する各国の窓口担当者との連絡を確立する。[締約国,IAIA](決議Ⅷ.9

68.自然災害の条約湿地や他の湿地の生態学的特徴への影響、ならびにそれら湿地に依存し被害を受けた人々の暮らしへの影響をモニタリングし評価する。また条約湿地については、それらの情報を条約事務局に報告して、決議Ⅷ.8に要請されているように条約湿地の生態学的特徴の現状と傾向をSTRPが次回締約国会議に報告できるようにする。[影響を受けた締約国](決議Ⅸ.9

69.賢明な利用アプローチを用いて持続可能な暮らしを増進することを目指し、個々の湿地ならびに湿地一般の経済的、社会的、文化的、および人々の暮らしに対する価値や、それら湿地が提供する恩恵/サービスの評価を行う。[(国連環境計画(UNEP),国連開発計画(UNDP),国連社会経済局,国際団体パートナー,国内NGO,国際NGO,その他とともに)締約国](決議Ⅸ.14

70.これまでの締約国会議の決議で決定された個別湿地における問題の現状と傾向を、適用できるならば条約の履行効果指標に関連させながら、継続してモニタリングし評価する。例えば、沿岸湿地の範囲と保全状況(決議Ⅷ.4)、マングローブ湿地の範囲と保全状況ならびに利用レベル(決議Ⅷ.32)、ダムの影響(決議Ⅷ.2)、一時的な湿地に対する脅威(決議Ⅷ.33)、侵入外来生物種による危機(決議Ⅷ.18)、干ばつ等の自然災害の影響(決議Ⅷ.35)等。[締約国,国際団体パートナー,他](決議Ⅷ.4Ⅷ.32Ⅷ.2Ⅷ.33Ⅷ.18Ⅷ.35

71.条約湿地の保護管理担当者:「効果的なモニタリング計画を企画するための枠組み」と「湿地リスク評価の枠組み」を活用し、理想的には、生態学的特徴の変化を検知、早期警戒を提供するための湿地管理計画の一環として、条約湿地ごとの効果的なモニタリング計画を確立する。さらに、これに関連させて条約湿地を、生物多様性の喪失、気候変動及び砂漠化の進行の推移を検出するための国別、超国家的/地域、そして国際的な規模での環境モニタリングのためのベースライン及び参照地域として利用する。[締約国](『戦略計画』行動11.2.1,11.2.2,決議Ⅸ.15

72.できるだけ早急に、条約の利益にも合致するモニタリング計画への長期的資金提供の展開を支援するパートナーシップを確立する可能性を探索する。[条約事務局](決議Ⅸ.23

73.湿地管理計画策定及び国または地域の湿地政策評価の際に客観的情報を提供する手段として、水鳥モニタリングデータとその分析結果を適宜活用する。[締約国](決議Ⅷ.38

74.「国際的に重要な湿地リストを将来的に拡充するための戦略的枠組み」及びガイドライン(『ラムサール賢明な利用ハンドブック』第7巻)の長期的目標と目標達成の進捗状況を締約国会議ごとに見直すことができるように、条約湿地情報票は、条約湿地の状況の変化を記録する必要に応じてできる限り頻繁に、少なくとも6年に1回の間隔で更新、改訂版を提出する。[締約国](戦略計画行動10.2.4)

75.湿地目録のメタデータベース(行動50参照)と連結させて、湿地資源の現況を定期的に分析し報告体制を改善する基盤として、締約国が提出する国別(または適切な場合、州別[都道府県別])湿地資源の状況変化の評価概略を保管する施設/方法を設立する。[条約事務局](『戦略計画』行動1.2.2)

76.これまでの締約国会議で採択された関連決議において必要とされ、あるいはそれらに要請されている報告の仕方を簡素化し、重複を減らす最良の方法を検討する。報告要件の合理化および簡素化に関するさらなる勧告を準備し、より簡素で重複を減らした報告様式を策定する(その際は決議.1付属書Dおよび決議Ⅸ.8の実施を考慮に入れる);また、UNEP環境条約部ならびに他の生物多様性関連条約や協定の事務局と、より効果的な条約履行に関して継続して協働する。その課題には、特に、また適宜、問題ごとのモジュールの策定と実施、各々の締約国を念頭におき個々の条約の任務に従った、国別報告要件の調和を図ることが含まれうる。[条約事務局,常設委員会,多国間環境協定](決議Ⅸ.5Ⅸ.8

77.ラムサール条約担当政府機関と他の関連条約・協定の担当窓口との間の連絡を改善するための国レベルでの手段を発展させる。そして、情報管理や他の生物多様性関連条約への報告との調和に関する進展について条約事務局に通達する。[締約国](決議Ⅸ.5

78.生物多様性条約の後援のもとに設立された「生物多様性連絡グループ(BLG)」の進行に引き続き十分に参加し、同グループが達成した進展を常設委員会に定期的に報告する;また、リオ3条約(国連気候変動枠組条約,生物多様性条約,国連砂漠化防止条約)の「合同連絡グループ」を通じるなどして、UNEP、ユネスコ、FAO等の国連機関、ならびにその他関連する政府間機関(例えば地球規模生物多様性情報機構(GBIF)、UNEP世界自然保護モニタリングセンター(WCMC)、国際農業研究協議グループ(CGIAR)ネットワーク)と密接に協力し、重複する活動を減らす。[条約事務局](決議Ⅸ.5

79.決議.8付属書「『20032008年戦略計画』の20062008年における実施の枠組み」の「主要結果領域(Key Result Areas)」ならびに関連指標を用いて、条約の実施状況をモニタリングする。[締約国,常設委員会,条約事務局,国際団体パートナー](決議.8)

.「ラムサール条約の水関連手引きの統合的枠組み」(決議.1付属書C)に関する課題

Ⅳ⒜ STRPによる行動

全般的な行動

80.水部門におけるラムサール条約問題の主流化にかかわる、広く広報・教育・普及啓発(CEPA)活動的な問題に関する手引きを準備する。(STRP12

河川流域管理/沿岸域管理に関する行動

81.河川流域管理ならびに(適切な場合に)沿岸域管理のために、『クリティカルパス』の取組のラムサール条約での適応をより詳細に策定する。またCEPAツールの適用も組み込んだ運用手引きを準備する。(STRP12STRP20062008年緊急優先行動

82.『クリティカルパス』の取組を用いた河川流域管理の事例研究を編集し対照し分析する。それには水の配分と管理に関する優良事例や、ダムを伴う例も含めた「環境のための水流(environmental flows)」の事例研究を含む。(STRP12

83.)ラムサールハンドブック第4巻と決議Ⅸ.1付属書Cⅰの手引きをまとめて、河川流域管理に関する条約の指針統合の準備をし、)同付属書Cに河川流域管理の不足分野と優先事項として特定された側面に関する追加手引きを準備する。(STRP12

84.特にダムの湿地や河川水系に及ぼす影響を考慮するために、入手可能な手引きを網羅する注釈付き文献目録を準備する。(STRP12,『戦略計画』行動3.4.4にも関係する)

85.沿岸域と上流域との相互作用の関連や、インド洋津波災害対応の際の教訓を含め、締約国から求めた研究事例に基づき、湿地を「統合的沿岸域管理(ICZM)」に組み込む際の望ましい実施の手引きを策定する。(決議Ⅷ.4COP9アジア地域会合)STRP20062008年優先度の高い行動

86.気候変動ならびに砂漠化との関係を含めて、乾燥地及び亜湿潤地における水資源管理に関する指針を策定する。(STRP20032005年作業計画,「生物多様性条約及びラムサール条約第3次共同作業計画」)

87.環境のための水流の測定やその要件の充足をはじめとする、湿地管理における水関連面を支援するための政策や法律ならびに規則に向けて実際に役立つ取組を特定するために、水や環境に関する法律を国際的に検討する。そしてその検討結果に基づき、法律や政策に関する条約手引きを検討して、これら水関連問題に関して強化を図る分野を特定する。(決議.1付属書C)

環境要素としての水の需要に関する行動

88.湿地の生態学的機能を維持するための水の配分及び管理に関する、良い実践事例の実証から得られた成果及び教訓をCOP10に報告する準備を進める。(決議Ⅷ.1STRP20032005年作業計画)

89.STRPが20032005年に作成した「ラムサール技術報告書」に含まれる資料や事例研究を利用して、締約国が湿地のための環境要素としての水の需要を満たすためのガイドラインを準備する。(STRP第3作業部会)STRP20062008年緊急優先行動

地下水問題に関する行動

90.)「地下水と湿地の相互作用」ならびに)「生態系機能を維持するための地下水の利用と管理」に関する技術報告書を準備する。これら報告書が完成した後、現在の「ラムサール条約の水に関連する指針の統合的な枠組み」(決議.1付属書C)を再検討し、湿地生態系を維持しつつ地下水汲み上げによる悪影響を最小限にまたは軽減することを目指した、地下水管理戦略を策定するための詳細な技術的手引きを準備し、またその他所要の修正を更新する。(STRP12STRP20032005年作業計画,決議Ⅸ.1付属書CⅲSTRP20062008年優先度の高い行動

水質に関する行動

91.水質と湿地の問題の戦略的検討に着手する。条約の手引きで水質問題を扱うための中期計画ならびに委託事項を策定する。そののち、締約国が湿地のための環境要素としての水の需要を測定し満たす際に、水質問題を組み込むための手引きを準備する。(STRP12STRP20062008年緊急優先行動

Ⅳ⒝STRP以外による行動

全般的な行動

92.締約国の関係省庁:湿地管理の担当部門と水資源管理担当部門とが、特に水の配分にかかる意思決定に関するような部門横断的な事項で協働するように、計画策定や管理過程に協力して取り組む。[締約国](決議.1付属書C)

93.水資源に関する制度的ならびに行政(governance)の機構を、水問題に関する計画策定や意思決定の際に市民社会の声が確実に統合されるようにする。[締約国](決議.1付属書C)

94.ラムサール条約に合致するエコシステムアプローチを組み込むことができるよう、国家『統合的水資源管理』計画に決議Ⅵ.23Ⅶ.18Ⅷ.1及びCOP9決議.1付属書Cとその付属書、ならびに「湿地の生態学的機能を維持するための水の配分と管理に関するガイドライン」(ラムサールハンドブック第12巻)を統合させ、また同計画を通じてこれら指針を部門横断的に実施することによって、国から地方までの水管理当局にこれらの指針を注目させる。[締約国](決議Ⅸ.3

95.水関連のプロジェクトや貧困削減戦略文書ならびに沿岸域計画の企画、計画策定、実施において、湿地とその機能の維持を確実に考慮する。[締約国,関係機関](決議Ⅸ.3

96.湿地生態系の恩恵/サービスの重要性が、湿地生態系の機能を維持しつつ水資源を効果的に管理する重要要素として、会議のアウトプットに確実に認識されるように、「第4回世界水フォーラム」(メキシコ、2006年)の事務局ならびに将来の水関連の地球規模、地域規模の取組と協力する。[条約事務局](決議Ⅸ.3

97.「ラムサール条約の水に関連する指針の統合的な枠組み」ならびに関連する「ラムサール賢明な利用ハンドブック」を、将来追加採択される決議や手引きに応じて更新する。[条約事務局](決議.1付属書C)

河川流域管理/沿岸域管理に関する行動

98.「統合的水資源管理(IWRM)」の責任当局:このような管理が、陸上、海洋ならびに大気の各部門における計画策定や管理の取組みと、淡水域と海洋の接点における「統合的沿岸域管理(ICZM)」と、緊密に連携することを確実にする。[締約国](決議.1付属書C)

99.水資源管理当局:人々が水から得ている価値の多くが健全に機能する生態系の構成要素のひとつとしての水によるものであることを鑑み、上水管理とその供給源である水資源の管理の運用の連係がよりうまくいくようにする。[締約国](決議.1付属書C)

100.「統合的水資源管理」に関してCSD13で決定された関係重要要素を、締約国とともに促進し実施する。その中でも特に、人類の福祉と経済活動に必須の資源と恩恵/サービスを提供する生態系の持続可能性を高め、その保護に投入する資金調達の革新的手段を策定すること;生態系の決定的役割を考慮に入れつつ、水流を調節し水質を改善するために集水域を保護し回復すること;ならびに、特に農業部門をはじめすべての部門を通じて、より効果的な水需要及び水資源の管理を支援することが重要である。[条約事務局,締約国](決議Ⅸ.3

101.2008年のCSDの報告会合[訳注]にラムサール条約からのインプットを常設委員会が事務局長を通じて提供するために、常設委員会第34回会合に上記段落 100の課題への対応を促進しようとする条約の行動計画について報告する。また、次のCOP10にこれらの課題へ対応する条約の活動に関して報告を準備する。[条約事務局](決議Ⅸ.3

[訳注]
水と公衆衛生ならびにそれらの連結に関するCSD13決定の実施についてそのモニタリングと事後点検を検討する特別会合のこと(決議Ⅸ.3段落4).
環境要素としての水の需要に関する行動

102.河川流域からの取水あるいは河川流域への下水や廃棄物排出などの計画を作成し実施する責任当局:地表水の流れから満たされる需要と地下水から満たされる需要の両者を含めて、すべてのタイプの湿地(泥炭地や他の内陸および沿岸域湿地を含む)の水の需要について考慮する。[締約国](決議.1付属書C)

地下水問題に関する行動

103.湿地管理者ならびに地下水管理者:湿地と地下水の相互作用の可能性を評価するために、河川流域規模あるいは帯水層地域規模でスクリーニング研究に着手する;水収支等に関するより詳細な研究に適宜着手する;現在または将来の地下水利用の影響を受けると思われる個々の湿地において、地下水と湿地の相互作用に関する概念的モデルを開発する;また、影響と現状および傾向を組み合わせた、より広範な条件評価に着手する。[締約国](決議Ⅸ.1付属書Cⅲ

.「国際的に重要な湿地のリストを将来的に拡充するための戦略的枠組み及びガイドライン」改訂版(決議.1付属書B)に関する課題

Ⅴ⒜ STRPによる行動

(上の第節に含まれる条約湿地のデータの必要性ならびに湿地情報票に関する課題も参照のこと)

104.『十分に代表されていない』湿地タイプの解釈を発展させ、条約の効果指標との関連も含め、条約湿地リストで代表されるべき種々の湿地タイプの目標を明確にする方法を研究する。(決議Ⅷ.11STRP20032005年作業計画,決議.1付属書D)STRP20062008年優先度の高い行動

105.条約湿地選定基準1及び3を適用する場合に役立つ種々の生物地理学的地域区分法についての研究を進め、COP10で考慮し採択を検討できるように、条約湿地の選定の際に用いることが望ましい少数の選択肢を勧告する。(決議Ⅷ.7STRP12

106.上記段落52の行動から条約湿地情報票を改訂し、適宜、『湿地情報票の注釈及びガイドライン』に組み込むべき追加手引きを準備する。(決議Ⅷ.7Ⅷ.13Ⅷ.21STRP20032005年作業計画)

107.特定の湿地タイプの指定に関する既存の手引きを再検討し、締約国の適用経験に照らして役立っているかどうかを審査する。特に重要湿地選定の追加指針や関連する問題を検討するという生物多様性条約(決定/4[訳注])からの要請への応答として、各湿地タイプに関する追加手引きの必要性を評価する。(STRP12STRP20062008年優先度の高い行動

[訳注]
該当箇所は生物多様性条約決定/4の段落29.

108.水生生物や水に依存する生物相(バイオータ)による利用を含め、貯水池等人工湿地の果たす生態学的な役割を見直し、こうした湿地をすでに特定してラムサール条約湿地リストに載せるように指定している締約国の経験を考慮に入れて、こうした湿地の特定と指定に関する手引きを締約国のために準備する。(決議Ⅷ.2STRP20032005年作業計画)

109.IUCN(国際自然保護連合)の適切な専門家グループと協働して、条約湿地選定基準9を適用するために適切な個体群推定値と1%基準値の一覧表を作成し更新し、次回(COP10)およびそれ以降の締約国会議に供する。(STRP12,決議.1付属書B)STRP20062008年緊急優先行動

110.魚類に基づく条約湿地選定基準と関連手引きの適用および利用を検討し、必要があれば改正する。(STRP12

111.条約湿地を他の保護区制度に統合する努力の調整について検討する。(決議Ⅸ.22

112.条約湿地選定基準に関する検討にかかる上記の具体的行動に加えて、生物多様性条約の付属書1のような他の関連の体系と関係を含め、地球規模の湿地保全と賢明な利用の優先事項を確実に反映するように、選定基準と指針を全体として常に検討する。20062008年の期間は、人為的改変によってその生態学的特徴がすでに損傷された湿地との関連で、人工湿地の指定のためのさらなる手引きの策定に特に注意をはらう。(『戦略計画』行動17.1.5,STRP20032005年作業計画,COP9報告)STRP20062008年優先度の高い行動

Ⅴ⒝ STRP以外による行動

113.「国際的に重要な湿地のリストを将来的に拡充するための戦略的枠組」及びガイドラインにおいて、用語ならびに目標達成期間が限定されている説明等について、COP9で採択された改正の結果生じる改訂を施す。[条約事務局](決議.1付属書B)

114.決議.1付属書Bにて導入された改正を組み入れて条約事務局が準備した「湿地情報票(RIS)」の改訂様式を、新たな条約湿地の指定、既存の条約湿地の拡張、ならびに既存の条約湿地の情報更新の際に用いる。[締約国](決議Ⅸ.15

115.特に条約湿地の指定に役立つ水鳥個体数に関するデータの継続的な収集と提供を通じて、国際湿地保全連合とバードライフ・インターナショナルを支援する。[締約国,国際湿地保全連合,バードライフ・インターナショナル](決議Ⅷ.38

116.今後も締約国会議ごとに継続して『水鳥個体群推定値』改訂版を準備する。これにあたっては、事前にその内容を国際的かつ科学的に協議し、また決議Ⅵ.4の(当該個体群の情報がかつて十分にわかっていなかった場合や急激に変化した場合を除き)通常締約国会議3回未満の期間[訳注]で1%基準値を改正してはならないという指示に従う。しかし、『水鳥個体群推定値』に収録された個体群推定値と1%基準値が、将来の3年間ごとに条約湿地選定基準6を適用する根拠として利用可能となる。[国際湿地保全連合](決議Ⅷ.38

[訳注]
即ち9年未満となる。

117.『重要鳥類生息地(IBA)』ならびに条約湿地候補の条約地域ごとの分析を含め、締約国その他がIBAプログラムの情報を利用できるようにし、まだ分析が実施されていない条約地域については同様の分析書の作成を検討する[バードライフ・インターナショナル](決議Ⅷ.38

118.魚類の生物多様性を保全し持続可能な漁業を支援するために国際的に重要な条約湿地を指定する努力を促進し、特に絶滅のおそれがあり淡水域から海洋環境まで長距離の移動を行なう種について、その魚種の生活環全体を包含するような方法でそのような湿地を指定することを考慮する。[締約国](STRP12

119.条約湿地に指定する可能性を評価する際は、前述のように魚種に配慮したやり方を考慮することに加えて、その他の「より顕著ではない」水生動植物相を認定する可能性も注意深くかつ体系的に検討する。[締約国](決議.1付属書B)

120.COP9で採択された新たな条約湿地選定基準9の下に認定可能な湿地を特定し、評価する。また、COP9で合意されたそのような湿地の長期的目標に貢献するのに適した湿地をリストに加える。[締約国](決議.1付属書B)

121.条約湿地の指定を考慮するために人工湿地を評価する際は、決議.1付属書Bに提供されるこれらの事項に関する追加手引きを考慮する。[締約国,条約事務局](決議.1付属書B)

122.「国際的に重要な湿地のリスト」に掲げられている湿地の廃止またはその区域の縮小を熟考する際には、決議Ⅸ.6付属書に述べられる手引きと手続きを適用する。また、この決議の適用から得られた経験や教訓を条約事務局に提供する。[締約国](決議Ⅸ.6

123.「国際的に重要な湿地のリスト」に掲げられている湿地の廃止またはその区域の縮小に関する問題について締約国に助言する際には、締約国による条約湿地情報票の改訂版提供に関する助言を含め、決議Ⅸ.6付属書の手引きを考慮に入れる。[条約事務局](決議Ⅸ.6

124.可能な限り、ラムサール条約湿地のネットワークの拡張や世界遺産登録地の指定ならびに「生物圏保護区」を特定する努力をまとめられるよう、これまで以上に幅広い保護区制度のための手順を策定するよう検討する。[締約国](決議Ⅸ.22

125.生物多様性条約の海洋および沿岸域の生物多様性に関する『ジャカルタ指令』[訳注]の作業計画の国内実施過程を検討し、その結果にラムサール条約湿地の特定と指定が十分に統合されるように図る。[生物多様性条約にも加盟しているラムサール条約締約国](決議Ⅸ.22

[訳注]
Jakarta Mandate「ジャカルタ指令」もしくは「ジャカルタ・マンデート」、生物多様性条約における該当箇所は決定.10.

.湿地管理(ラムサール賢明な利用ハンドブック第8巻)に関する課題

Ⅵ⒜ STRPによる行動

126.生態系の回復と脆弱性に対する対応実施において「統合的沿岸域管理(ICZM)」における湿地の役割に関連する既存の指針や新規のものを利用することや、自然災害の影響緩和における湿地生態系の役割を強調する既存ガイドラインを適宜更新することも含め、締約国のために自然災害全般の後に実施すべき湿地再生活動のための一連のガイドラインを策定する。[STRP(国際団体パートナーや他の関係機関とともに)](決議Ⅸ.9

127.失われた湿地、または劣化した湿地の再生と回復のための新たな研究と方法論についての情報をまとめて広報する。また、湿地再生のツールと手引きをさらに発展させる。(『戦略計画』行動4.1.3,決議Ⅷ.16

128.決議Ⅶ.24に対応する、湿地喪失の代償措置に関する手引きを準備する。(決議Ⅷ.16

Ⅵ⒝ STRP以外による行動

129.条約湿地に関連して着手された管理手法の成果や効果をモニタリングし評価する。またその結果を適切な報告書にまとめる。[締約国,各国のSTRP担当窓口](決議.1付属書E)

130.湿地の管理計画策定に関する『ラムサール・フィールドガイド』の実施における経験をモニタリングし検討する。そして、決議Ⅷ.14付属書段落3の実施という観点から、その結果を自国のSTRP担当窓口を通じSTRPに提供する。[締約国,各国のSTRP担当窓口](STRP12

131.気候変動と異常気象に対する湿地の回復力を高めるような、また洪水や旱魃の影響を受けやすい国々においてはそれらのリスクを低減するような方法で、湿地管理を実施する。[締約国](決議Ⅷ.3

132.失われた湿地、または劣化した湿地の再生と回復のための新たな研究と方法論についての情報をまとめて広報する。[締約国,国際団体パートナー,他](『戦略計画』行動4.1.3)

133.特に主要な水系や自然保護上の価値が高い区域に結びついている、破壊された湿地や劣化した湿地において実施可能ならば湿地再生/回復計画を確立する。[締約国,湿地管理者](決議Ⅶ.17

134.再生事業に労働や技能獲得ならびに収益機会の提供を組み入れることや、地域社会が依存する湿地生態系の恩恵/サービスの再生に焦点をあてることによって、湿地再生を貧困削減と結びつける。[締約国](決議Ⅸ.14

135.条約第3条2項による条約湿地の生態学的特徴の変化の報告およびその維持または再生に関する要件を完全に満たす。それには、第3条2に従う報告の対象となりうる当該湿地の問題をできる限り早く扱い解決するため、そして問題が解決されたならば追加報告を提出するために、適切な仕組みのすべてを用いることを含め、当該湿地でプラスに働いた影響と生態学的特徴の望ましい変化のどちらもが、第3条2の下での報告、ならびに条約湿地ネットワークの現状と傾向とが3年ごとに明確に把握されるようにするために締約国会議への報告にも、十分反映されるようにする(第節も参照)。[締約国](決議Ⅸ.15

136.決議Ⅷ.8段落20に関して、生態学的特徴の変化またはその可能性に応じる締約国の行動を支援し奨励するための選択枝を考慮する。[条約事務局](決議Ⅸ.15

137.途上国に、条約湿地の廃止または縮小の検討をもたらす要因を可能な範囲で反転するために役立つ、能力向上を含む援助を提供する。[締約国](決議Ⅸ.6

138.自然災害の影響を受けた生態系の再生を援助する条約の手引きを念頭に置きながら、その広範な生態系の恩恵/サービスを人々や生物多様性に十分に提供し続けるよう自然災害に対する脆弱性を削減するため、決議Ⅷ.1が求めるように条約湿地や他の湿地ならびに関連する生態系を、それらの自然の水文環境に従って維持または再生する。[締約国](決議Ⅸ.9

139.洪水のような自然現象の影響を緩和し、乾燥地域や半乾燥地域においては干ばつに対する回復力を与え、また気候変動や砂漠化の影響を緩和するための広範な戦略に貢献するように、しかしてそれら変動によって誘発されあるいは増大される自然現象が及ぶ範囲やその規模を減じることができるように、防災計画策定の一部として、湿地生態系の管理や再生を確実にする。[締約国,河川流域当局](決議Ⅸ.9

140.洪水や高潮(たかしお)、干ばつ、侵略的外来種等をはじめとする自然災害を防止し、影響緩和し、それらに適応するよう、湿地生態系管理が統合され社会的に公平なものとなるために、影響を受けたすべての生態学的区域(ecological zones)に対する意思決定を支援するツールを策定し、それに基づいて行動する。[条約事務局(締約国等とともに),他パートナー団体](決議Ⅸ.9

141.湿地、特に条約湿地に影響を及ぼす、あるいは及ぼしかねない自然災害の発生に対して政府等が直ちに開始すべき一連の対応に関する手引きを策定する。[条約事務局(とりわけ国連環境計画(UNEP)/国連人道問題調整部(OCHA)共同環境ユニットや、国連国際防災戦略(ISDR)、世界気象機関(WMO)ならびに国連環境計画(UNEP)を特に含む関係国際団体機関、また適切な国際団体パートナーと協働する)](決議Ⅸ.9

142.植林と管理、造林と森林再生など「京都議定書」履行のための国家政策によって湿地の生態学的特徴が損なわれることのないようにする。[締約国](『戦略計画』行動3.4.9)

143.管理計画策定に関する決議.14に従って、条約湿地の管理責任主体が、持続可能な漁業を含めた湿地の生態学的恩恵/サービスを維持する方法を、湿地の管理計画策定過程に確実に組み入れるようにする。[締約国](決議Ⅸ.4

144.条約湿地の区域内や隣接域ならびに関連範囲において、漁業管理責任当局の活動が当該条約湿地の生態学的特徴の維持を確実に支えるようにする。[締約国](決議Ⅸ.4

145.保護区域に関する政策や国内制度において、内陸、沿岸域および海洋の保護区域を設立して生物多様性の保全ならびに漁業資源の管理のツールとして認識するために必要な手段をとる。[締約国](決議Ⅸ.4

146.漁業資源の保全や持続可能な利用のために、各種の政策や行動および計画において、参加型管理の重要性を強調する決議Ⅷ.36の規定を考慮に入れる。[締約国](決議Ⅸ.4

147.水生生物相(biota)の移動経路を維持または回復するため、特定汚染源およびすべての形態の汚染拡散の影響を減じるため、水生生物相の保全を支えるような環境のための水流の配分を確立し実施するため、決定的な産卵場および稚魚の成育場を保護するため、そして劣化してしまった生息環境を再生するために、決議.1「水の配分」、決議.4「統合的沿岸域管理」、ならびに決議.32「マングローブ生態系」に採択された手引きを考慮に入れて、河川流域ならびに沿岸域における統合的管理の枠組みにおいて必要な手段をとる。[締約国](決議Ⅸ.4

.湿地と農業に関する課題

Ⅶ⒜ STRPによる行動

148.決議Ⅷ.34ならびに決議Ⅸ.4に基づいて、「農業における水管理に関する包括的評価プロジェクト(CA)」および「食糧と生態系のための水」の取組へ適宜インプットを提供する。(STRP12

149.「農業における水管理に関する包括的評価プロジェクト(CA)」(ラムサール条約への農業と水および湿地に関する報告の準備を含める)および「食糧と生態系のための水」の取組が結論をまとめたならば、それらの結論に照らして決議Ⅷ.34ならびに決議Ⅸ.4の構成要素を見直して未解決で残っている必要事項を把握し適切に対処する。(STRP20032005年作業計画,STRP12

150.「農業における水管理に関する包括的評価プロジェクト(CA)」等の取組より提供される情報を活用しつつ、かつ既存の法的枠組みに沿った形で、種々の湿地タイプにとって好ましい農法や農業政策に関するガイドラインを準備する。(STRP20032005年作業計画)STRP20062008年緊急優先行動

Ⅶ⒝ STRP以外による行動

151.条約湿地における漁業に対する水稲栽培の重要性を検討して資料にまとめ、『稲と魚類』をいっそう効率よく組み合わせた管理手法を促進する。[締約国](決議Ⅸ.4

.広報・教育・普及啓発(CEPA)の技術面

Ⅷ⒜ STRPによる行動

152.STRP作業へのCEPA専門家からのインプットを通じて、STRPが準備する専門的内容を伴った手引き文書の各々に、CEPA問題が十分取り扱われているようにする。(決議Ⅸ.11付属書STRP20062008年優先度の高い行動

153.STRPが準備する手引き文書の主題となる課題に関して、特に他の部門を含む意思決定者に対する普及啓発目的の資料を作成する機会を探求する。(STRP12STRP20062008年緊急優先行動

Ⅷ⒝ STRP以外による行動

154.決議Ⅷ.31で確立された「CEPAプログラム」の実施をモニタリングして報告し、国際湿地保全連合「CEPA専門家グループ」及び「ラムサール条約能力育成(Capacity Building)助言評議会」と共同して、広報や教育ならびに能力育成に関する優先事項を吟味して設定する『監督委員会』を設立する。また、同監督委員会の活動成果、ならびに条約の「CEPAプログラム」を前進させるにあたっての同監督委員会の意義評価を、COP10に報告する。[常設委員会](決議Ⅸ.18

155.湿地に関するCEPAの分野での現在の国内のニーズと能力を見直し、これをもとに、国の湿地CEPA行動計画の中での能力育成の優先事項を決定する。[締約国](決議Ⅷ.31

156.公式の教育課程(カリキュラム)が湿地の賢明な利用の原則を推進し、湿地の賢明な利用という目標を追求する際のCEPAの重要性を認識しつつ、湿地生態系の恩恵/サービスに関する情報を確実に組み込むために、公式の教育課程を見直す。[締約国](決議Ⅷ.31

157.進行中のCEPA活動、特に将来の「世界湿地の日」の祝典や行事を通じて、漁業資源の保全と持続可能な利用に対する湿地の重要な役割に注意をひく。[条約事務局](決議Ⅸ.4

158.賢明な湿地管理を組み入れた防災計画策定を通じて災害の影響を防止し最小化するために、適切な事前策に関して世界中から得られる教訓を強調した資料を、条約の「CEPAプログラム」を通じて資金の許す範囲で策定する。それら資料は災害の影響を弱めることに成功する取組の例示となり、また湿地の緩衝帯としての役割に関する社会の意識や能力を向上させる役に立たなければならない。[条約事務局](決議Ⅸ.9

159.定期的な科学技術フォーラムがまだない条約地域において、「アジア湿地シンポジウム」の経験を利用し、条約の下に設立された地域的取組を含む条約実施への科学技術的支援を増強する方法として、そういったフォーラムの設立が役立つかどうかを考慮する[締約国,国際NGO,関係する他の科学技術団体](決議Ⅸ.19

160.前項のような地域湿地フォーラムにおける経験交流や革新的手法の議論といった機会を通じて、締約国や政府機関の条約履行を支援する上で、フォーラムの成果が十分に利用されうるようにするため、「ラムサール条約地域会合」(小地域会合を含む)と地域湿地フォーラムの連係を奨励し発展させる。[条約事務局,常設委員会](決議Ⅸ.19

.科学技術検討委員会(STRP)によるその他の部門の手引きの策定

Ⅸ⒜ 今後注目するべき問題/部門としてSTRPが特定するもの

161.条約の部門別手引きとして、条約の全般的戦略及び枠組みを検討し必要に応じて策定する。(STRP12

162.決議Ⅸ.4に揚げられた問題に関連して、魚類ならびに貝類や甲殻類の漁業および水産養殖業を含めた、漁業に関するさらなる手引きを策定する。(STRP12

163.「ミレニアム生態系評価」とその統合報告書の情報を含め、湿地生態系の賢明な利用と人類の健康との関係および問題について、検討し詳しくまとめる。またラムサール条約と世界保健機関(WHO)との可能な結びつきを探究する。(STRP12STRP20062008年緊急優先行動

164.観光/エコツーリズム部門に関する手引きを策定する機会を考慮する。(STRP12

165.森林生態系および林業について進められている関連する取組を特定し、湿地問題をそれらに適切に反映させるよう探究する。(STRP12

166.湿地におけるミティゲーション問題に関する手引きを策定する。(決議Ⅶ.24STRP12

Ⅸ⒝ 将来の作業の必要性をさらに評価すべき問題/部門

167.以下の追加的部門や課題領域にかかる作業あるいは将来の作業に、必要に応じた優先順位を考慮する。


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[英語原文:
ラムサール条約事務局,2005.Resolution IX.2 "Future implementation of scientific and technical aspects of the Convention", November 2005, Convention on Wetlands (Ramsar, 1971). http://ramsar.org/res/key_res_ix_02_e.htm.]
[和訳:
表紙「ラムサール条約第9回締約国会議の記録」 「ラムサール条約第9回締約国会議の記録」(環境省 2008)[この決議のPDFファイル: http://www.env.go.jp/nature/ramsar/09/9.02.pdf]より了解を得て再録,琵琶湖ラムサール研究会,2008年.]
[レイアウト:
条約事務局ウェブサイト所載の当該英語ページに従う.]
[フォロー:
決議Ⅹ.[x]SC37案文:DOC. SC37-30[英文]), ラムサール条約20062008年作業計画(英語原文), 決議Ⅸ.8決議Ⅷ.25 .]

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URL: http://www.biwa.ne.jp/%7enio/ramsar/cop9/res_ix_02_j.htm
Last update: 2008/06/01, Biwa-ko Ramsar Kenkyu-kai (BRK).