2002年11月〜12月のレポート
今回の出撃隊員、TER@KINさん、おぐおぐの2名
1.ホンダ フィット アリア
カローラを追いぬいて、この1年で最も売れた車になったフィット。このフィットにセダンボディが誕生しました。
いえ、実は以前からアジア方面では販売されていたのですが、それが逆輸入されて日本国内で発売されるようになっ
たのです。本名「シティ」で、和名が「アリア」というわけなのです。どんな車なのか見に行って来ました。
アリアは、まさにフィットのシルエットに荷室を取り付けただけのデザインに見えます。しかし、よく観察すると、ヘッドラ
イトはフィットの流用ではなく、横長タイプになっています。また、メッキグリルを採用し、リアランプもセダン専用の物と
なっていました。フィットが活動的な印象の強い車なので、アリアは少し落ち着いた印象を狙っているのでしょう。そし
て、それは見事に実現されていました。
「室内も落ち着いているな。」
アリアの室内は木目調パネルを採用したり、暖色系のカラーリングを施すことで、フィットとは違う趣を表現しています。
さすがに3ナンバーサイズの高級セダンと比較するのは問題がありますが、1300cc〜1500ccクラスの室内とは思
えないほど豪華です。そして、フィット譲りの広い室内も健在ですから、一クラス上の車と競合してもおかしくないです
ね。
「うわ!なんだこの荷室は!!」
フィットとの最大相違点である荷室。これを開けてみた時、その大きさに驚かされました。フィットでも必要十分な大きさ
があるのですが、これは・・・。
「ひょっとして、この車はフィットより使えるんじゃないのか?」
本気でそう思いました。確かに荷室の分だけリアオーバーハングが少し長くなりますが、最小回転半径は同じですから、
よっぽど狭い路地の奥に行く用事でもないなら、アリアの方が実用性が高いと思います。まあ、そのリアオーバーハン
グにこだわるほどギリギリの運動性を求める人がいれば別ですが(笑)。
ところで、ホンダはどうして日本国内でもシティという名前で売らなかったのでしょう?かつて売っていた車名をリバイバ
ルさせるのは、ホンダお得意の技のような気がするのですが・・・。それとも今さら、トヨタのように伝統的な名前を嫌い
はじめたのでしょうか?
「やっぱり来年も販売台数首位を狙っているのかな?」
フィットという名前を冠することで、アリアの販売台数もフィットにカウントできるようになります。そうなると、販売台数を
伸ばす事が容易になるわけです。来年もカローラとの熾烈な販売競争が待っているでしょうから、そのための布石だと
考えれば合点がいきます。
何と言っても、シティではネームバリューが大きすぎますから、サブタイトルにできませんしね(笑)。
2.三菱 コルト
今、最も激戦となっているコンパクトカー。そこに、三菱が満を持して送り出した車がコルトです。メルセデスベンツと共
同開発と言われるプラットフォームを使い、CMでもドイツの技術と高らかに謳っています。この三菱再生の鍵を握るで
あろう車を見てきました。
コルトのフォルムは他社のライバルと同じ2ボックスカーで、ヘッドライトはやや吊り目ぎみになっています。特徴的なの
は、グリルのデザインで、スリーダイヤモンドをあしらった三角形の仕切りが、新生三菱を主張していました。
テールランプは縦長で、車体の高い部分に設置されています。遠くからでも視認されやすいデザインですね。
サイズは全長3870mm、全幅1680mm、全高1550mmと、コンパクトカーの中では大柄な部類になります。まあ、
僅差なので取りまわしが悪いと感じるような事はないと思いますが。
コルトは最近のコンパクトカーらしく、室内空間がゆったりとしています。後席の足元も広いですし、アリアほどではあり
ませんが荷室も狭くはありません。そして何より、内装の質感が高い!
「さすがにベンツがバックにいるだけはあるなぁ。」
素直に感心してしまいました。インパネ周りなどは、すっきりとしたデザインをしていますが、決して安っぽくありません。
それどころか、かなり高級な印象があります。1クラスどころか2クラスぐらい格上の車と比較しても引け目を感じる事は
ないでしょう。とても110万円から買える車とは思えませんね。
「三菱がトヨタに内装で勝つなんて・・・。」
内装の演出は、国産ではトヨタが最も得意だと思っていましたが、三菱もやるものですね。完全にお株を奪っています。
新生三菱は侮りがたいようですね。
ここまででも、コルトがライバルに一歩も引かない車である事がわかりますが、その上に、さらに売りとなるモノがありま
す。それが、「カスタムフリーチョイス」と言われる選択自由度の高さです。
エンジン、タイヤ&ホイール、内装色、フロントシート形状、リアシート形状、オーディオ、スピーカーを自在に選択できる
上、ボディーカラーは10色もあります。さらに、ここにメーカーオプションとディーラーオプションを取りつけられるそうな
ので、ユーザーが「妥協」をすることなく、本当に欲しい車を買えます。
これは良いアイディアですよね。買う側の視点に立った販売体制だと言えるでしょう。これは、本当に他のメーカーも見
習って欲しいなァ。
コルトはメーカーの予測以上に売れているそうです。実際、車が良くて販売体制も良いわけですから、売れて当然です
ね。この上、噂される「WRC参戦」が決まったら、さらに売れるのではないでしょうか?そうなると、他メーカーのコンパ
クトカーも・・・。
さすがにそれはないか(笑)。
3.ダイハツ ムーブ
ムーブはトールタイプの軽自動車として、ワゴンRと人気を2分していました。しかし、現在は圧倒的にワゴンRが優性と
なっています。その上、ホンダのライフや三菱のeKなどの追い上げも無視できない勢いなってきました。
新型ムーブは再びワゴンRと対等に戦える車なのでしょうか?そんな興味で新型ムーブを見に行って来ました。
ムーブは大きく分けて2つのボディを持っています。ノーマルの「ムーブ」と、スポーティーな「ムーブ カスタム」です。
オーソドックスな「ムーブ」に対して、「ムーブ カスタム」は丸目4灯のヘッドライトを採用し、ちょっと「悪っぽい」顔に仕上
げられています。オプションにローダウンサスペンションが用意してあるのも「お約束」ですね(笑)。
ムーブのリアドアは運転席側をヒンジとする片側開きの扉になっているのですが、実はオプション選択で跳ね上げ式に
する事もできるのだそうです。これは良いですね。ユーザーのライフスタイルに合った扉を選択できるのですから!
また、AT車はコラムシフトなのですが、MT車は何とフロアシフトになるのだそうです。これもスゴイ!ちゃんと走りの事
を考えている!ユーザーにここまで選択肢を与えるのだから、ダイハツのムーブへの気合が分かりそうなものですね。
これでシートがバケットタイプも選べたら文句ないのになぁ・・・。まあ、そこまでの運動性を求める人は、コペンを買うで
しょうから、これでも十分なのかな(笑)?
シートで思い出しましたが、ムーブの室内は尋常じゃなく広いです。室内長は、なんと1920mmもあります。ライバルの
ワゴンRが1765mmで、あのeKですら1830mmですから、これはスゴイですね。おそらく、バンタイプを除けば軽自動
車最大の客室容量を持っているのではないでしょうか?
ムーブはかなり良い車だと思います。トールタイプそのものがかかえる「立体駐車場に入らない」という欠点を除けば、
日常的な使用において問題と感じる部分はないでしょう。十分以上に現行ワゴンRと張り合える性能があると思いまし
た。
4.スバル インプレッサ WRX STi
インプレッサがビッグマイナーチェンジを実施しました。通常のスバル車からは考えられない早さで「大改造」です。噂で
は丸目2灯があまりにも不評で、大きく販売台数が落ち込んだ事が原因だとか・・・。僕は好きだったのですが、確かに
一般受けはしないと思っていました(笑)。
車種展開の少ないスバルにとって1車種が売れない事は会社の屋台骨に響く事です。だから、緊急で対策をうつ必要
があったのでしょうね。もっとも、新型エンジンを前倒しで搭載したとの話もありますので、それだけではないようです
が・・・。
とりあえず、百聞は一見にしかずという事で見に行って来ました。
インプレッサは「セダン」と「スポーツワゴン」の2つのボディを持っています。今回の注目は「セダン」それも、フルスペッ
クエンジンを搭載する「WRX STi」です。
ボディデザインでの大きな変更点は何と言ってもヘッドライトです。丸目2灯から、吊り目気味のデザインに変わりまし
た。それもただの吊り目ではなく、車体中央側に、バンパー部にはみ出るような円形を配している凝った形です。
カタログの説明ではSWRT(スバルワールドラリーチーム)との共同開発によるデザインで、特に「配光性」を考慮した
物なのだそうです。そして、これに合わせるようにフロント部分のデザインを一新し、空力的な改善も図っています。
もはや、丸目の印象はどこにもありませんね。うーん、これはもう別の車だ(笑)。
個性では前モデルに勝てないでしょうが、これはこれで良いデザインだと思いました。一般受けもしそうですしね(笑)。
表.試乗車の詳細
| メーカー |
スバル |
| 試乗車 |
インプレッサ |
グレード |
WRX STi |
| ミッション |
6MT |
| 色 |
WRブルー・マイカ |
| 排気量 |
1994cc
(水平対向4気筒DOHCターボ可変バルブタイミング機構付き) |
| 駆動方式 |
4WD |
内装は黒と銀色の配色による落ち着いたもので、相変わらず華美な印象はありません。それでも、シートがWRカーの
イメージで青い事と、メーターが赤い発光タイプになっているなどの「スポーツカー」的な演出はされていました。
当然ですが、シートはバケットタイプでホールド性の高い物です。ハンドルはエアバックを内蔵しているそうですが、以前
のような「持ちにくい」という印象はありませんでした。
「カップホルダーが小さいですね。」
TER@KINさんの指摘です。インパネ側のカップホルダーは従来通りの大型ですが、一人分しかありません。代わり
に用意されている、センターボックス近くの物は350ml缶が入るどうか、ちょっと怪しい大きさです。欧州では「缶」をこう
いったホルダーに入れる事を禁じているそうなので、これでも良いのでしょうけど・・・。うーん、国産ファミリーカーとして
考えると減点対象でしょうね。この辺りは日本の現状を考えてほしかったです。ちょっと残念。
エンジン音は意外に静かです。これは等長エキマニを採用したため、排気干渉が少なくなった影響だそうです。同時に
に「ボロボロ」というボクサーサウンドも無くなってしまいました。スバル車の「感性面」を支えてきた音なので、これは悲
しいと思いました。もっとも、そんな感傷は走り出した瞬間に消し飛びましたが・・・。
「速い!」
アクセルを強く踏み込むと、強烈なGが襲います。凄まじい加速感です。これは疑いようもなく前モデル以上に速いです
ね。普段GCに乗っている僕が「踏みきれない!」と思ったぐらいですから!しかも、このエンジンはレスポンスがとんで
もなく速く、ターボラグを感じさせません。本気で4000ccぐらいのNAを積んでいるんじゃないかと疑ってしまいました。
公表スペックは最大出力280馬力、最大トルク40.2Kg-mという事ですが、それ以上にパワーがあるような気がしま
す。低速トルクのアップによるレスポンスの向上は、本当に脅威的な進化ですね。
「WRX STi」の足回りは非常に固めで、車体を路面に貼りつかせています。このままサーキットに行けるんじゃないか
と思ってしまいました。当然、こんな足では家族を乗せてゆったり走ることはできませんけどね。まったくもって日常的
な事は考えていないなぁ(笑)。もっとも、ドライバーの操作には即座に従ってくれる安心感がありますから、僕的には
好みですけどね。
実は、このインプレッサから、センターデフが電子化されました。元々、GC時代からDCCD(ドライバーコントロールセン
ターデフ)という装置を一部グレードに用意していたのですが、ここにオートモードが加えられたのです。ちなみに、試乗
の最初はこのオートモードで走っていたのですが、この状態だと少しフロントタイヤが引っ張られるような気がします。
日常的な速度域ですからね(笑)。マニュアルモードに切り替え、設定をフリーにしてFRっぽい駆動配分を選択すると、
この症状は治まりました。どうやら、オートと言っても万能ではないみたいです。だからこそ、こうやって電子制御を切れ
るところは嬉しく感じました。
ミッションはスバル純正の6速マニュアルで、相変わらずの絶品です。小さな手の動きでカチカチと入ります。これは楽し
い!クロスミッションですから、加速への貢献も大きいようです。本皮製のシフトノブも手に馴染んで良いですね。
国産車はほとんどAT化されてしまいましたので、ニーズの少ないMTを開発するメーカーが減っていると聞きます。悲し
い事です。こんなに楽しいのに・・・。とりあえず、未だに開発が続くスバルのMTは貴重だと思いました。
実は乗る前に気にしていた事があります。それは、大きくなったボンネットのインテークが運転席からどう見えるかという
事でした。前モデルだとほとんど視界に入ってこなかったのですが、30mmも大きくなると、さすがに見えますね。もっと
も、GC型も視界に入ってしまうので、僕はあまり気になりませんでした。はじめて乗る人は驚くかもしれませんが(笑)。
試乗してみると、デザインの変更は今回のマイナーチェンジの中では「些細な事」に思えてしまいました。それほど、劇的
に運動性と動力性能が向上しています。ニュルブルクリンクでポルシェの開発チームが新型インプレッサのラップタイム
を測っていたという噂がありますが、なるほどと納得してしまいました。ただ、同時にその性能向上ゆえに、普通の人が
日常ユースで使うには辛い部分が多くなったのも事実のようです。
趣味として割り切れる人には、これは非常に楽しい車なのではないでしょうか?
5.アウディ S3
アウディのSシリーズはメーカーチューンドカーです。S3はその中で最もコンパクトな車となります。ベースはA3で、そ
の動力性能と運動性能を飛躍的に引き上げたモデルなのです。日本国内にそれほど存在している車ではないのです
が、試乗する機会があったので、勇躍してディーラーに行って来ました。
S3の見た目はA3とそれほど差異がありません。フロントグリルの「S3バッチ」がなければ気付かないかもしれません。
しかし、実際には車幅が拡幅されていますし、ホイールも16インチから17インチにインチアップされています。当然、ブ
レーキもエンジンもサスペンションも別物です。それどころか、FFしかないはずのA3を4WD化していますし、6MTを搭
載したりもしています。まさに、メーカーチューンドですね。
表.試乗車の詳細
| メーカー |
アウディ |
| 試乗車 |
S3 |
グレード |
― |
| ミッション |
6MT |
| 色 |
アブソリュート・レッド |
| 排気量 |
1781cc(直列4気筒DOHCターボ可変バルブタイミング機構付き) |
| 駆動方式 |
4WD |
室内の内装はA4に準ずる豪華さがあります。質実剛健なドイツ車の作りの良さが伝わってきます。シートはレカロ製で
フルバケットという感じではありませんが、ホールド性の高い物でした。
エンジン音はそれほど騒々しくはありません。心地よいレベルで室内に入ってきます。ターボ車独特の低い排気音がア
クセルを踏みこむと大きく唸ります。最高出力225馬力、最大トルク28.5Kg―m。数値的には国産を見慣れた眼には
大した事ないのですが、実際に走らせてみると、なかなかハイパワーです。1460Kgのボディが強烈に加速していきま
す。6MTの感触もかなり良いので、これだけでも楽しいですね。さらに、ターボラグも少ないので、アクセル開度でパ
ワーを自在に引き出せます。確かに、国産4WDターボの「馬鹿みたいな加速」には届かないものの、ここまで走れば文
句ないでしょう。
「うん、速い!」
足回りは固めで、少々手荒な運転をしても追従できるだけの能力がありました。そのくせ、全体の動きがしなやかなの
で、乗り心地も悪くありません。強力なブレーキもあって、コーナーを抜ける事が非常に楽しく思えます。
「おもしろい!」
かなり良い車ですね。人馬一体の感覚を味わえるのが素晴らしいです。その上、この足回りなら家族を乗せて走っても
なんとか我慢してもらえそうです(笑)。ちゃんと日常の利便性とスポーツ性能を両立させているのだと感心しました。
以上のように、ひじょうに素晴らしいS3ですが、欠点もあります。それは左ハンドルしかない事と、価格が424万円もす
ることです。ベースとなったA3は右ハンドル仕様がありますし、価格も325万円以下なのです。クアトロシステムを積む
だけで、いきなり「日本仕様」がなくなり、+100万円ですから・・・。
まあ、確かに価格だけの価値はあるとは思うのですけど、A4と競合する価格となると、日常ユースを主として考えてい
る人には選択できない車ですよね(笑)。
ヨーロッパのスポーツ仕様車をはじめて試乗しました。ちょっと衝撃的な乗り味ですね。上質でありながら、疑いようもな
く速い!確かに、絶対的な戦闘力は国産車の方が上なのですが、奥深さを感じさせるのは欧州車の方が一枚上手のよ
うです。庶民的には、価格がひたすら悲しいですが(笑)。
本当は「ヴィーマック」も紹介したかったのですが、「実は、現在販売されていない」ため、「新車紹介」として出すのはどうか
と思い、取りやめました。でも、店主さんは「絶対、復活させます!」と熱い意気込みを語ってくださいましたし、その車にか
ける情熱には感動すらしてしまいました。一人の車ファンとして「ヴィーマック」を応援したいと思います。
そして、次回はいよいよ「ランサーエボリューション[」を紹介する事になると思います。諸般の都合でまだ見に行けていな
いのですよねー。近日中に行かないと!! |
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