ホビーショップ・モア DD53を検証する
ホビーショップ・モアより1996年に発売されたDD53。残念ながら、実車は2010年についに形式消滅してしまいました。
今回、モアの製品を入手する事が出来ましたので、簡単なインプレッションをまとめてみたいと思います。
機関車本体とラッセルヘッドの連結部を見る。
ラッセルヘッドのライト配線はローターを駆動する動力シャフトを模したコードで機関車本体と繋がれています。
製品ではヘッドとの連結はマイナスの小ネジが使われていましたが少し貧弱で、付け外しの際に折損する事が考えられるため
プラスの1.2ミリネジに交換しています。
ダンパー等、かなり精密に作りこまれていますね。飾りではなくしっかり可動して役割を果たしているのがミソ。
ラッセルヘッドを正面から見る。手前のかき寄せ羽根はダミーですが、奥のローターは小型モーターを用いて回転します。
ですが残念ながら、走ってしまえばほとんどわかりません・・・
こちらは非ラッセルヘッド側の正面。同時期に製造された新幹線911形に通ずるデザインです。
こちら側は列車牽引時に常に先頭になる事を想定して、カプラーをIMONカプラーに交換しています。
ラッセルヘッドを側面から。黒塗りされた二軸台車が効果的ですね。
機関車本体を裏返して見たところ。当時の製品としては驚異的な作り込みではないでしょうか。
ATS車上子の配管まで表現しているのには恐れ入ります。
この数年後に発売された同社のDD51ではこの辺の表現は簡略化されているだけに、同社のDD53に対する力の入れようが伺えます。
ラッセルヘッドとの連結部を裏側から。ヘッドの台車は線バネによる可動となっています。
ヘッド部のライトはスイッチでONOFF可能。
ラッセルヘッドを付けた状態で、KATOユニトラックの6番ポイント補助曲線(R867)のSカーブを通過可能。
ヘッドの台車の可動にはまだ余裕が有りますので、R750あたりまではいけるかもしれません。
無理矢理R610のカーブに乗せてみましたw
ヘッドのはみ出しが凄い事になっていますが、これでも一応全車輪接地しています(^^;
さすがに、走行させるとカーブでの横圧に耐えられず脱輪してしまいますが。
接続部にひと工夫すれば曲がるようになるかも知れませんが・・・複線カーブで対向列車や架線柱と激突してしまう可能性がありますね。
ちなみに機関車本体のみならR610は余裕で曲がれます。
ラッセルヘッドを装着したまま箱に収納するためか、とてつもなく長くて大きい元箱ですw
総評:
値段に見合う満足度は得られる製品ではあると思います。
懸念であった走行性能も、ひとまず合格点。低いうなり音を上げて走る様は迫力満点であります。
ただし、ヘッドとの連結部の上下動にほとんど遊びがないので、凹凸の激しい路面や急勾配は苦手と思われます。
注意点としては、車体の白帯が塗装ではなく、薄いインレタのようなもので表現されており、トップコートで保護もされていないため
とても剥れやすい事(実際私も、うかつにも剥がしてしまいました。タッチアップで誤魔化してはいますが・・・)
機関車本体の中間台車横の配管が、手で持つ部分にあるため曲がりやすい事、
ラッセルヘッドとの連結に用いるネジがとても小さく貧弱で中折れに注意しなければいけない事。(当方はプラスネジに交換しました)
委託等で入手のチャンスに恵まれた方は、以上の点に注意が必要かと存じます。
結論として、車輌の特殊性から、今後他社から同型の製品が出る可能性は限りなく低いので、
このようなマイナー機関車が大好きな方には買って損はない好製品であります。