(恒星宇宙軍有人航宙戦略爆弾)

 バスターマシーン・参号

(パイロット : オオタ・カズミ 大佐)

3万分の1に圧縮された木星をコアにしたブラック・ホール爆弾
全長 長径 : 869 q
短径 : 415 q
自重 重力縮退時の重力波のムラにより、測定不能
(木星を核にしている事から、木星の質量1.9×10の27乗 kg以上の質量を持つと推測できる)
大型縮退路を搭載し、長距離ワープが可能。
兵装 固定武装は持たないが、堅牢な、ATフィールドバリヤーを装備している
銀河系の半径1万光年に敷設された3000本のスレイブユニットを起動させる起爆信管でもある。


木星をブラックホールにする

木星をブラック・ホールと呼べるようにするには、シュワルツシルド(Schwaltzshied)半径まで圧縮しなくてはなりません。
このシュワルツシルド半径というのは、重力半径とも呼ばれ、質量Mの天体をどれくらい圧縮すると、重力の限界(光速をもってしても脱出できない重力)に達するかを示したもので、
r = 2 M G / C² で求められます。
 
G=万有引力定数 6.67 ×10^{-11} Nm²kg^{-2}
C=光速 2.9979×10^{8} m/s
M=天体の質量
^{-11}は−11乗って意味です。
 
この場合、M=木星の質量ですから、木星の質量=1.9×10^{27} kg となります。
以上を代入した計算の結果
シュワルツシルド半径 r = 2.82 m となります。
 
木星をブラックホールにするには、半径 2.82mまで圧縮する必要があるのです。



<木星ブラック・ホール>

(本来の木星の大きさ)
赤道直径 : 142984 km
両極直径 : 133708 km

(三万分の一に圧縮された木星)
赤道直径 : 4.766 km
両極直径 : 4.457 km

更に、1/850 に圧縮
(元の木星から 1/2500万 )

直径 : 5.6 m のブラック・ホール



しかし、重力は距離の2乗(ないし3乗)に比例して小さくなる事から、半径2.8m程度のブラックホールでは、銀河の中心どころか数億の宇宙怪獣すら呑み込めるか疑わしくなる。
本編で一回目の縮退連鎖が失敗した時にオペレータが『質量不足です』と言っているので、木星を圧縮するのではなく、新たに質量を加えるのではないかと考えられる。
三万分の一の木星(バスターマシーン3号)にどれだけの質量を加えば、ブラック・ホールになるのかを計算してみると、
約 3.2×10の30乗 kg 程度(太陽の1.5倍程)の質量が必要ということになる。
 
もちろん、直径5km程のブラック・ホールでも敵宇宙怪獣全てを飲み込める筈はない。
設定資料によると、『バスターマシーン3号の爆縮と同時に、銀河系の半径1万光年に敷設された3000本のスレイブユニットを起動させ、銀河レベルでブラック・ホールを形成し、一気に宇宙怪獣と巣を飲み込む』とあるので、ブラックホール爆弾の爆縮はきっかけに過ぎない事になる。
 
だが、銀河レベルでブラック・ホールを誕生させた場合には、果たして1万2千年程度でブラック・ホールが消滅するかという問題が生じてくる。
現代物理学では、ブラック・ホールがいかに終焉を迎えるのか解っていない。
仮に、周りに飲み込む物がなくなった後、蒸発なり爆発すると考えても、銀河レベルでの大きさでは、数億年〜数十億年、場合よっては、数百億年消滅するのにかかるとも言われている。
『トップをねらえ! ネクストジェネレーション』では、『ガンバスター救出(サルベージ)計画』をユングが発動させており、結果的には失敗となったこの計画だが、なんらかの影響で1万2千年程度で消滅したとも考えらなくもない。
また、トップ!の世界の科学では問題なく1万2千年で、消滅する事になっているのかもしれない。。。
 

 
木星をブラックホールにした場合、相対性理論から『時間が一万二千年も”遅れる”事はない』としているアニメを考察した本があるが、漫画版の「ネクストジェネレーション」では、ガンバスターはブラックホール爆弾の衝撃で亜空間に飛ばされたように描かれている。
『濃縮CD-ROM 大辞典』で説明されている『ガンバスターの帰還が一万二千年後になったのは、重力縮退を開始したブラックホール爆弾周辺の時間の流れが異常に遅くなったため』ではなく、『重力縮退を開始したブラックホール爆弾の影響で亜空間に飛ばされたため』とすべき方がつじつまが合う。