カイロで健康

そくわん症

「メルクマニュアル」より抜粋

●側弯は、脊椎における異常な脊柱弯曲である。
10〜14歳のすべての小児の、およそ4%に発見可能な側弯が見られる。
すべての症例のおよそ60〜80%は女子に生じる。
側弯は出生時奇形(欠損)として起こりうる。
以後に発症する場合、症例の75%は原因が不明である。
残りはポリオ、脳性麻痺、若年性骨粗鬆症、あるいは他の病気によって起こる。

▲症状と診断
軽度の側弯には、通常症状がない。長時間座ったり立ったりしていると、背部に疲労が感じられる。続いて背部に筋肉痛が起こり、やがてさらに強い痛みが起こる。
ほとんどの弯曲は上背部では右側に凸で、下背部では左側に凸である。そのため右肩が左肩より高くなる。片方の殿部がもう一方より高くなる。
軽度の側弯は学校で行われる日常的な身体診察の際に見つかる。他の小児より肩が高いと思われる場合、あるいは服の裾がまっすぐでない場合に、親、教師、あるいは医師は側弯を疑う。
この病気を診断するため、医師は小児の身体を前屈させて、背部から脊椎を見る。
なぜなら脊椎の異常な弯曲はそうした姿勢のとき、より容易に見つかるからである。
X線は診断の確認に有用である。

▲予後と治療
予後は、どこに異常な弯曲があるか、どの程度重度なのか、症状はいつ始まったかによって決まる。
弯曲が重度であればあるほど、悪化する可能性が大きい。
発見が可能な側弯を持つ小児の2分の1については、医師は治療をするか、あるいは注意深く観察する必要がある。
迅速な治療によって、それ以上の変形を予防する。
通常、側弯を持つ小児は整形外科専門医による治療を受ける。
脊椎をまっすぐに保つために、装具や石膏ギプスを着用する場合がある。
時には電気脊髄刺激が行われる。
この治療法では、脊柱をまっすぐにする微小電流によって脊椎の筋肉を刺激する。
時として椎骨を融合する外科手術が必要になる。
椎骨が融合するまで脊椎をまっすぐに保つため、外科手術の際に金属ロッドが挿入される。
側弯とその治療は、青年期の若者の自己イメージを脅かす、心理的な問題を引き起こす。
装具やギプスの装着によって、仲間と違って見えるのではないかという心配を生じさせる。
また、入院や外科手術が青年期の若者の自立を脅かす場合もある。しかし、それをしなければ、永久的な変形が残るのは明白である。
カウンセリングや励ましが助けになる。


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