カイロで健康

ダイエット座布団

ダイエット座布団で腰痛になった症例を考察してみました。

●はじめに

20歳代女性、腰痛で来院。

■症状と結果

骨盤の仙腸関節部位が、浮腫、炎症、動きが異常に大きくなって(ハイパーモビリティ)痛みをだしていました。
関節を調整して、テーピング併用。靱帯の回復する2週間で改善しました。

▼あとがき

ダイエット座布団(座ったときに骨盤を狭めるように凹形状の座布団)を職場で使いだして、少し経ったぐらいから徐々に腰が痛くなってきたそうです。


仙腸関節の炎症

●考察

凹形状のダイエット座布団は、骨盤が小さくなるのが売りです。
そのため骨盤の下方(座骨)が内側に締め付けられる事になります。
その力は、体重がダイエット座布団にかかることで締め付け力が生み出されていますので、座っている限り、締め付け力が持続的に加わることになります。

その力が仙腸関節前下部の支点を軸にして仙腸関節上部の靱帯を引っ張ることで仙腸関節の動きが大きくなり浮腫し痛みが出ると考えられます。


骨盤を後ろから見た

骨盤を後方から見た状態

体重50Kg、骨盤の傾き30度、レバー比5で算出すると、仙腸関節上部には約60Kgの荷重が連続して加わることになります。
関節を変形させるために必要な高荷重200Kgに比べ小さい荷重であると言えます。

しかし仕事などで8時間座っていれば、クリープ現象が生じて徐々に仙腸関節が変形してきて、関節が浮腫、炎症、動きが大きくなって、痛みを出すと考えられます。


最初に使用すると、お尻が痛くて、じっと座っていられないそうです。
それをがまんしていると座ってられるようになるようです。
この時点で、すでに関節に無理がかかっているのでしょう。
それにしても、みなさん、辛抱強いのには、感心します。

体は仙腸関節が凹形に順応できなくて、「もうだめです」と痛みの信号を出して教えてくれたようです。

変った形状の座布団は、腰痛の元

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