ジェットバスで痛めた症例を考察してみました。
60歳代、女性、飲食業
左背中が痛くて、手が上げられない、仕事に支障が出てきて来院
背中の骨3番、5番、腰の骨1番のずれ
特徴は、左肩甲骨の下が、腫れてブヨブヨ感
「左の背中が腫れてますよ、揉んだり、温めたりしませんか?」
「いやーーーお風呂にはゆっくり入ってますけど」
「家具や椅子を買いませんでしたか?」
「いやーーーー下水が来たので、台所とお風呂は新しくしましたけど」
「それは、よかったですね、お風呂にジェット付いてます?」
「もちろん、毎日当ててますけど」
「ここですか?」
「そこにも、首にも、腰にも、強いんで気持ちいいんですは」
「それですね、腫れがなくなるまで、使わないでくださいね」
「あれま、結構高かったんですけど」
2回目8日後、腫れが少しみられるものの、背中の痛みは、ほとんどなくなりました。
ジェットバスは家庭用の浴槽として1980年代に登場したそうです。
最近になって普及してきたのでしょうか、時々、同じような症例を診るようになってきてます。
私もスポーツジムでジェット噴流を背中に当てすぎて痛めた事があります。
気持ちいいのでついつい当てすぎて、効果を超して炎症になるのでしょう。
それ以後は、直接当てないか、泡バスに入るように気をつけています。
私も脊柱起立筋、広背筋を意識して当てすぎました。
特にジムのジェットは強力なので、同じ所に集中させると短時間でも痛めやすいと言えます。
足の裏は、結構気持ちがいいので、ついつい長時間当ててしまうようです。
ジェットが当る足底筋やジェットの力に対抗するふくらはぎ(ヒラメ筋)が痛みを出していました。
当てているときは、痛みの感じが減ったように感じます。
しかし、マッサージ効果で筋肉の炎症が加速され、その後痛みが激増します。
起きあがることができず、3日ほど寝込んでから来院されるパターンです。
ジェットはマッサージ効果やリラックス効果があるので、健康な時に使えばいいのでしょう。
しかし、人には「欲」がありますので、ついつい、やりすぎてしまい、効果を超して炎症を引き起こしてしまいます。
体は痛みによって、やりすぎを戒めているのかもしれません。
特に、「ギックリ腰」など痛いところに当てていた場合は、深部まで炎症して、動けないような強い痛みとなり回復も長引きます。 (臨床経験から、ギックリ腰の悪化で、最も悪くなります。)
ジェットバスも、「やりすぎ」「あてすぎ」には、気をつけましょう