冬場は、使い捨てカイロを使用して、肩が痛い、腕が上げられない、腰痛の悪化の患者さんが増えますので、
なぜ使い続けてしまうのか、痛めやすいのか考察してみました。
肩甲骨の左右と中央に貼られる2パターンがあります。
肩が痛い、腕が上げられない、首が回らないなどの症状で来院されます。
使い捨てカイロ(肩)
腰の中央に貼る(患者さんで最も多い)。応用で、腰の両側、お尻に貼る。
この部位は、ギックリ腰を誘発したり、腰痛悪化の原因となります。
使い捨てカイロ(腰部)
足の裏に貼って、膝が伸ばしにくい、ふくらはぎ(ヒラメ筋)が痛い患者さんがあります。
使い捨てカイロ(足底)
臨床的には、貼ってある部位の局所的な発熱、発赤・変色、浮腫、付近の関節のゆるみが触診されます。
回復には2週間から1ヶ月程度ですが、それ以上かかることもあります。
中には、低温やけどになっており病院を紹介した事もあります。
顔や指腹に比べて、腹部や背部には、冷点が多く、寒さを感じやすい。そのため
使い捨てカイロなどで温めようと使用してしまいます。
顔や指腹に比べて、腹部や背部には、冷点に比べ温点が極端に少ない。
温点は体温36度以上に反応します。
その温点が少ないので、使い捨てカイロを貼っていても36度以上の熱さを感じにくく、
高い温度でも長時間にわたり貼り続けてしまい体に温熱ダメージをあたえてしまいます。
低温やけどの条件と筋肉など痛める条件は、同じだと考えられます。
低温やけどは、圧力を加えるとより短い時間で受傷することが分かっています。
背中や腰に貼った場合には、
ソファーや椅子に腰掛けたり、車の運転、こたつや床で寝転がる、などで使い捨てカイロが体に挟まれて、圧力が高まります。
さらに位置が固定されて、同じ部位が連続して加熱されます。
また、体は冷却しようと汗を出します。
その汗の水分で使い捨てカイロの温度がさらに上昇します。
このように受傷しやすい条件が重なり、痛めやすいと考えられます。
貼付けるタイプが出た時と、
低価格化が進んで毎日使用されるようになった時から、患者さんが増えました。
体への加熱は注意!!「体には加熱より保温が健康」