CANDY
色とりどりの小さなCANDYがいつもの定位置に入ってる。 色も味も大きさも。いつもバラバラだけど
イチゴ、オレンジ、レモン。 ミント、コーヒー、紅茶。
それは涼兄ぃのいつものくせ。小さな時からの。 いつも、わがままを言って自分を困らせる啓兄ぃとあたしのため。 そんなの嫌だと言って泣く口によくほりこまれた。 小さかったあたし達はそれで機嫌を直してた。 たったあれだけのものなのに。
もうあたし達十分大きくなったのにね。 それでも今でも持ち歩いてる。
緒美知ってるよ。 ほんとは涼兄ぃがCANDYが好きなこと。 でも自分だけで食べるの嫌いなこと。