ミント味。

小さな袋に小さなリボン。
中には数個の小さなキャンディ。
そんなにお金のかかっていないものだけど、
悪巧みはいっぱい一杯詰まってる。
袋には1つずつ文字が入ってる。
り・ょ・う・に・い・だ・い・す・き

これを、ドコにいれておこうかな。
どうやって隠そうかな。
かばんでしょ、コートでしょ。
机の上と、引き出しの中。
涼兄ぃ全部見つけてくれるかな?
考えるだけでドキドキしちゃう。
でもね。

一番びっくりするのは絶対これ。
ヒトツだけリボンをかけずにおいてある。
その中から抜き出したミント味。
残りはぎゅっと手に握りしめて。

あ。階段を上がる足音。
あわてて口にほりこんだ。

『またせたな。緒美』
ああ、今日も優しい笑顔。

  ・・・りょーにぃー。
  これ。緒美からだよ。

アタシと涼兄ぃの口にミント味が広がる。
苦手だってゆってたよね。

  これでもまだダメかな?
  それとも・・もっとダメになっちゃう?

少し困った顔をして優しい人はゆった。
・・・まいったな。歯磨きするたび思い出しそうだ・・

  思い出してよ。そしてアタシを求めてよ。
  そんな願いをこめてのミント味なんだから。

キャンディと一緒にアタシもプレゼント。
ぜんぶみつけたら、教えてね。
みつけられなかったら、あげないんだから。


・・・気の迷いです。ええ。多分。きっと。おそらく。そう思いたいんです。
CANDYがらみでなんかないかなーって。おもってたら。
緒美が勝手なことしでかしていました。
でも、うちの緒美はやっぱりこんなカンジ。世間的にかわいい緒美はドコへいったんでしょう?緒美の背にはきっと黒い羽根が生えてるに違いない。あーあ。

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