日常


「涼兄ぃ!明日暇?」
テーブルの上に両肘をつき、組んだその上に顎をのせ、緒美は訪ねる。
「明日・・? 明日の何時頃だ?それにもよるが・・一体いきなりどうしたんだ?」
対面で解答の書き込まれたワークを採点しながら、涼介が訪ねる。
「時間はねー。緒美が学校おわってから。」
・・・それは当たり前だろう? 
「俺が大学おわってればな。緒美の方が終わる時間は早いだろう?」
「うん。じゃぁ、涼兄ぃが学校終わってから」
ね? と、いいながら緒美は突っ伏すように組んだ腕をべったりとテーブルに広げ、その上に頬を押しつけて涼介の顔をじぃっと見つめる。
「緒美・・ほっぺたがむにってなってるぞ?」
のぞき込む姿をちらりと見て、涼介はくっくっと笑いながら、その頬をつついてみる。
「いいんだもーん。で、明日何時に終わるの? それともダメ?」
つつかれた頬をぷぅっと膨らませ、それでもまだ机に伏せたそのままの状態で緒美は訪ねる。
「そうだな。明日は・・4時前ぐらいか・・そんな時間でもいいのか?」
「いいよぉ! 全然平気。むしろそれぐらいの方がいいし」
「わかった。じゃぁ、終わったらメールするから。で、何の用事なんだ?」
「えへへー。秘密だよぅ。明日のオタノシミ!」
机に載せていた頭を元に戻し、緒美は笑みをみせる。
「教えてくれないのか?」
「うん。教えなーい」
「そうか、じゃ、後この問題も追加な。それと、ここの問題。途中まではいいんだが。緒美・・計算間違いはもったいないぞ?」
ワークの問題に○をつけて緒美に返す。
「えー。涼兄ぃ横暴ー。ひどーい!!」
「誰が横暴だって言うんだ? それを言うなら、俺に明日の事を教えてくれない緒美も横暴だろう?」
ちょっと唇をつきだしてむくれる緒美の頭を軽くなでながら涼介は笑う。
「それとこれとは違う気がするー」
「変わらない、変わらない。ほら。早くしないと遅くなるぞ?」
涼介の指先は机の上のワークをトントンとたたいている。
「はーい」
そう答えると緒美はワークに集中する。
集中するまで時間がかかるだけで、集中してしまえば緒美の頭の回転は遅くはない。間もなくワークを仕上げ、涼介に差し出す。
「はい。涼兄ぃ。できた。今度は大丈夫・・・だと思うんだけど・・」
どう?
その顔は少しだけ不安を浮かべている。
「今度はちゃんと計算したか? ちょっと待ってろ」
涼介はそのまま視線をワークに走らせる。
「よし。今度は大丈夫だな。じゃぁ、今日はこれで終わりにしよう。送っていくから準備しとけよ?」
「はぁい。いつもありがと。涼兄ぃ」
机の上のワークと筆記具を片づけ、緒美はうぅーんとノビをする。
明日の約束もできた。
ただ、涼兄ぃにあいたかっただけ。予定は全然決めてない。
あ!そだ。新しくできたお店あったよね。あそこにいこう!
明日お天気だといいなぁ。

いつもこんな感じじゃないかなと。高橋家の日常。振り回され涼兄ぃ(笑)
ロマンスとかドラマとか天使ちゃんは某方々にお任せして。<コラ。
緒美が連れてった店がファンシーショップとかだったら大笑いかもしれないなぁ。
店の中でまごまごする涼兄ぃ。キャラクターの区別つかなかったりしてなー!・・・あり得る・・


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