中間省略登記問題
〜第三者のためにする売買契約〜

法務省が「登記可能」

 第三者のためにする売買契約により、不動産の所有権を第三者に移転した場合に、登記可能とする回答がこのほど法務省民事局から得られた。法務省は、契約実体を個別に検討する必要があるとしながら、登記の可能性を基本的に認めた。
 第三者のためにする売買契約は、いわゆる「中間省略登記」以上の経費節減効果があるとされている。そのため、改正後の不動産登記法において、この契約形態による登記ができるか否かに強い関心が持たれていた。民事局の担当者による回答の要旨は以下のようなものである。
 「AB間で不動産の売買をし、第三者のためにする契約でCに所有権を移転した場合、例えば、買主Bの指定する者に所有権を移転するという特約があるときに、Bに所有権が一度も移転しておらず、単にAからCに所有権が移転しているだけならば、AからCに移転登記が可能である」
 「登記原因証明情報の書きぶりによるが、一度でもBに所有権が移転していることが登記官に認められるような場合は受理されない。単にAから直接Cに移転しているという実体であれば、登記できることはいうまでもない。登記原因証明情報にはBの名前が分かるようにする必要がある」
 「実際は、いったんBに所有権を移転した実体があるのに、そうでないようにして、AからCに移転する第三者のためにする契約をしたとして申請することはできない」
 登記免許税や不動産取得税がかからないようにする目的で第三者のためにする契約をしてもよいかとの問に対しても、「Bが所有権を実際取得していないなら、Bに登記するように言うことはできない」とし、その場合は中間省略登記には当たらないとの認識を示した。


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