転貸ではなく「業務委託だ」
借地借家法逃れか?

 東京地裁6月22日。建物明け渡し事件の証人尋問の法廷。
 原告会社側の本人尋問によると、物件は渋谷駅近くの店舗で、外国人相手の「転貸?」事案だ。「明け渡し」となっているが、もう別のテナントが入っているようで、滞納で未払い分を請求しているというのが実質。冒頭で訴えが変更された。
 特に印象に残ったのは、契約が転貸借ではなく「業務委託契約」になっていること、それから礼金が相場の3倍の6ヶ月分ということだ。
 原告は、自分が40万円でオーナーから借りている店舗を相手方に使わせる代わりに、業務委託料として毎月46万円を請求している。
 契約から2年後の最初の更新時に、委託料を50万円に値上げするよう申し入れ、無理なら退去するよう求めたという。業務委託だから借地借家法の適用がないという解釈だろう。被告側は、実質的には賃貸借なので退去する必要はないという内容証明を送ったようだ。
 賃貸物件として募集して、なぜ業務委託契約にしたのかという反対尋問に、「仲介業者から勧められた」と原告。
 業務委託契約をしたという割には、「貸している」「賃料」などと賃貸借の用語を連発した。
 そのメリットについては、「事件に関係ない」と口ごもり、「関係あるから聞いている」という被告側弁護士の追求に、「ノーコメント」とあくまで答えなかった。
 礼金が高い理由は、「居抜きですぐ開業できる」点を挙げているが、被告は、「きたなく改修しなければ使えなかった」と反論。逆に造作の買い取りを請求している。
 礼金の額を提案したのも仲介業者ということから、宅建業法の適用も免れようという狙いがほの見える一件だ。


株式会社フジヤ
〒520−0046
滋賀県大津市長等2丁目3−28
TEL 077-525-2233 FAX 077-523-5392