地域まちづくり活性化事例の紹介

商店街の未来−元気な商店街は人も元気

商店街の会員数は減少しているところが多い

 商店街の未来について書いてみたいと思います。
 先日、品川区商店街連合会・品川区商店街振興組合連合会の事務局長、玉野浩太郎氏にお話を聞いてきました。単刀直入に現状の会員数の増減と商店街に求められていることを聞きました。
 玉野事務局長曰く「10年前と比べて減っているのは事実。10年前は約4000人だった会員数が今は約3300人」、そして「昨今、商店街はモノを売る集団というより、地域のコミュニティとして取り上げられることが多い。だけど、個別のお店の売り上げが上がらないとそれもできない」。このように話してくれました。
 筆者は商店街が好きです。子どもの頃、商店街にあった銭湯に母親と行くのが楽しみでした。風呂上がりにマミーを飲んで、銭湯の隣にあるお肉屋さんで、コロッケを買ってもらうのが何より嬉しかった出来事です。子どもの頃の記憶ですが、お肉屋さんのすぐ先には八百屋さん、魚屋さんもありました。魚屋さんの店先で店主の威勢のいい声を聞くのが好きだったのを覚えています。
 大人になった今でも商店街をぶらりと歩き、店先で売っている天ぷらとかコロッケとかおでんとか焼き鳥等を買い、その場で食べるのが好きです。たまに行くのは砂町銀座商店街(東京都江東区)とか。元気な商店街ですよね。歩いているだけで楽しいです。
 しかし、昨今は、このような元気な商店街の数が年々減少してきています。要因はいろいろあると思うのですが、「大手スーパー等と比べて、品ぞろえ、価格で対抗できないから、商売が成り立たない」、このような声も少なくありません。でも、本当にそうでしょうか。前述した砂町銀座商店街には、トマトのみを専門に扱い繁盛しているトマト専門店がありました。品ぞろえは、トマトのみです。価格も安さが売りになっている訳ではありません。

商店街の補助金漬けは衰退の大きな要因

 東京の商店街の大きな課題というか問題としては、商店街が補助金漬けになっていることが挙げられます。人のお金でさまざまな取り組みをしていると、知らず知らずかもしれませんが、真剣さも失われていきます。この補助金漬けになっている現状が商店街衰退の大きな要因なのではないかと筆者は考えます。
 一方、元気な商店街は、人も元気です。トップが物事を肯定的にとらえ、いろんなことにチャレンジできる肥沃な土壌があります。だから人が集まる。結局、人がすべてなんだと思います。みんなを巻き込んで熱狂するほどにいろんなことを面白がる。それができるリーダーがいれば、その商店街なり、その場は、元気になります。活性化するのです。
 筆者には、5歳と9歳の子どもがいますが、この子たちが大人になったときに、商店街がサードプレイス、居心地のいい場所になっていればいいなと期待しています。つまり、それは商店街の衰退に歯止めをかけ、今より元気な個店が増えることに他なりません。30年後の商店街の未来の姿が楽しみです。


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