悲惨な戦い (歌詞)



私はかつてあの様な
悲惨な光景を見たことがない
それは10年以上も前の
国技館の話です

片や巨漢の雷でんと
片や地獄の料理人、相撲界で唯一の凶器の使い手ハカチチブが
両者見合って 待ったなし
ガップリ四つに組んだその額からは
玉の様な汗がダラリンコンと
流れ出して来て
おもわずハカチチブのマワシをしめらすのだった

このしめったマワシがいずれ
あの不幸な事件を巻きおこすとは
あの 世にも恐ろしい戦いになるとは
誰も予想しえなかったのだ

全く引力とは恐ろしいもので
地上に浮いている物が
下へ落ちてしまうんだから
アレヨ アレヨ アレヨと思うまに
ハカチチブのマワシは落ちた

さすが天下のイヌ・エチ・ケー
すぐにテレビカメラを消せと命じたが
折も悪しくもアルバイトを使っていた為に
アップで放映してしまったのだ

また、ラジオのアナウンサーが、アナウンサーで
余計な事を言わなきゃ、見てない人はわからないものを
「大変な事が始まりました、ラジオの前の皆さん
 すぐに、お近くのテレビのスイッチをひねってみて下さい」
などと言ったもんだから
見なくてもいい人まで見てしまったのだ

さすが日本の国技館
すぐに照明を消せと命じたが
折も悪くもパートタイムを使っていた為に
スポットライトをあててしまったのだ
又、何を思ったか、他の電気は全部消してしまったもので
くっきり

全国一千万の相撲ファンの皆さんは
意外な事実を知ってしまったのだ
でかいカラダにゃ(ちんけなもの)がつきものだと
そういう事実を知ってしまったのだ

又、行司の木村(ピー)
ソウ あの うちわみたいなヤツで
かくそうとしてやったが
彼も非常に興奮していたもので
軍配でイヤという程、股間をなぐりつけてしまったのだ

完全にあせりくれった イヌ・エチ・ケー
とにかく何でもいいから隠せと命じ
さきほどのテレビのカメラマン
汚名を挽回しようと 余計な事を思いついたのだ

テレビカメラをズンズンズンズンズンズン近づけて
それで、ピタッとふたをしてしまったのだ
ズンズンズンズンズンズンズンズン近づける間
テレビの前の人々は、せまりくるナニを
いやという程 見せつけられたのだ

さすが弟子のオニシキは
全く、よく、そう気が付くもので
すぐに毛布を持って現れて来たが
彼もまだ、心の準備が出来ていなかったのだ

土俵へ土俵へと一直線に進み
土俵の俵につまづいてしまったのだ
その時の彼の頭の中には
一つの言葉しか浮かばなかった

何か体を支える物はありませんか
何かつかむ物はありませんかと
何かつかむ物はないのかな、と
目を凝らしてみたら
ちっちゃいながらもあった

その時、民放の裏番組でユリ・ゲラーが、実験をしておった
それが、運悪く、何かの拍子か混線を招いてしまった
「テレビの前の皆さん
 スプーン、ナイフ、フォークなんでもかまいません
 握ってしごいてみてください」
ハカチチブ、いった

私はかつてあのような
悲惨な戦いを見たことがない





もどる