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炎色剤: |
燃やすといろんな色に発色する金属化合物をいいます。
基本は,「リアカ−無きK村,動力借るとするもくれない馬力」と覚えた炎色反応の色です。
(リチウム→赤,ナトリウム→黄色,K(カリウム)→紫,動(銅)→緑,カルシウム→紅,馬(バリウム)→緑))
(炎色反応の例)
(a)赤色:炭酸ストロンチウム,硝酸ストロンチウム,(b)緑色:硝酸バリウム,炭酸バリウム,
(c)黄色:蓚酸ナトリウム,(d)青色:花緑青,酸化銅,(e)白色:アルミニウムなどです。
なお,この炎色剤は通常,燃焼にはほとんど寄与しません。
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可燃剤: |
炎色剤が燃焼するのを助けます。
(例)木炭粉,硫黄,金属粉,澱粉,三硫化アンチモン,セラック,セロシン(木粉),油煙,鶏冠石など。
(a)最も古くから使用されているものは,硫黄と木炭粉です。そのうち,木炭粉は,麻,松,桐から作られるものが良く使われるようです。
(b)金属の微粉体は高温で燃える可燃剤であると同時に火花を出す効果も得られます。なかでもアルミニウム微粉体は代表的で,爆発的に燃やす場合や明るい火花を出す時に用いられます。また,チタン微粉体も良く使われ,他には鉄粉,マグネシウム粉なども使われます。
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酸化剤: |
酸素を供給して,炎色剤の瞬時燃焼を促進します。
花火が水中などでも燃えることができるのは,この酸化剤を含むためです。
これらは,消防法で決められた「危険物(第1類 酸化性固体)」に相当します。
(例)硝酸カリウム,塩素酸カリウム,過塩素酸カリウム,塩素酸バリウム,過塩素酸アンモニウムなど。
(a)硝酸カリウム(KNO3)は最も古くから用いられてきた酸化剤です。この粉体は融点が低い(334℃)ため,着火性は良いが燃焼温度は低く,明るい炎になりにくい性質があります。
(b)塩素酸カリウム(KCLO3)が明治時代初期から盛んに使われるようになりました。これは,燃焼温度が高く明るい炎になるため,多用されましたが,多くの爆発事故を起こし,現在では使わないようになっています。
(c)過塩素酸カリウム(KCLO4)は,現在最も良く用いられている酸化剤で,融点が高いため(610℃),燃焼温度が高く明るい炎になります。
(d)過塩素酸アンモニウム(NH4CLO4)も使われますが,爆発威力が高いため,ロケット推進薬の酸化剤として良く利用されているようです。
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(4) |
結合剤: |
原料粉体を固めるのに使われるバインダーをいいます。
これには,粉砕した米の粉体を原料にした糊状のものが使われています。
長所は(a)少ない量で多くの粉体を固めることができること,(b)水溶性のため危険な粉体を湿潤状態で混合,造粒できることです。反面,(a)乾燥(天日乾燥)に時間がかかること,(b)金属微粉体が腐食しやすくなる短所があります。
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