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沙羅の花
琵琶湖の周辺(53)
(平成21年3月14日撮影)


滋賀県草津市立
水生植物公園(みずの森)では,この時期,日本ではここでしか咲かない本物の沙羅の花が鑑賞できます。
小さい黄色の星形の花で,2年ごとに咲いているようです。
香りがジャスミンに似た高貴な花と言われます。

また,ちょうどこのころ,京都・東福寺では3日間(3/14〜16)だけ,
大涅槃図が公開されています。



沙羅の花は,平家物語冒頭に
「祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり
 
沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらわす」
として登場する花です。

通常は,沙羅双樹の花として,
龍潭寺にあるような夏椿の花を当てていますが,本当の沙羅の花は,インドからネパール近辺において見られるフタバガキ科の「サラノキ」の花のことをいいます。
そして,その花を見られるのは,日本ではここ水生植物園だけです。
しかも2本のサラノキ(文字通り沙羅双樹です)のうちの1本だけが,隔年毎に花を咲かせています。

この花は,平成15年に初めて開花しました。高さ5〜6mの木に,2〜3cmの小さな星形の黄色い花をつけ,3月初旬から下旬にかけて鑑賞できます。 またこの花は
「仏陀涅槃の香り」(※)ともされているように,芳しい香りが特徴です。これは,ジャスミンの香りに近いと思いますが,香料メーカーのT社は世界で初めて,108成分の分析(同定)に成功しています。それによると,他にバラやオレンジ,ブドウなどに含まれる成分も含有するようです。

(※)
沙羅の花は,満開となり,横たわった仏陀の上に降りかかり,仏陀はその芳しい香りに包まれ,涅槃を迎えられたとのいい伝えがあります。
沙羅の木 沙羅の花


<参考>京都・東福寺の大涅槃図
    (平成21年3月15日撮影

東福寺では釈迦の命日(陰暦2月15日)に合わせ,毎年3/14〜16日の3日だけ,この涅槃図を公開しています。こちらの大涅槃図は,室町時代の明兆作とされ,縦15m,横7.5mと大きく,また,通常は「業が深い」ものとして描かれることのない猫のいるのが特徴とされています。

涅槃図は,釈迦が亡くなる際の様子を描いた図で,北を枕に横たわる釈迦の四方には
沙羅双樹があり,弟子や動物が取り囲み嘆き悲しんでいます。

(猫は左下の虎の右横にいます)
                     

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