NEWS from MCCS Ortho.
平成19年度の手術件数

股関節脱臼を当院で治療された方のHP
年長(1歳以上)で見つかった股関節脱臼が増加していると以前記載しましたが、昨年度(2007.4〜2008.3)当センターで治療した1歳以上の股関節脱臼の方は16人おられました。(全員牽引で整復可能であり、元気に退院されています。1歳以上の方で牽引を要した期間は平均約27日間でした。) 治療をお受けになられた御家族が同じ境遇にある御家族への情報提供やサポートの目的で HP を作られました。 きっと参考になると思います。
第47回日本小児股関節研究会(2008.6.27-28 名古屋市)に参加しました
全国の小児股関節の専門医が集まる小児股関節研究会に参加しました。当院からも4名参加し、太田と二見が股関節脱臼に関する研究を報告しました。
学会の主なテーマはリーメンビューゲルの治療成績、麻痺性脱臼の治療、新しい治療法等で、比較的若手の研究者の発表が多く、幾つかの新たなアイデア・取り組み方などの発表もありたいへん有意義な会であったと思います。また、初日の症例検討会では進行予定が大幅に遅れる程の活発な討論が続き、スリング協会の方のすばらしい発言もあって質的にも盛会でした。症例検討会では3歳・4歳・5歳の脱臼症例の報告が各地から相次ぎ、予防や健診制度の見直しが早急な課題であることが浮き彫りにされたように思われます。従来この研究会では股関節脱臼の治療では牽引不要論の発言もあり、特に1歳以上では牽引でなく手術(観血的整復術)を推奨する意見が多かったような印象でしたが、歩行開始後の先股脱の治療に関し、会場での挙手による調査では意外に(?)ファーストチョイスとして牽引を行なうとする専門医が多く、牽引治療派である当院としては意を強くしました。
なお、当院OB・OGの先生方(鈴木先生・高瀬先生・貴志先生)との再会と楽しい宴会もあり、有益な情報交換とともに親睦をより一層深めることができました。来年は岡山で開催されます。学会・親睦会両方(むしろ後者??)を今から楽しみにしています。 (記 二見)
APOA(Asia Pacific Orthopaedic Association) アジア太平洋整形外科学会
7 th .Combined Congress of the Spine and Pediatric Sections 2008
第 7 回脊椎外科・小児整形外科合同学術集会 (2008 年 ) ☆参加報告 ( 整形外科 片岡 浩之 )
6月4−7日に韓国済州島で開催された学会に参加しました。済州島は関西空港から直通便で1時間〜1時間半、韓国最南端・西部にある大阪府とほぼ同じくらいの大きさの風光明媚な島です。北の玄関として済州市があり、旧市街の美しい海岸沿いのホテルにて開催されました。超近代的な都市に日本の高度経済成長期のような活気ある古い街並みがドッキングしたようなソウルとは異なり、全体としては落ち着いた田舎町の印象で、沖縄本島に似た空気を感じました。
合同学術集会のおよそ7割は脊椎外科関連で、小児整形では 100 あまりの演題、 30 近くのポスタ−展示がありました。講演は Alfred I. duPont からの招待で William Mackenzie 先生の「骨系統疾患の脊椎」、福岡こども病院・藤井先生の「スプレンゲル変形」がありました。一般演題では開催国である韓国からの発表が多くありましたが、中国 - 香港や台湾、インド、インドネシア、ベトナム、またマレ−シア、シンガポ−ル、タイ、フィリピン、バングラディッシュなどアジア各国から、小児股関節、脊椎、腫瘍・感染症、内反足、脳性麻痺、上肢先天異常、下肢 - 足部変形、骨系統疾患、肘周辺 - その他の骨折など様々な発表がありました。脊椎のセッションに比べれば決して多い参加者ではありませんでしたが、若手を中心にどの国からも熱心な発表−討論があり、どの演題も聞き応えのあるものでした。日本からも多くの参加がありました。
ワ−クショップでは小児大腿骨骨折に対する MIPO( 低侵襲プレ−ト固定 ) と Ponseti 先生に直接師事されている Jose A. Morcuende 先生 (Iowa 大学から招待 ) の内反足があり後者に参加しました。内反足治療にいわば革命をもたらし日本にも普及してきたポンセッティ法ですが、文献からだけではわからないいくつものポイントをあらためて学び、目から鱗が落ちてゆく思いでした。世界中で日々内反足の赤ちゃんは生まれていますが、 Morcuende 先生はその治療の普及のため第三世界をはじめ精力的に各国を訪れておられます。熱心な語り口とやさしい眼差しが印象的で、予定外のワ−クショップの延長を翌早朝からおこなってくださいました。
昨秋小児センタ−を訪問された Sung-Soo Kim 先生は、私の発表セッションで座長であり、またご自身は骨・関節感染症の最近の動向について教育研修講演的なご発表をされていました。また 15 年前くらいに小児センタ−に来られたという Kwang Soon Song 先生 [KPOS( 韓国小児整形外科学会 ) 議長 ] をご紹介いただきました。当時の小児センタ−〜鈴木先生との思い出を懐かしく語っておられました。
わずか3日あまりの短い滞在でしたが、韓国をはじめアジア各地域の若手整形外科医たちの息吹に触れ、また懐かしい再会もあり、充実した日々でした。次回3年後は日本・岐阜での開催です。彼らに負けない研鑽をつづけたいと思います。
韓国、インドから小児整形外科医が来訪 (2007.11.21)
11月初旬に日本小児整形外科学会が神戸で開催されました。学会には毎年数名の小児整形外科医がフェロー(韓国・日本交換フェロー、アジア小児整形外科学会フェロー)として招待されます。このたび韓国との交換フェローとして釜山よりProf. Sung Soo Kim先生と、インド・デリーより若手の優秀な小児整形外科医Anil Agarwal先生が滋賀小児センターに来訪されました。
Kim先生は3日間、Agarwal先生は約1週間の短い期間でしたが、多くの症例・分野で非常に内容のある意見交換ができ、有意義な時間が共有できたことを感謝しています。Kim先生はアメリカSan Diegoでの小児股関節に関する研究でも知られているように股関節外科にはたいへん造詣が深く、多くのアドバイスをして下さいました。Agarwal先生はまだ32歳の新進気鋭の若手小児整形外科医ですが、驚くほど小児整形に関して良く勉強されていました。当センタースタッフにもとても良い刺激になったと思います。
小児整形では日本の方が進んでいる分野も確かにあるかもしれませんが、韓国・インドとも学問的なレベルはかなり〜非常に高いように感じました。インターネットなどの普及で、もはや新しい情報入手に地域較差はなくなっているのでしょう。
Dr. Agarwal Prof. Kim (琵琶湖湖畔にて)

Thank you for your a lot of intellectual and resouceful talks !!
最近1歳以上でわかった股関節脱臼が増えている? (2007.9.17)
本年4月から6ヶ月間の期間、当センターで加療した1歳以上でわかった(歩き始めてわかった)股関節脱臼の方は7人(すべて県外、うち1人は国外から)おられました。例年より多めです。鈴木先生(水野病院)からの紹介患者さんが半数近くを占めていて、そのためかも知れません。しかし、他の小児病院の先生に聞いたところ同じような現象が起きているようですので、これはもしかすると全国的な傾向なのかもしれません。
事実であるとすると、なぜそうなのか。股関節脱臼の発生率は近年ほぼ一定しているはずですので、やはりよく指摘されている健診制度のシステムの問題、および健診そのもののレベル低下が根本にあると思われます。これには小児整形外科を十分に学ばずに整形外科専門医になっている(なれる)医師が大半を占めている現在の教育・トレーニング体制に問題があるのも大きな要因かもしれません。私がかつて留学して小児整形外科のトレーニングを受けていたオーストラリアでは、整形外科医になるためには最低6ヶ月から1年間の小児整形外科の厳しい(症例数・質的に我が国よりも濃密な、それはそれは厳しい)トレーニングが必須でした。アメリカやヨーロッパもこれに近い状況のようです。また、オーストラリアでは新生児を診る小児科医も股関節脱臼の初期スクリーニング(クリックサインetc)のトレーニングをきちんと受けていました。彼らの要請で他施設で生まれたクリックサイン陽性の赤ちゃんを診察するために、車をとばして行ったことも何度かありました。
もう一つさらに重要な点としては、予防の問題です。私どもの大先輩である石田先生を中心に股関節脱臼の予防運動が30年以上前の1972年より開始され、股関節脱臼は激減しました。しかし、近年予防の配慮がおろそかになっているのが残念ながら実態のようです。まずは医師・保健師など直接脱臼に関わる職種の人にもう一度予防の重要性を確認することが必要だと思われます。これによって近年流行しているベビースリングの正しい使用法も普及するように思います。
難治化(?)している脱臼も増えている??
股関節脱臼は通常3〜4ヶ月ごろ健診でわかることが多いのですが、まず「とりあえず」スクリーニング的にリーメンビューゲルを着けることが日本では多数派になっています。80%ぐらいの方はこれでも良いかもしれませんが、残りの方は整復されず次の治療手段(牽引・徒手整復・観血整復)となる可能性があります。また、整復はされるが壊死の発生の問題も存在します。当初はクリックサインがあり、容易に整復されそうな患者さんがリーメンビューゲルで整復されず、そのまま1〜2ヶ月装着しているために後方へ深く骨頭がおちこみ、非常に難治化したケースがよく紹介されて当院へ来られます。こういった方をみる度に何とかならないかと考えてしまいます。
当方ではこういった難治例や1歳以上でわかった患者さんを含めて、牽引による無理の無い整復をこころがけています。ほぼ全例を合併症なく整復へと導いていますが、やはり難治化したケースは時間もかかり、また牽引での細かな工夫も必要となります。お母さん達は生後3ヶ月時から半年近く「脱臼漬け」の日々のため、当センターに来られた時にはかなり消耗されていることも少なくありません。
脱臼は骨折や外傷と同じく、みな少しずつ微妙に重症度や条件が異なっています。当然ですが、骨折には重症度に応じて治療方法が細かく分けられ、適正な治療法が選択されます。股関節脱臼も機械的に一律に治療するのではなく、重症度に応じた(この場合はリーメンで良いがこの場合は良くないなど:当方では鈴木先生の超音波診断法により判断しています)、患者さんそれぞれに適した最善の治療法(custom made therapy)が選択されるべきではないでしょうか。お子さんは御両親にとってはかけがいの無い、オンリーワンの存在なのです。
(2007.7.14) 手術件数について
平成18.1−18.12 整形外科手術総数は440例でした。部位別分類は以下の如くです。
(その他にはイリザロフ手術、脳性麻痺、骨形成不全、抜釘等が含まれています。関節造影等は除外)
脊椎外科 18例
頚椎 1例
側彎症 17例
関節外科 84例
股関節 骨盤・内反骨切り70例
膝関節 半月板手術 9例
その他 4例
その他関節手術 1例
外傷外科 38例
骨接合術 上肢 30例
下肢 8例
手の外科 27例
腫瘍外科 良性腫瘍 18例
その他の手術 255例
手術総数 440例
手術数は日本一
小児整形外科単独での 年間手術件数440例 はおそらく全国で最多であると思われます。
手術数が多いだけではない
一方股関節脱臼の初期治療は、手術療法(観血的整復術、麻酔下徒手整復)には壊死や骨頭変形の合併症が比較的多く、それを回避するため可能な限り保存的治療(FACT:開排位持続的牽引法)を心がけています。
現在まで3歳8ヶ月を最年長とし、500例以上に対してFACTを行いました。100%の整復成功率、0.8%の壊死合併率(2002年よりは壊死合併無し)の成績です。
2006.11.19 ASAMI Internatinal ( 国際イリザロフ法研究会 ) 2006に参加して (片岡浩之)
去る 10 月 11 〜 14 日に京都国際会議場で世界中から 200 名以上が参加し、イリザロフ法に関する基礎・臨床研究についてあらゆる角度から 150 をこえる演題発表・議論が集中的に行われました。ポスタ−も世界各国からおよそ 150 の展示がなされていました。
冒頭は Cosmetic lengthening ( 美容的脚延長 ) についてのセッションで、イタリアをはじめ諸外国での取り組みが紹介されました。一方医学的な適応を遵守すべき ( 痛みや機能障害のない下肢を整形外科医は延長すべきでない ) という意見も出されていました。トルコのポスタ−発表で、大学生に対して行った調査で自己申告した自分の身長は実際よりも高いというものがあり、現代は高い身長にプラス・イメ−ジを有する文化が支配的と結論されていました。〈〈なお当センタ−では、骨系統疾患などの基礎疾患のない低身長の方への保険診療外となる脚延長術はおこなっておりません〉〉
シンポジウムは、 1) 先天性下腿偽関節 2) 関節拘縮 3)Taylor Spatial Frame( 近年バ−ジョンアップしたソフトウェアでリング間をコンピュ−タ制御できる創外固定器 ) が取り上げられていました。また世界を代表する先生方による招待講演、最新分野をあつかった教育研修講演も連日たくさんありました。他に一般のセッションでは、脛骨・腓骨列欠損などの先天性疾患、外傷 ( 関節変形、 ( 関節内 ) 骨折、骨盤骨折、 ( 感染性 ) 偽関節など ) 、変形矯正 ( 長管骨、足部、脊椎 ) 、成人・小児股関節、上肢延長、肩甲帯〜上肢、手、足関節固定、髄内釘を用いた骨延長 (Fitbone, ISKD などの新しい手法 ) 、創外固定にともなう合併症など多岐にわたる演題が目白押しでした。
印象としては、演題の 6 〜 7 割が外傷関係と、やはり創外固定の最大の適応は外傷に対してであるということと、最新の話題として脊椎への応用、内蔵モ−タ付の新しい髄内釘による骨延長が目にとまりました。エジプトをはじめとするアラブ諸国、インド・パキスタンなどの西アジア諸国からの参加が目立っていました。国際色豊かな学会でしたが、本国での開催にもかかわらず、日本からの参加は参加者全体の1割もなかったのは少しさびしいものでした。
ASAMI Japan( 日本イリザロフ法研究会 ) ・世話人でもある柏木先生 ( スカイ整形外科クリニック副院長・前小児センタ−勤務 ) が軟骨無形成症児 39 例 80 肢の上腕延長について口演され、また小児股関節セッションで座長をつとめるご活躍でした。
例年秋に開催される日本イリザロフ法研究会は、 10 月 7-8 日に神戸市にて Taylor Spatial Frame のワ−クショップと、いつもながらの時間たっぷりの熱い症例検討が行われました。
2006.11.9 第23回脳性麻痺の外科研究会に参加して (共田 義秀 )
10月下旬に福島県郡山市で開催された第23回脳性麻痺の外科研究会に参加いたしましたので報告いたします。この研究会は日本国内で脳性麻痺を中心とする麻痺性疾患の治療に関わっている整形外科医が集い、最新の治療について討論する会です。
今回の主題は「脳性麻痺の上肢の諸問題と解決法」であり、このテーマについて計5題の演題が発表され討論が行われました。脳性麻痺患者さんの整形外科的治療はどうしても下肢に重点がおかれ、上肢の治療はどちらかというと後回しにされる傾向があります。脳性麻痺の上肢でみられる障害の典型的なパターンは肘が曲がったままで伸ばしにくく、手首が屈曲・回内(手先が下に垂れた状態)で緊張し、物をつかむために指を伸ばそうとすると手首の屈曲がつよくなり上手に手が使えないといったことがしばしば観察されます。小さい頃から手がうまく使えないと、やがては苦手な方の手を使うことを放棄しさらに使いにくくなるという悪循環に陥ります。このことは特に片麻痺(右ないし左半身だけの麻痺)の子供さんでより顕著にみられます。というのは障害のない側の手だけでなんとか生活しようと工夫してしまい、その生活スタイルが身についてしまうからです。 このような状態を改善し、手を使いやすくするための治療に上肢の筋解離手術という方法があります。この手術は手や肘の屈筋(曲げる働きをする側の筋肉)を外科的にゆるめる処置を行うことで余分な緊張を取り除き、これによって伸筋(伸ばす側の筋肉)が働きやすい状態をつくるものです。研究会では上肢の筋解離手術の成績に関する発表があり、良好な結果が長期間続くことがわかってきました。この手術がもっとも効果を発揮するのは、術前からどうにか自分で指や手首を伸ばすことができる方に行った場合です。物をつかむ、握る、おさえるなどの動作が改善されると、例えば字や絵を描くときに紙を押さえて固定する、食事の時に食器を支える、スプーンやフォークをつかって食べるなどの日常生活動作が楽に上手に行えるようになります。また手がまっすぐになると外見もよくなり患者さんの満足度は高いようです。 下肢の手術では子供さんの成長に伴って再発が起こることがしばしばありますが、上肢の手術は比較的再発が少ないこともわかってきました。また入院期間も比較的短く(7〜10日)、お子さんやご家族にかかる負担も下肢の手術に較べてかなり少ないようです。当院でも以前から上肢の手術を行ってきましたが、今後も上肢の障害で困っているお子さんの治療に積極的に取り組む必要性を再確認しました。
比較的重度の脳性麻痺患者さんにみられる頚から背骨にかけての変形(痙性斜頸・麻痺性側わん症)の治療としてボツリヌス毒素製剤(製剤名:ボトックス)を頚や背中の筋肉に注射する方法が数年前から国内でも行われてきました。この治療についてまとまった症例数を比較的長い期間調べた発表があり、年少のうちから治療を始めれば側わんの進行を防ぐことができる可能性を示唆する結果がでました。当院でも本年よりボトックス治療を始めましたが、痙性斜頸・麻痺性側わん症で困っているお子さんたちにとって福音となれば幸いです。
2006.9.21 ボトックス治療について
平成18年9月より当院でもA型ボツリヌス毒素製剤(薬剤名:ボトックス注100)を用いた治療を始めました。ボトックス注100(以下ボトックスと略します)はボツリヌス菌がつくり出すA型ボツリヌス毒素(天然のタンパク質)を有効成分とするお薬です。ボツリヌス菌そのものを注射するわけではありませんので、ボツリヌス菌に感染する危険性はありません。いろいろな研究の結果、このタンパク質をごく少量だけを緊張している筋肉に注射することで、筋肉が緩み、緊張がおさまることがわかり、治療薬として利用されるようになりました。ボトックスは1989年にアメリカで最初に医薬品として承認され、以来、筋肉の緊張によって引き起こされるさまざまな疾患に対して広くもちいられてきました。欧米では10年以上前から脳性麻痺患者の過剰な筋緊張に対する治療に用いられており、その有効性や安全性について多くの医学論文で報告されています。
わが国では、痙性斜頸(首の周辺の異常な筋緊張・痙性が原因で頭が傾く状態)、顔面痙攣などの疾患が保険診療の対象として認められています。
脳性麻痺のお子さんはしばしば頸部や体幹の痙性、異常な筋緊張のために痙性斜頸を来たします。また痙性斜頸には側弯症を合併していることが多く、これらの病態はセットとみなすことが出来ます。成長途中のお子さんの首が傾き脊柱が弯曲した状態が長期間続けば固定した脊柱変形を生じる恐れがあります。
こういった症状に対する治療として、首(主に後側)から背中の筋肉にボトックスを注射することで異常な姿勢を軽減し、ひいては脊柱変形の進行を遅らせる効果が期待されます。また余分な筋緊張がとれることで楽に呼吸や嚥下ができるようになるなど生活の質が向上することも期待できます。
ボトックス治療に関する詳細は当院 神経内科 藤井もしくは 整形外科 共田の外来にてご相談ください。