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御質問274

私のことです。
子供の頃(5歳くらい)がに股を言われ無理に内側にねじるようにしてきました。歩くときは足をねじりまっすぐに、座るときはあしをそろえ、走るときもまっすぐ走るようにいかなる姿勢でもがに股にならないようにまっすぐもしくは内股を意識した姿勢をするという無理で不自然な生活をしてきました。走り方も歩き方もどうしてもやはりがに股っぽくはなり、とても不自然だったし、友達からも変だといわれましたが、がに股コンプレックスだった私は必死でした。そしてそのような無理で不自然な骨格のまま骨が完成したようです。
骨盤の印象は四角っぽく長いおしりになりました。みんなとは違うおしりの印象が中学の頃はいやでした。不自然で無理な姿勢、歩き等をした自分のせいだとはそのときはきずきませんでしたが・・。
そのがに股コンプレックスも成人し結婚し30くらいからは気にすることもなくなりました。
もともとの楽な姿勢で外またに立ったり歩いたりすることも抵抗なくなって自然にすごしていました。しかしそうするうちに今度は腰が痛くなったり骨盤がへんになったするという事態になってしまいました。ながっかったおしりの形もかわってきてしょっちゅう骨盤がずれてくるんです。せんちょう関節(行きつけの整形外科でいわれた)あたりがおかしくなるようです。無理で不自然な状態で固まってしまった骨格を、今頃楽な姿勢や歩き生活にしたのでその矛盾がでてきておかしくなっている気がします。
整形外科の先生に外施歩行などがに股を無理してたから・・・というような話しをしても笑うばかりです。自分が無理してた体だったことを自分が一番よく知っています。毎日緊張した姿勢を強固なまでに貫き通していたのですから・・・。
子供は外施を矯正することができるようですが、こんなに大人になってしまった私はどうすればいいでしょうか。
骨盤がおかしくなりあがってくるかんじがあり生活にも支障がでてついに子供を保育園に預けなくてはならないほどの事態になっています。もともとの長いおしり時代のレントゲンがないので、骨盤の形を比較することもできず、先生もわからないと頭をかかえています。
外施歩行などについては一部の先生しか認識がないのではないかと感じています。それで先生に相談しています。
子供のことではないのですが、ひどい外施コンプレックスの子供が大人になった症例として考えてもらえないでしょうか。
どうぞよろしくお願いします。いつも突然相談をもちかけてすみません。先生でないと相談できないことだらけです。
よろしくお願いします。

御返事

下肢の外旋変形と、それが目立たないように長期にわたって無理な姿勢(下肢の位置)を続けていたが、成人になってから無理な姿勢をやめたのち腰痛などが発生した、と理解しました。
下肢変形を自分で矯正しようとして腰痛が発生することは、女子高校生などにしばしば見られるものです。まず、どうしてこのようなことが起こるのか、原理的に理解することが重要です。そこから解決方法が見つかるかもしれません。

さて、下肢の外旋変形は大きく2つにわけられます。1)股関節に近いところでの大腿骨の後ろ向きの捻れ(専門用語では大腿骨頚部後捻)、2)下腿骨の外向きの捻れ(下腿骨外捻)、です。

1)の場合は、立位歩行の時に下肢全体が外を向き、ちょうどがに股(正確な表現ではないですが)となるため、女性の場合は股関節を内旋して目立たないようにすることがあります。或は目立たないように親から絶えず注意されることのほうが多いかもしれません。ただし、股関節の内旋を持続するのは大変つらいものです。通常、股関節を伸ばした状態では難しいので、股関節を曲げた状態にして内旋するのが一般的です。そうすると、そのままでは前かがみになってしまう為、直立を保つ為に腰椎を無理に起こすので、腰椎の反りが強くなって腰痛が起こりやすくなると考えられます。


2)の場合にも、同様に股関節をやや曲げた状態で内旋し、膝を正面に向けようと努力しますが、この場合には腰だけでなく、膝が常に内側を向いている為、膝関節そのものに無理がかかって膝痛がおこることがあります。

小児の場合には経過を観察した上で、改善がおもわしくなく、どうしても矯正を望むのであれば骨切りを行って下肢の向きを変えればこのような問題はたちどころに解決してしまいます。


成人の場合は無理な姿勢が長く続いていたわけですから、それによって腰痛がおこってもおかしくありませんし、30才を過ぎてからもとのように楽な下肢の位置を再び取り戻したとしてもすでに腰痛の起りやすい状態であったと理解することもできます。

また、成人においては無理な姿勢が持続したことによって、腰椎の傾きや、股関節の内旋持続による骨盤の異常(仙腸関節における骨盤の内旋など)があったと推測されますが、楽な下肢の位置を再び取り戻すことによって、腰椎ならびに股関節周囲の筋肉にこれまでと異なった力学的関係がうまれるわけですから腰痛などが起る事も想像されます(どのような力学的関係かは説明できませんが)。

成人整形外科は専門外になりますので経験がなく、治療方法についての確信のあるお答えができないのが残念です。このようなことを理解してくれる成人整形外科の先生がどこかにおられると思いますのでいろいろ訪ねてみるのが良いかと存じます。
これまで大変つらい思いをされたことと、察しいたします。

御質問273

現在、小学1年生の男の子の母親です。3歳の時に3段ベットの3段目から飛び降り、肘を強打したので、すぐ救急病院に行きました。骨折はなかったのですが、両手の撓骨と尺骨がくっいているといわれました。そこのDrは手術してもまたくっくのでこのまま放置するしかないといわれ現在に至ります。
 最近、特に食事の時など前腕の回外運動障害がみられ、箸をきちんと持てません。今後このまま放置するしかないのか。それとも手術などで改善出来のかなど知りたいのですが、よろしくお願いします。

御返事(Dr瀬戸)

先天性橈尺骨癒合症についてお答えいたします。
この病態は生まれつき2本に分かれていなければいけない橈骨と尺骨が肘の近くでくっついているものです。従って、手のひらを返すことができません。極端な肢位(腕の位置のことで例えば、肘関節を90度曲げて、手のひらが下に向いたまままたは上に向いたまま)では、書字、洗顔、お釣りの受け渡し、茶碗持ちなどが困難となります。しかし、肘を90°曲げた位置で手が真横を向いていれば、肩関節を代償的に動かして、日常生活動作のほとんどが可能です。このような状態にあれば、成人になるまで気がつかれないこともあります。
 治療は、極端な肢位にある場合には、肘関節近くの2本の骨がついているところまたは、それぞれの骨の部分で骨切りを行い、極端なねじれを直す手術が一般的です。以前から、癒合部を切り離してできるだけ正常に近い腕の動きを回復させる手術が行われてきましたが、満足のいく結果が得られていません。しかし、近年筋膜移植によって良い成績が得られた、という報告もあります。手術は骨切り術の方が簡単で、成績は安定していますが、正常な腕にはなりません。筋膜移植は手技が難しく長期的な成績は不明ですが、腕の動きを回復させる可能性はあります。しかし、全く正常にはならないようです。
当センターでは骨切り術を行っておりますので、その成績は安定しています。
複数回の手術は必要ありません。また、成長に伴った変形の再発はなく、手術時に決定した角度は以後変化ありません。手を中間位にすることで、できるようになることは増えますが、お子さまの現在の状態によります。手がすでに中間位にある場合は手術の必要性はないでしょう。手術をしない場合には、今後も何ら変化がありません。
 大切なのは、お子さまの現在の状態を把握し、なにができないのか、困っていることはどういうことかということです。このことを十分にご検討いただいた上で手術をするかどうかをきめたほうがよいでしょう。ご不明の点がありましたら、またご連絡下さい。

御質問272

初めまして。
**月**日に生まれました姪の件でご相談致します。出産には異常もなく元気に生まれた姪ですが、すぐに足の異常に気づきました。両足の甲が足首からが90°(それ以上かもしれません)内側に曲がっています。産婦人科医からは予想した通り、先天性内反足の診断をうけました。今後専門の小児整形外科にて診察を受けるつもりです。こちらのホームページ(Q&A)を拝見し、内反足についての様々な知識と励ましを得られたことに深く感謝申し上げます。実は手の指にも奇形?があることに気づきました。左手薬指が第一関節程度短く(小指と同等の長さ)、爪がありません。また、その部分を摘んでみると大変柔らかく指骨を感じません。その他の異常については、現段階では確認できませんが、これらの点から他に何か異常があるかどうかの推測がつくようでしたらお教え願いたいと思っております。また、初診(小児整形外科)で担当医に対して、どのような点を確認しておく必要があるか等をご指導下さい。

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御返事

先天性内反足にはしばしば手や足指の先天性異常が合併します。指の尖端がなかったり、指や足首付近の絞厄輪(紐できつくしばったような痕)があったりします。これらは状況に応じてそのつど治療が必要な場合があります。

指の尖端の欠損については今は様子を見る事になるでしょう。
現在は内反足の徒手矯正に全力を傾ける時期と思います。その他の異常、たとえば脊椎などは小児整形外科専門医であれば必ず診察するはずです。

ということでがんばってください。

御質問271

はじめまして。満七ヶ月を過ぎた息子の事で相談させてください。
先日八ヶ月児検診にかかりつけの小児科へ行ったところ、右足が内反足気味だと診断されました。確かにかかとから先が少し内側に曲がっています。先生は歩くようになって支障がなければ大丈夫とおっしゃいましたが、私自身内反足についての知識がまるでなかったので家に帰りインターネットで調べたところ、矯正を早めにやった方がいいのではないかと思いました。しかしかかりつけの先生が大丈夫と言ってくださっているのでそれを信じたい気持ちもあります。実際歩くようになってからの矯正でも遅くないのでしょうか。
また、息子はよく膝の上に立たせると足を突っ張ったり、かなりの勢いで私の膝等が痛いくらいぴょんぴょんはねます。その時の足がなぜか両足とも爪先立ちなのですが、それは個性といっていいのでしょうか?他のお子さんは両足をちゃんとつけて立つので不思議です。
よろしくご返答お願いします。

御返事

内反足の場合は、足首が固くなって簡単には正しい形にはもどすことができません。たとえば踵が内側に傾き、踵を床につけようとしても固くてどうしても踵が浮いてしまいます。
内反足とよく間違えるのが内転足です。内転足では足首の動きはそれほど制限されません。また踵の部分の変形は目立ったものがありません。6割が自然治癒してゆきますが、変形が強い場合にはいつまでも内転が続きますし、その場合には靴が合わなかったりと不自由な場合がありますので、早期に変形矯正(徒手矯正とギブス固定)した方が良いと思います。治療に良く反応します。また、同じ仲間ですが、 skew foot (グニャグニャと曲がったという足という意味)があります。これは内転足にさらに踵骨の外反変形がともなったものですが、治療は簡単ではありません。

まず正確な診断が必要と思います。

御質問270

はじめまして、ーーーーの娘についてご相談させてください。

ーーーーーーー入院中も内反足については何も言われず、一ヶ月検診でも医師には気が付かれませんでした。母として右足が内側に向いているのが気になる旨を伝えると、ーーーーー整形を受診しました。

ーーーーーーーーしばらくの間石膏で固めたようなギプスで固定して、その後デニスブラウン、片足だけのブーツのようなギプスとなりました。一人歩きを始め、足の裏全体を地面についているように見えますが、やはり親指に向かって軽くカーブしています。靴も普通の靴を履きすたすたと走っています。

ーーーーーーーーー娘の内反足については近所の小児科医師も検診で気が付きません。今のところ手術の話も出ないですし、両下肢の長さも太さも同じで歩行にも差し支えないように見えます。ただ、カーブしているのが気になるくらいです。同じ内反足でも娘のは軽度に入るのでしょうか?このカーブは見た目が少し気になるだけで将来何か支障をきたすことはないのでしょうか?お忙しい中ですが、ご返答お願いいたします。

御返事

内反足の本質は、距骨とその周囲の骨との配列の異常です。したがって、現在その配列が正しくなっていれば問題ないのですが、もしすこしでも異常があればやがて内反が再発するおそれがあります。現在レントゲン的に骨の状態はどうであるのか次回診察の時に主治医に率直に尋ねると良いでしょう。もし異常がわずかでも残っているならば時期をえらんで治療が必要です。

足の裏全体を地面についているように見えるが、親指に向かって軽くカーブしている、というのは、ふた通りの推測ができます。1)内反足変形が残存していること、2)内反足の本質的部分は矯正されたけれど、中足骨(足の先の骨の部分)の内転変形が残存している場合です。1)の場合には先に述べたように時期を見て治療が必要となります。2)の場合は内反足に伴ってしばしば起こる変形です。極端な変形でなければそのまま経過を見て良いでしょう。変形が強ければ装具などで矯正が必要かもしれませんし、変形がしつこければ外科的治療が必要です。

ということで、まず主治医に現在の骨の状態はどうであるのか説明を受けるべきと考えます。

御質問269

大腿四頭筋短縮症の治療法について教えていただけませんでしょうか。

現在39歳の社会人です。高校3年生の時に初めて手術をしたときは、ひざが180度回転してアキレス腱が臀部にぴったりと付いていました。しかし、半年後ぐらいからじょじょに元に戻り始め、現在は30度ぐらいしか曲がらない状態になっています。手術の方法は、筋肉に横に切れ目を入れた後、ベットの上で一週間程度ひざを曲げた状態にして切れ目の部分を伸ばしておく方法でした。
 最近、腰痛が激しく疲れやすいので仕事にも支障をきたすことが多いのと、そろそろ老後が心配になってきました。「大腿四頭筋短縮症 治療」等でネット上を検索しても治療法については全くといっていいほど情報を得ることができません。

追伸 小児外科専門施設であることは重々承知の上ですが、藁にもすがる思いでメールをだしました。無礼をお許しください。

御返事

成人における大腿四頭筋短縮症の治療の経験がありません。したがって、これから述べることは私が頭の中で考えた事であって、経験に基づいたものではないというということを承知しておいてください。

膝関節の動きを制限する因子はさまざまです。通常は関節内因子と関節外因子にわけます。関節内因子としては、関節内の骨や軟骨の変性と変形、靱帯の短縮、関節包の変性、関節内の遊離体の存在、等などです。関節外因子としては筋肉を支配する神経の麻痺、関節をまたぐ筋肉や腱の短縮・癒着、皮膚の変性・瘢痕などが考えられます。

**様の場合は、大腿四頭筋短縮症ということですから、主たる原因は大腿四頭筋が短縮し、なおかつ大腿四頭筋の変性により筋肉細胞(筋繊維)のひとつひとつがその細胞の中に存在する伸縮構造を失ってしまった状態と考えられます。

筋肉の変性の程度にもよりますが、小児であればこのような状態でも手術などによりかなり改善されることが期待されます。なぜなら変性をまぬがれている筋肉はまだ柔らかいために自動的かつ他動的に充分伸縮することができると考えられるからです。また小児であれば筋細胞は増殖する能力を相当もっているため筋肉そのものが大きくなる可能性があるからです。

しかしながら、成人の場合は小児と同じように考えるわけにはいきません。変性を免れた筋肉もすでに小児のころのような弾力性、伸縮性を失っていると思われるからです。さらに、現在39才ということを考えると、長期間屈曲制限が続いていたわけですので、関節外因子だけでなく、関節内因子も影響してきます。すなわち、関節包や関節内靱帯なども変化してきており、これらも膝の動きを制限しているからです。

ということで、いま手術的に膝の動きの改善を試みても、うまくゆかない可能性があります。すなわち腱延長などを行っても期待したようには曲げることができないかもしれませんし、仮に曲がるようになると、今度は逆に自分の力で膝を伸ばすことが出来なくなる恐れが出てきます。もしこうなると現在よりももっと不自由になってしまいます。歩行時に膝の伸展を維持する装具などが必要になるからです。

繰り返しますが、治療経験が無いので説得力がありません。この程度のことしかお答えできないのが残念です。まず、信頼できる成人整形外科で腰痛をも含めた総合的診察を受け、詳しい説明を受けることが重要と考えます。
がんばってください。

御質問268

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他の医療相談に問い合わせたところ、「クリッペル・フイル」症候群ではないかとのことでした。
確かに首はやや短く、いわゆる猫背でどうしても前かがみになってしまっています。
心配ないといわれましたが、何か治療方法がありましたらお教えください。お願いします。

御返事

クリッペルファイル症候群とは、首の骨が先天的に癒合したり形が異なっていたりしている(頚椎の奇形)状態をいいます。本センターでは2002年までにこの疾患の典型的な例を5例経験しており、奇形が小さいものも含めればもっとたくさんの患者さんがおられると思います。ということで、それほど珍しい疾患ではないと思います。

頚椎の奇形や癒合の為、首が短く、髪の毛の後ろの生え際が低い位置にあり、首の動きが制限されていることが特徴です。この首の骨の先天的奇形に対する変形矯正手術は大きな危険が伴う為、脊髄圧迫や不安定が存在するなどの特別の場合以外は治療しないのが一般的です。ということで、首の変形に対しては経過を観察し、脊髄圧迫や不安定が生じなければそのままにしておく、という方針が良いと思います。もちろん激しい運動など頚椎に負担のかかることはこれから避けるようにしなければなりません。
さて、問題は、この症候群にはしばしば他の異常が伴うことがある、ということです。例えば、肩甲骨が高い位置にあるスプレンゲル変形、側彎、腎臓奇形、聴力障害、肺機能不全、先天的心奇形、手の異常運動(鏡に映したように左右が対称的に動く)等が見られることがあります。この点は小児科の先生が検索を進めていると思います。もし異常があればそれぞれにたいし治療が必要かもしれません。

以上、おおざっぱにこの疾患の概要を述べましたが、問題があれば1つ1つ確実に対処してゆく、ということでがんばってください。わからないことはいつでも御質問下さい。

御質問267

2ヶ月になるわが子のことで質問させてください。
1ヶ月を過ぎたころから、足をバタバタさせたり抱っこするときにポキポキと音が鳴るようになりました。左足を動かす時に鳴ることが多いような気がしたので股関節脱臼を疑い、専門医の先生に診てもらったところ「股関節脱臼の兆候はみられない」とのことでした。ポキポキするのも「そういうこともある」とのことだったのです
が、このままほっといてもよいのでしょうか?原因として可能性がある病名があったら教えてください。
背骨や脊椎を痛めてるのかなとも思うのですが、頻繁に鳴るので心配です。アドバイスお願いします。

御返事

乳児において股関節や膝関節がポキポキ鳴る、というのはよくあることです。どうしてポキポキと音をたてるのかはよくわかっていませんが、股関節脱臼が無いこと、膝の動く範囲に問題がなければ気にすることはありません。