くしゃみ・鼻水は通常は、こしょうなどの刺激物が鼻に入った場合、それらを速やかに排泄する為のメカニズムです。しかし、花粉症の人の場合、花粉・ほこり・ダニなどに対してもそのメカニズムが発動してしまうことが問題です。
|
| 1)通常の異物排除メカニズム | 対象:花粉、ほこり、ダニ |
| 1. 花粉、ほこり、ダニが鼻粘膜の繊毛細胞に付着 | |
| 2. 繊毛細胞の繊毛運動により痰として排泄 | |
| ※排泄までに4時間前後必要 | |
| 2)緊急異物排除メカニズム | 対象:こしょうなどの刺激物 |
| 1. こしょうなどの刺激物が鼻粘膜のVR1(カプサイ シンレセプター)に付着 |
|
| 2. V1、2の知覚求心神経を通って刺激が中枢へ | |
| 3. くしゃみ・鼻汁をかむという運動が誘発 | |
| 4. 刺激物は直ちに排泄される | |
| 3)アレルギー性鼻炎の異物排除メカニズム | 対象:花粉、ほこり、ダニ |
| 1. 花粉、ほこり、ダニが鼻粘膜の炎症細胞に付着 | |
| 2. 炎症細胞よりヒスタミンが分泌 | |
| 3. ヒスタミンがVR1(カプサイシンレセプター)や H1R(ヒスタミンレセプター)に結合 |
|
| 4. V1、2の知覚求心神経を通って刺激が中枢へ | |
| 5. くしゃみ・鼻汁をかむという運動が誘発 | |
| 6. 刺激物は直ちに排泄される |
このように、花粉症の人の、くしゃみ・鼻水は、鼻の緊急異物排除メカニズムが花粉・ほこり・ダニなどに対して発動してしまうことにより起こります。このメカニズムは上に示したような神経反射を介しています。鼻汁・くしゃみの8割はこの神経反射を介した間接作用により起こります。くしゃみは中枢に刺激が伝わった後に、複雑な反射メカニズムを介して起こります。鼻水は中枢に刺激が伝わった後、反射路を経て、遠心性の運動神経に刺激が伝わり、さらに、その刺激がムスカリンレセプターを介して鼻粘膜内の鼻腺細胞に伝わることにより起こります。
|
鼻づまりはなぜ起こる? |
| 一方、鼻閉は少々起こる機序が異なります。鼻閉は中枢を介した間接作用ではなく、炎症細胞より分泌されるロイコトリエンが粘膜の血管内皮細胞に直接作用し、血管拡張、血管透過性亢進による周囲の浮腫等により、鼻粘膜が膨張することによりおこります。 |
対象:花粉、ほこり、ダニ |
| 1. 花粉、ほこり、ダニが鼻粘膜の炎症細胞に付着 2. 炎症細胞よりロイコトリエンが分泌 3. ロイコトリエンが粘膜の血管内皮細胞に直接作用 4. 粘膜血管の拡張、粘膜血管透過性亢進による周囲に浮腫が起こる 5. 粘膜が膨張 6. 鼻腔内の隙間が膨張した粘膜により狭窄、閉鎖して鼻閉(鼻づまり)が起こる |
くしゃみ・鼻汁・鼻づまりにあった治療方法は? |
| くしゃみ・鼻汁・鼻づまりは原因が少しずつ異なります。従って、それらにあった治療法を選択することが必要です。各治療法には副作用がつきものです。副作用を抑えつつ、効果的に治療する為には症状に応じた治療方法が重要となります。ちなみに、市販の花粉症の薬には全ての症状に対する薬が混ぜこんであるので、医者からもらう薬よりも重篤な副作用を起こす危険があります。 |
| くしゃみ抗ヒスタミン剤 くしゃみの起こる第1段階のヒスタミンの分泌を抑制する薬。 副作用:眠気 鼻汁抗コリン剤 鼻汁分泌に関係する神経作用の最後のムスカリンレセプターを遮断する薬。 副作用:喉の乾き、前立腺肥大 鼻づまり抗ロイコトリエン剤 鼻粘膜の中にある血管内皮細胞に直接作用するロイコトリエンを遮断する薬。 副作用:頭痛 |
花粉症の症状が現れたら、まず、診察を受けましょう。 |
| くしゃみ・鼻水・鼻づまり はまとめて考えがちですが、実はおこるメカニズムが異なります。従って症状に合わせた薬選びが症状の軽快、副作用の軽減の上で重要です。 |