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京都国立博物館

木造狂言面   (作  一雲)

一雲の作品は滋賀県に見られるが詳しい事は不詳。この面も

裏に永禄四年とあり室町時代の物である。素材は桂の木。

元々この地方は近江猿楽の盛んなところでありそのころ作ら

れたものであろう。

この面の面白いところは、目は茗荷悪尉(みょうがあくじょ

う)と言う能面で見られる目であり、口元は窄んでいる所か

ら祐善(ゆうぜん)と言う狂言で見られる口元である。

このことより、この面は能面とも狂言面とも言われている。

 

 

滋賀県立琵琶湖文化館

紅地扇面散文様唐織能衣装  (作 江戸時代)
(くれないぢせんめんちらしもんよう)

         

縹淡茶段松皮菱牡丹輪宝文様唐織能衣装  (作 江戸時代)
 (はなだたんちゃだんまつかわびしぼたんりんぽうもんよう)



*この能衣装は「紅…」については模様の中に扇が見られこの

時代(江戸時代)扇を振ることで神を呼び寄せることができ

る考えがあり神道色が強い。

又、「縹…」については模様の中に輪宝が見られ仏教色が強い。

         

版本倭点附刻法華経   (作  室町時代)
(はんぽんわてんふこくほけきょう)


 

 

 

八幡宮神輿の飾り金具

神輿は、神幸にあたり神体(御霊代)を奉安する輿をいう。輿は、本来

天皇の乗り物の総称で、鳳輦(ほうれん)や葱花輦(そうかれん)

を模したものである。八幡宮の神輿は頂上に葱花(宝珠)を乗せた形

をしている。裏面の墨書より延宝四年〔1676〕に建造されたこと

が確認された。この神輿の飾金具は、全て銅板に金鍍金をほどこした

いわゆる「金銅製」である。それぞれの飾金具は、厚手に造られ、文

様は「唐草文様」を多用し、「唐花七宝繁文様」や「紗綾形崩文様」

も使用される。地には、表面に等間隔に粟粒を並べるように、細粒を

凸起させた「魚子打」の高度な技法を使用している。紋章は、透彫や

毛彫・蹴彫りの技法を用いて、輪宝紋のほかに、唐花菱・剣唐花紋・羯

麿紋なども併用している。

宝珠……露盤・伏鉢・宝珠共に金堂造

屋根……葺地全面亀甲紋繁文様打ち出し、亀甲紋の平地は魚子打

軒唐破風……冠は唐花七宝繁毛彫

あふり板も唐花七宝繁毛彫鍍金銅板包み軒は柿葺を模して、

柿板を重ねた様に、又蛇腹板を鍍金銅に毛彫

軒廻……柿葺を模して、柿板を重ねた様に、また蛇腹板等を

鍍金銅板に毛彫茅負・隅は金具尻八双型で魚子打唐花七宝紋繁文様毛彫

軸部……柱粽飾金具鍍金魚子打、沓巻鍍金魚子打

霊屋……外側天井縁の隅は金具尻入八双形で魚子打唐草毛彫

軸部台……透彫・毛彫併用の牡丹飾金具を打つ

鳥居……笠木は麻葉繁文様毛彫金銅板包み

島木は唐花七宝繁毛彫鍍金銅板包み

 

『結語』

長浜八幡宮の神輿の飾り金具は、近世における金工技術の粋を集めた

もので、たいへん高水準の飾り金具と言えよう。製作にはかなりの数の職

人が必要であり、長浜近郊をはじめ、京都などからも金工師が集められ

たと推定される。17世紀後半の金工師の手による逸品であろう。

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