当 長浜八幡宮、蛇の舞神事は長浜市永久寺町にお住みになられる蛇の舞保存会の方々によって8月15日夕刻、日の暮れに合わせて奉納され戦後53回続いております。
 水の中で舞を行う奉納行事は他にはなく、唯一長浜八幡宮だけで行われているという事もあり、当日は全国から一目見ようと数百人の人々で賑わっております。
 ・永久寺町に伝わる蛇の舞の起こり
 天正の頃、今を去ること約400年前、住民の内「井上八右ェ門」と云う宮大工が永久寺町の氏神様である八坂神社を造営いたしました。大工に専念し常に神々を信仰し嫁をめとったのでありますが・・・・
 現代でもありますように 嫁 姑の仲が面白からずたまたま機(はた)を織りたるとき、姑にその縞柄のよしあしで口論になり遂に織りたる糸をぷつりと切り、そのまま一目散(いちもくさん)に家を逃げ出し永久寺河原の一番深いところをえらび身をおどらせて死に至ったわけでございます。
 その時 一天たちまちにしてかき曇り、暗闇の世界と化し大雨が降りくだり、嫁が身を投じた所より一匹の竜が出現し昇天するのを見たのでございます。
夫は身の毛もよだつ恐ろしさに家に帰り母親に孝養をつくし 妻の供養にと日々を送ったのでございます。
 後年このありさまを後世へのいましめと思い、自らが見たる竜の頭を刻み胴体をつくり神社に奉納いたしました。後年にいたり旱魃(かんばつ)雨乞の際に八坂神社の放生池にてこの竜を舞わし旱魃から村を救ったというのが蛇の舞の起こりとされております。
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