太鼓まわし1(毎年、7月18日)

 

太鼓の材質は桂の木で、その大きさは直径120cm、重さは100kgほどあります。写真を見ても分かるように、斜めにたてた太鼓の角から、お坊さんが飛び降ります。周りは真っ暗でフラッシュがたかれる中、平衡感覚がなくなり、着地は大変難しいです。へたをすると大怪我をします。
高張り提灯 太鼓廻し 民芸保存会の青年達

午後8時頃、日がとっぷり暮れると、地主神社前の参道に、葛川谷9集落のうち、先に鳥居前に献燈を済ませた坊村を除き、細川・貫井・梅の木・町居・中村・木戸口・坂本・平の名を記した大きな高張提燈が二列縦隊に並ぶ。伊勢音頭が、この地独特の歌詞によってろうろうと歌われ、高張の行列が参道を進む。ゆっくりとした足どりで、伊勢音頭の一筋が終わるたびに少しずつ少しずつ前に進む。ようやく鳥居までつくと、石段上の参道の両側に高張が並ぶ。

  午後10時、若者たちのうち、「拝殿番」と呼ばれる四名が、一気に石段を駆けのぼり、本殿脇につるされていた大太鼓を落とす。降ろすのではなく、まさに落とすのである。「ドスーン」という大きな音が響きわたると、その音を合図に、石段下に待ちかまえていた「場取り」の若者六名が、石段をのぼり太鼓まわしの行なわれる本堂外陣に走り込む。

 そこへ、長さ2メートル余りの大きなササラ竹を持った「場取り」が走り込んでくる。ササラが振りまわされ、群衆を追いやり、太鼓まわしの場を確保するのである。ぐずぐずしていると、ササラの洗礼を受けなければならない。狭い堂内は、蜂の巣をつついたような大騒ぎである。「場取り」は、ササラ竹の根元で床をドンドンとたたきながら、ゆさゆさとゆすぶる。ササラ竹の鳴る「ザーッ」という音が堂内に広がる。三の滝の流れる音を表しているのだ。