【和 歌 集】
ここには、怪Vo\oVのお気に入りの和歌を集めました。
初めに、宗祖傳教大師最澄上人の和歌八編をあげ、次に、慈惠大師良源大僧正の「七猿歌」をあげ、次に、[日吉和歌集]を、その後は順不同に、[法華経歌]を並べてあります。
もくじ
1【傳教大師最澄上人詠歌】八編
2【慈惠大師七猿歌】七編
3【日吉和歌集】百八編(重複あり)
4【法華経歌集】
【傳教大師最澄上人詠歌】
- 阿耨多羅三藐三菩提の佛たち 我立杣に冥加あらせ給へ
- 三の川ひとつの海となる時は 舍利弗のみそまつ渡りける
- この法をもし一こともとく人は よもの佛のつかひならす
- 我命なかしとききてよろこへる 人はさなから佛とそなる
- あきらけく後の佛のみよまても 光つたへよ法乃ともし火
- 末の世のいのりもとむる其事の しるしなきこそしるしなりけれ
- おのつからすめは持戒の此山は まことなるかな依身より依所
- となへても君をのみまたいのりけれは 幾代ふるとてたえしとそ思ふ
【慈惠大師七猿歌】
- つらつらとうき世の中をおもふには まじらざるこそまさるなりけれ
- 見きかでもいはでもかなはざるものを うき世の中にまじるならひは
- つれもなくいとはざるこそうかりけれ 定めなき世を夢とみながら
- 何事も見ればこそげにむつかしや 見ざるにまさる事はあらじな
- きけばこそ望もおこれはらもたて きかざるぞげにまさるなりけれ
- こころにはなにはの事を思ふとも 人のあしきはいはざるぞよき
- 見ずきかずいはざる三つのさるよりも おもはざるこそまさるなりけれ
【日吉和歌集】
- 捨はてず塵にまじるはる影そはば 神も旅ねの床や露けき
祝部成茂
- 契をきし神代のことを忘れずは 待らん物を志賀の唐崎
祝部成茂
- 禰宜かくるひえの社のゆふだすき 草のかきはも事やめてきけ
僧都実因
- ささ波やねがひを三つの浜にしも 跡を垂ます七の御神
俊恵
- たのみこししるしもみつの川よどに 今さへ松の風ぞ久しき
定家
- あきらけき日吉の御神君がため 山のかひある萬代や経む
大弐実政
- 我頼む日吉の影は奥山の 柴の戸までもささざらめやは
法印慈円
- 御幸する高根のかたに雲はれて 空に日吉の印をぞ見る
中原師尚
- 我たのむ七の社のゆふだすき かけてもむつの道にかへすな
前大僧正慈円
- おしなめて日吉の影は曇らぬに 涙あやしき昨ふけふ哉
前大僧正慈円
- もろ人の願をみつの浜風に 心すずしきしでの音哉
前大僧正慈円
- おひらくのおやのみるよと祈りこし 我あらましを神やうけらん
前大納言為家
- 足引の山をさかしみゆふ付る 榊の枝を杖にきりつく
読人不知
- 大びえやおびえの杣にみや木引 いづれの禰宜か祝初けん
読人不知
- 道あれとわが代を神に契るとて けふふみ初る志賀の山ごへ
後嵯峨院
- 天降る神を日吉に仰てぞ 曇なけれと世を祈る哉
山階入道左大臣
- 日吉とてたのむ影を頼まずは 曇なき身を照ざるらん
天台座主公豪
- 曇なき日吉の影を頼まずは いかでうき世の闇を出まし
澄覚法親王
- いさぎよき心をくみて照こそ 曇らぬ神の光成けれ
祝部成茂
- 神垣や今日の御幸のしるくとて おびえの杉はゆふかけてけり
祝部成茂
- くもりなき世を照さんと誓いてや 日吉の宮の跡をたれけん
道玄
- しばしだにはるる心やなからまし 日吉の影の照ざりせば
慈鎭
- いのること神より外にもらさねば 人にしられずぬるる袖かな
公澄
- 移しをく法のみ山をまもるとて 麓にやどる神とこそきけ
法橋春誓
- くもりなき君が御代にぞ千早振 神も日吉の影をそふらん
權僧正桓守
- 君守る神も日吉の影そへて くもらぬ御世をさぞ照らん
前大僧正仁澄
- さりともと照す日吉を頼むかな 曇らずと思ふ心ばかりに
慈鎭
- 浅からぬめぐみにしりぬ後の世の 闇も日吉の照すべしとは
法眼兼誉
- 忘じな思ひしままにみる月の 契ありける七の神がき
天台座主慈勝
- 道まもる七の社のめぐみこそ わが七十の身にあまりけれ
前大納言為世
- あきらけき日吉の影を頼みつつ のどかなるべき雲の上哉
後嵯峨院
- 行めぐり照す日吉の影なれば 限もあらじ敷島の道
民部卿為藤
- 幾千代の塵にまじはる影すみて 光をそへよ法の燈び
桓守
- 数々にいのり頼をかけてけり 七ます神の七のゆふしで
祝部成久
- 哀とは七ます神も照見よ ここのしなにもかかる心を
法印長舜
- むまれきてつかふる事も神垣に 契りある身ぞ猶頼む哉
祝部成国
- よよを経てあをぐ日吉の神垣に 心のぬさをかけぬ日ぞなき
前中納言為相
- 山桜ちりに光をやはらげて このよに咲ける花にやあるらん
皇太后宮大夫俊成
- 頼むその七社の数々に さのみは神もすてじとおもへば
前大僧正慈順
- もらさじな我神垣のみしめ縄 はへてもあまる四方のめぐみは
權僧正慈伝
- 山桜咲そふ比の神垣は その八重垣の雲かとぞみる
源和氏
- 君が代をいかに祈りて見る夢も たがはぬ神のめぐみ成けり
僧正尊什
- 曇なく照す日吉の神垣に 又ひかりそふ秋の夜の月
祝部成繁
- 跡たかく神代をとへば大びえや 小びえの杉にかかる白雲
法印成運
- おのづからつかへぬひまも心こそ 猶おこたらぬ七の神がき
祝部成豊
- たのもしな祈につけて曇なき 日吉のかげに道ぞまよはぬ
前大納言為世
- 神がきや塵にまじわる光こそ あまねく照すちかひなりけり
読人不知
- 大びえや杉立かげを尋ぬれば しるしもおなじ三輪の神垣
一品法親王尭仁
- 跡たれしちかひは山のかひあらば 帰るしほりの道はたがはじ
土御門院
- 八十まで七の社につかへきて 祈るも君がみかげなりけり
法印尭全
- しるらめやけふの子日の姫小松 おひん末までさかゆべしとは
日吉明神
- 鷲の山有明の月はめぐりきて わが立杣の麓にぞ住む
慈鎭
- やはらぐる光にもまた契る哉 やみぢはなれん暁のそら
入道親王尊快
- 頼もしな法の守りとちかひてぞ 我山本を神はしめけん
大僧正良覚
- 日吉とて頼影さへいかなれば 曇なき身を照さざるらん
天台座主公豪
- 身をさらぬ日吉の影を光にて 此世よりこそ闇は晴ぬれ
祝部成賢
- 曇りなき世を照さんとちかひてや 日吉の宮の跡を垂けん
天台座主道玄
- 移しをく法のみ山を守るとて 麓にやどる神とこそきけ
法橋春誓
- くもりなき君が宮にぞ千早振 神も日吉の影をそふらん
權僧正桓守
- 君守る神も日吉の影そへて 曇らぬ御代をさぞ照すらん
大僧正仁澄
- さりともと照す日吉をたのむかな くもらずと思ふ心計に
慈鎭
- 世々を経て仰ぐ日吉の神垣に 心のぬさをかけぬ日ぞなき
為相
- 曇なく照す日吉の神垣に また光そふ秋の夜の月
祝部成繁
- 頼もしな祈るにつけてくもりなき 日吉の影に道ぞまよはぬ
為世
- 上もなく頼む日吉の影なれば 高き峰をや先照すらん
權律師幸円
- やはらぐる光りさやかに照しみよ たのむ日吉の七の御社
定家
- 見し夢の末たのもしくあふごとに 心よはらぬものおもひかな
定家
- うしと世をみとせは過ぬうれへつつ かくてあらしに身やまじり南
定家
- かぞへやるほどやなげきを祈りけん 神にまかせてねをぞなきつる
定家
- 捨はつる契りあればぞたのみけん 神の中にも人の中にも
定家
- しるべする日吉のかげのなかりせば 猶や浮世のやみにまよはん
頓阿法師
- あわれとや日吉の神のみしめ縄 かけはなても引こころかな
頓阿法師
- 思ひとけば日吉の影をたのみしも 西に入べき契り成けり
頓阿法師
- あひにあひて守る日吉の数々は 七の道の国さかふらん
祝部行親
- 空にすむ星と成ても君が代を 友にぞ守る七の神垣
法印経賢
- あひにあひて日吉の空ぞさたか成 七の星の照すひかりに
祝部成茂
- 久堅の天つ日吉の神祭 月のかつらもひかりそへけり
尊円
- 船よせしまれの御幸にから崎の むかしを神やおもひ出らん
頓阿法師
- ことし又御船を寄てから崎の 松に神代のむかしをぞみし
行親宿禰
- 大友のみつの浜辺をうちさらし よせくる波の行衛しらずも
大宮権現
- 霞にし鷲の高根の花の色を 日吉の影に移してぞみる
權少僧都良仙
- いつとなく鷲の高根にすむ月の 光をやどす志賀の唐崎
法橋性憲
- 波母山や小びえの杉の深山ゐは 嵐もさむしとふ人もなし
日吉地主権現
- 朝日さすそなたの空の光こそ 山かげ照らすあるじ成けり
前大僧正慈円
- やはらぐるかげぞ麓にくもりなき 本の光は岑にすめども
前大僧正慈円
- 千早振玉すだれを巻あげて 念仏の声を聞ぞうれしき
聖真子
- うけとりきうき身なりともまどはすな みのりの月の入がたのそら
前大僧正慈円
- やはらぐる光はへだてあらじかし 西の雲井の秋の夜の月
權少僧都良仙
- 頼めただ照して捨ぬ光こそ 今も日吉とあらはれにけり
頓阿法師
- 年ふともこしの白山わすれずば かしらのゆきを哀とも見よ
左京大夫顕輔
- いにしへの越路おぼえて山桜 今もかはらず雪と降つつ
読人不知
- わきて猶たのむ心もふかきかな 跡垂そめし雪のしら山
前大僧正道玄
- 鷲の山有明の月はめぐりきて 我たつ杣のふもとにぞ住む
前大僧正慈鎭
- 和ぐる光にも又契るらん やみぢはれなんあかつきのそら
入道親王尊快
- 神垣に有明の月をみてもなを 暁ごとのちかひをぞしる
前大僧正道玄
- 末の世の塵にまじはる光こそ 人にしたがふ誓ひなりけり
祝部国長
- 頼むべき日吉の影のあまねくは 闇路の末も照さざらめや
後京極摂政良経
- いにしゑの鶴の林にちる花の にほひをよする志賀の浦風
後京極摂政良経
- 朝日さすそなたの空の光こそ 山かげてらすあるじなりけれ
前大僧正慈円
- 道をかへて此世に跡をたるらめな をはりむかへん紫のくも
前大僧正慈円
- 枯はつる梢に花もさきぬべし 神の恵のはるのはつ風
前大僧正慈円
- 爰にまた光を分てやどす哉 こしのしらねや雪の古郷
前大僧正慈円
- 木のもとにうき世を照す光こそ くらきみちにも有明の月
前大僧正慈円
- みな人につゐにしたがふ誓より あまねくにほふ法の花哉
前大僧正慈円
- 志がの浦の波間に影をやどす哉 鷲のみ山の有明の月
慈鎭
- 三度うけみたび講し言の葉の 末の世長くかけて守らむ
法橋能星
- 谷川の底にや誰もしづままし 千々の手ごとに渡さざりせば
慈鎭
- おぼろけの蜑のかづきも宮司も 御調はをなじ大恩のため
法橋能星
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【法華経歌集】
- ありながら死ぬる気色は子の為にとめし薬をすかすなりけり
赤染衛門
- わしの山へだつる雲やふかからん常にすむなる月を見ぬかな
康資王母
- 月かげは世を浮雲にかくれねど鷲のみねには澄むとこそ聞け
待賢門院堀川
- 月影のつねにすむなる山の端をへだつる雲のなからましかば
藤原国房
- くも晴るる鷲のみやまの月影をこころ澄みてや君ながむらん
西行法師
- さとりにしこころの月の顯れて鷲の高嶺に澄むにぞありける
西行法師
- 鷲の山つきを入りぬと見る人はくらきに迷ふこころなりけり
西行法師
- あづまやのまやの板間に宿り来てかりにもすめる夜半の月哉
寂蓮法師
- うき世にはうれひの雲のしげければひとの心に月ぞかくるる
藤原定家
- 花のいろを其のきさらぎに誘ひてもにほひ尽きせぬ春の山風
前權僧正通海
- にごりけるこころの水を秋の夜の月も知りてぞ雲かくれける
法印實勝
- わしの山のちの春こそ待たれけれこころの花のいろを頼みて
前大僧正聖忠
- 打返しまことを照す目の前に死ぬるも見えず生まるるもなし
慈鎭和尚
- よしの山奧にこころのすみぬれば散る花もなし咲く枝もなし
慈鎭和尚
- やみの夜も昼をも分かず鷲の山いつものどかにありあけの月
慈鎭和尚
- 月影の入るさへ人のためなればひかり見ねども頼まざらめや
崇徳院
- いにしへに變らずいまも照すなる鷲のみやまの月を戀ひつつ
道基法師
- わしの山誰かは月を見ざるべきこころにかかる雲しなければ
西行法師
- これぞまこと佛の道に入りしより得てし命は尽くるものかは
慈鎭和尚
- まどふ人のこころの行くに從ふや上なき道のしるべなるらん
慈鎭和尚
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