上部構造と下部構造
このページではK.マルクスの説いた上部構造と下部構造について紹介します。
休日のある日、今日もモカ教授のもとへキリマンジャロ君がやってきた。
| キリマンジャロ | 先生こんにちは。 | |
| モカ教授 | おやキリマンジャロ君。昨日のお使いは無事間に合ったのかい? | |
| キリマンジャロ | はい。とりあえずあの後すぐに店に連絡して、店舗ごとキープさせてもらいましたから。 | |
| モカ教授 | 意味がわからんよ…もう。まるで担保物件の扱いだな・・・。 | |
| キリマンジャロ | ま、そんなトコロですかね。それより先生昨日の続きなんですけど、マルクスの言う上部 構造と下部構造について教えてください。 |
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| モカ教授 | あぁ、まあ君には逆らえん気がしてきたからな…。話してやるよ・・・。経済構造の話だな。 | |
| キリマンジャロ | はい。マルクスは政治や文化の存在やその流動は全て“経済”によって決定付けられて いると考えたんですよね。経済を下部(土台)として、そこに政治や文化が存在していると。 |
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| モカ教授 | うむ。そのそうだな。 | |
| キリマンジャロ | その意味がよくわからないんですよ。どうして政治や文化が経済によって支えられている と彼は説いたんですか?たとえば僕の生活なんかは、日本国憲法にのっとった政治と、 教育や慣習といった文化に根ざして成り立っていると思うんですよ。そりゃ大人になれば 経済活動も大切でしょうけど、僕が思うに、政治や教育、そして経済という風にそれぞれが 独立して互いを支えあっているように感じます。 |
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| モカ教授 | そうだね。君の言ってることはよくわかるし、それもひとつの考えかただよ。否定すべきこと は何もない。ただマルクスの理論で説明するというなら、やはり政治や文化、法や宗教など 人間の営みは全て「経済」という下部構造の上に乗った上部構造なんだよ。 |
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| キリマンジャロ | んー、そうなんですね・・・。ピンとはきませんが・・・。 | |
| モカ教授 | 君の言うとおり我々の諸生活は一見政治や文化に根ざしたものであるかのようだが、実は 下部構造の「経済」によって規定されているとも考えられる。たとえば物を作ること、物を消 費することからすべての生活様式始まっているだろ?政治が充実していても、文化が高度 であっても、物を売り、物を買うというシステムが破壊されてしまったら、まともに政治・文化 は維持できると思うかい? |
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| キリマンジャロ | 確かに教育や社会制度(政治・文化)がなくても生きていけますが、食べ物や生活用品 (経済)が最低限得られないと生きていけませんよね。貧困に苦しむ中東の映像なんかが 脳裏に浮かんできました。日本のODAなんてダムを作ったり学校を作ったりしたけど、 結局利用する以前に飢餓の問題がクリアーにならないということで、無意味な経済援助を 批判する人たちも存在してますからね。やはり経済活動が充実してこその教育活動、政治 活動なんでしょうかね。 |
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| モカ教授 | うむ。そういうことだな。日本で考えみようか?例えば教育を受けられる・自動車の運転がで きる、という一般的な慣習(政治・文化)があるね。しかしこの慣習の前提には学校という建築 物を物資を運んで建てなければならない。そのとき当然経済活動が起こる。物の売買や労働 の提供だ。自動車の運転をするにも自動車自体が経済活動により生産され、購入されて初め て可能なわけだよ。 |
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| キリマンジャロ | 確かにそういわれますと全ては経済という下部構造によってそのあり方が規定されてる ような気がしてきました。 |
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| モカ教授 | ではここから更に論理を発達させるぞい。下部構造である経済活動によって生み出され る、あるいは消費される「物」によって上部構造である政治や文化のあり方が決まるとい うのならば、もし経済活動の形態が変化すれば、政治や文化も変化するということだ。 |
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| キリマンジャロ | 上部は下部に乗っかっている構造なんですから必然的にそうなるってことですね。 | |
| モカ教授 | うむ。では一定の生産関係の中で資本主義経済が発達し、富の分化が進み、大規模な 階級闘争が進むと、やがて新しい生産関係を生み出す変革が起こるだろう。そしてこの 下部構造の変化によってやがて上部構造も変化し、社会全体が新しい段階へと移ってゆ くわけだ。 |
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| キリマンジャロ | あ、そうか。そうして上部構造に社会主義という「政治」形態が生まれるわけですね。 マルクスは上部構造・下部構造の考え方から社会主義への経済の推移を説いたんですね。 |
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| モカ教授 | うむ。こうした考え方を「史的唯物論」とか「唯物史観」と言うんだよ。 | |
| キリマンジャロ | なるほど。人の考え方や文化・政治で世は動向するのではなく、世の発展は「物」の関 係に全てがあるのだ、という理論ですね。分化や政治はそこから派生するということか ぁ。 |
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| モカ教授 | K.マルクスのこの理論は非常に有名だが、実際にそれが社会に適応できるかどうかは 別問題だということも重要なんだよ。事実資本主義社会において、階級はマルクスの言 うように二極分解することはなかった。これは20世紀になって社会の中間部分に新たな 階層の人々が大量に出現したためだ。 |
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| キリマンジャロ | 中間層?ですか。 | |
| モカ教授 | うむ。資本主義の進展に伴って会社経営組織が巨大化し、所有と経営の分離が推進 されたんだよ。 |
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| キリマンジャロ | はぁ。 | |
| モカ教授 | それによって資本家に代わって企業経営を代行する経営者と、それを補助する多様な 管理的・非生産的職業従事者が大量に生み出されることとなった。 |
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| キリマンジャロ | なるほど。いわゆるホワイトカラーというやつですね。 | |
| モカ教授 | そういうことだ。20世紀になってミルズやブルデューなど、このホワイトカラー層について 研究をした社会学者も数多くいたんだよ。 |
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| キリマンジャロ | ふーん。マルクス主義は机上の論理ということですね。 | |
| モカ教授 | 現状の資本主義経済においてはそうだな。しかし信憑性の高い理論なので社会主義 的思考の基礎としは今でも十分に生きた論理と言えるんだよ。 |
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| キリマンジャロ | ソ連のレーニンは実際にそれを実行したわけですからわかります。 | |
| モカ教授 | さて、今日の講義はここまでだ。 | |
| キリマンジャロ | はい、じゃ今日はこのへんで帰ります。ありがとうございました。 | |
| モカ教授 | うむ。気をつけてな。 |