朽木に行きましたよ 7月






     

    


幻想的で不思議な夜の体験です 
もう出はじめるとのメールをじっちゃまと蛍たちからいただきまして 友人夫妻と見てきました
 夜8時過ぎ  じっちゃまのお家の前の小川に数匹蛍が飛んでいました
「もっと飛んでるところがあるよ!」ということで 帰り道 じっちゃまの軽トラを先頭に 案内してもらいました 
 ライトを小さくして 何回か止まっては真っ暗にして眺め またゆっくりと動きだすことを繰り返し やっと良い場所を見つけてくれました 
 ライトをちか ちか ちかと点滅させ蛍を招き寄せます 車から降り 林道から下の谷沿いを眺めますと あちこちに蛍が飛んでいます
 劇場の舞台を見おろすようなかたちです
谷川の奥に 流れに沿うように 光ながらすーといくつも飛んでいます 舞台を横切るのもいます 客席に流れ出すのもかなりいます
こちらにふわ ふわ 流れ光ながら 迫ってきます
 今 こちらの片隅では光があわさって同じように ちぃか  ちぃか  ちぃか  ちぃかと同じ間隔で光だしました
 しばらく みんな黙ってながめていました
ふと 後ろの低い潅木を振り向くと 、、、そこにも 蛍が木々を低く飛ぶ蛍や 木々の中にも蛍がいっぱいいます
ちかちか ちかちか ちかちかと 光る間隔が早いです 
こんな蛍の光りかた いままでに見たことがありません
 朽木のじっちゃまも少しおどろいてましたよ こんなところにいるなんて 水際だけではないんです 確かにここは湿気はありますが 小さな水の流れすらありません ひょっとすると ひめ蛍?
 ちかちか ちかちか ちかちか いつまでも光ってます
満天の星に 黒く浮き上がる山影 そして蛍の火 
 蛍に気を取られて 聞こえてきませんでしたが 何かが鳴いています
ひーー ふーー    ひーふー ひーー    ひーー ふーー
寂しい悲しい鳴き声です はっきりと聞こえてきます 
じっちゃまに「鵺 ぬえの声かな?」と暗闇でささやくと 「そうかもしれんね」とかえってきました  「とらつぐみ?」 「うん」とじっちゃまが返事しました 
ようやく興奮が静まったころに じっちゃまが林道の分かれ道まで送ってくれました
 
軽トラを脇にとめて 無言で手を振って こちらも無言で手を振り返して別れました
やっぱり来てよかった ありがとう じっちゃん! 蛍たち!




玄関に
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