五十二号 |
てのひら返し大歓迎。 有里ちゃんが逞しい。掌は返すためにあると思っているメディアの方々を見事にあしらっています。ETU好調のこのシーズン、多くの仕事をこなしていくうちに、彼女が成長したことがうかがえます。 未だメディアに慣れる気配がない椿くん。有名になると良からぬ人が近づいてくることもあるのですから、知らない人に声をかけられても、ホイホイ近づくのは良くないです。 常識的に考えれば、大人のビジネスの世界において「昔、色々あったETUが好調なのが気にくわないから、主力を引き抜いてクラブに損害を与えてやるぜゲヘヘヘヘ」などということはありえません。考えが一周回った結果、香田さんは服装の趣味と人相が悪いだけで「椿くんは海外に移籍して選手として成長! ETUは椿くんを売って大儲け! 自分にもマージン入ってウハウハ」という、業界ではごく当たり前のソロバンを弾いているだけに思えてきました。 移籍や契約終了とは切り離せないシーズンの終盤は、日本の気候と相まって人を物寂しい気分にさせるものです。GMという「切る側」の後藤さんが滅入っていました。彼のような人の良い人間には「誠実な嘘つき」(昔のサッカー雑誌の記事で見かけた言い回しです)であるGM職は向いていないのかもしれませんし、そういう人物をフロントに据えねばならなかったことが、過去のETUが下位に甘んじていた理由の一つなのかもしれません。 ですが達海監督を招聘したように、大事なところではブレずに芯を通してきたのも後藤さんなのですから、がんばってシーズン終盤を乗り切って欲しいです。そして有里ちゃんと達海さんには、彼を労ってあげて欲しいです。 |
---|---|
五十号 |
名古屋勝利と二位浮上に沸くETUのロッカールーム。有里ちゃんの「人ん家」発言がアウェイ磐田であることを実感させてくれます。ですが風邪を引くといけないので、早いところ着替えた方がいいように思いました。 達海監督さえもが名古屋の勝利に喜んでいるなか、ミスターETUはクールです。磐田戦に出場しなかったのも、彼を鹿島戦に向けて温存する作戦だったことが明かされます。有里ちゃんが言うように、本当に二人は仲良くなったものです。リーグ開幕直前は花やしきで物騒なやりとりをしていましたし、当時の村越さんはイエローカードの累積でもない限り、自分が試合に出場できないという事実を受け入れられなかったと思うのです。 鹿島戦直前のこのタイミングで、村越さんにスポットが当たったということは、いよいよ五味さんとの因縁やチームの柱としてのあり方が描かれるのでしょうか。この長い物語において、村越茂幸という人物はどちらかといえば誰か(達海監督や新キャプテンの杉江さんなど)の引き立て役に回ることが多かったので、今まで苦労してきた分、報われて欲しいものです。 もう一人、引き立て役に回ることが多い後藤GMですが、彼は明らかに悪そうな顔をしている香田さんを相手にピシッと決めてほしいものです。たぶん、過去を清算する笠野さんの引き立て役に回るのでしょうが……。 |
四十八号 |
志村さんの胸によぎる試合の場面。名古屋というチームだけではなく、彼もまた「良くなるため」の変革期を迎えようとしているのでしょうか。 川瀬さんがスーパークリア。彼が忘れられていなかったことと、チームの精神的支柱になったことが何となく嬉しいです。そして精神的支柱の選手がチームを救うのだとすれば、ETUの場合、その役割は誰が担うことになるのか思いを馳せてしまいます。 勝利給1.5倍。ホーム名古屋戦でぺぺがキレキレだったのは、東京でしか手に入らない老舗のあんパンが目当てだったのではないかと考えたことがあるのですが、やはりカネやモノは人を動かす原動力たりえるのかもしれません。 ぺぺのゴールで名古屋が勝利。志村さんに成長フラグ的なものが立ったので、このままガンナーズの出番が終わるとすれば少し残念な気がします。 |
四十七号 |
シーズン後半になると、負傷離脱者が増えるものです。ガンナーズのフロントとサポーターは、協会に日程と窪田君のケガに対して文句を言っていいと思うのですが、ダルファー監督は強気です。逆境をものともしないメンタルが、名将には必要なのでしょうか。 いい給料もらってんだろが! 名古屋はマネーパワーでブラジル人トリオを揃えたという設定だったはずなので、不破監督の言葉は間違ってはいません。しかしコーチが思ったように「嫌なこと」であることも事実です。 高い給料を受け取っている選手は、負ければ不破さんに叱られ、不破さんはオーナーに厳しく言われる。志村さんが社会の成り立ちに思いを馳せたばかりか、名古屋の選手の気持ちを逆手に取ろうとしています。ゴールネットを亀の甲羅に例えたように、彼のような独特の視点の持ち主が、組織には一人は必要なのかもしれません。 セカンドボールに志村さんが走り寄ったところで次号に続く。この引きはどちらでしょうか……? |
四十五号 |
キーパーのくせにバカ。ヤバイ奴。 若く恐れを知らないとか、メンタルが強く物怖じしないとか、いい感じに言い換えてあげてください夏木さん。 たった一つのポジションを守るゴールキーパーは個性んが大事なのだと、言葉の壁がある外国籍の選手は人一倍のアピールが必要なのだと主張するかのように、ハットトリックの記念球(?)を転がすストッフさん。心なしか、椿君が有里ちゃんに叱られたのをほくそ笑んでいるように見えます。でもインタビューに遅れそうになるのは椿くんのせいではないと思うので、有里ちゃんは加減してあげてください。 若くないなら長生きすればいい。驚くほど口と態度が悪かった達海監督ですが、単行本のオマケにもあったように、実は倉茂監督と仲が良く、そして年長の監督を本当にリスペクトしていることを実感しました。倉茂監督がまた物語のどこかで登場することを願ってやみません。 他所の試合ってどうなってる!? ゴール裏の住人はこうやって選手に話しかけてもらえるかもしれないんですね。東京で留守番をしているコータくんたちが聞けば、うらやましくてどうにかなってしまいそうですね。 神戸対鹿島は鹿島が勝利。このチームのキーパーソンはやはり五味さんのようです。引きが気になる名古屋対大阪Gはどんな展開になるのでしょうか。 |
五十九巻 |
お年玉くれ。 お正月という日程からETUと磐田の天宮杯決勝を想像したのですが、試合中に要求する達海選手と、用意してあげる倉茂監督の仲良しっぷりに和みました。達海選手は試合終了後にお年玉を取りに行こうとするも、そのやりとりを知った松本さんや後藤さんが青くなって頭を下げ、お年玉受け取りを阻止されるような気がします。 達海さんと倉茂監督は、年に一度会うか会わないかという間柄なのに、不思議と相性のいい親戚という感じがして何だか好きです。磐田戦は終わりましたが二人の仲良しエピソードはもっと見たいものです。 人生はいつも学び。倉茂監督の学ラン姿は昭和のガリ勉を思わせますが、新しいものを受け入れ、挑む姿勢に年齢は関係ありません。 だからと言って、四十五歳で五児の父である松原コーチがグレるのは、子どもへの影響もあってマズいですが。 |
四十二号 |
男性の正体は香田さんだった。津川前会長の部下だからETUのスタッフなのだとごく当然のように考えていましたが、そういうわけでもないようです。 笠野さんが言う「この業界」がサッカー業界を指しているのかは分かりませんが、香田さんがスーツ姿なのにサラリーマンに見えないのは、本人の容姿に加えてシャツの色のせいなのかもしれません。 津川前会長が広告・広報関係に強く、それゆえに達海選手をメディアに引っ張り回したことを考えれば、香田さんもその業種の人間で「この業界」とはスポーツジャンルのことなのかもしれません。 香田さん本人は「ETUとビジネスをする」意志があるようですが、これもまた「十年前の確執」との和解の一環なのか、それともネタが尽きてしまったのか。仮にネタ切れだとしてもストーリーを色恋沙汰に持って行かないのがツジトモ先生がツジトモ先生たる所以だと思います。 まあ現在のETUには椿選手だけではなく、永田嬢こと有里ちゃんがいますから、悪いようにはならないと思います。さすがに香田さんがクラブハウスを訪問した瞬間にカラテは披露しないと思いたいので。 |
四十一号 |
オレタチノツバキ。 若いサポーターやゴローさんの感慨を無視するかのような「できすぎて怖い」という発言が実に椿君らしいです。そんなメンタルでもゴールへの意識が高くなっていることが、彼の成長の証なのでしょうか。 ベテラン新聞記者の語彙力。新聞記事に「椿のハットトリックにポカーン」などと書けばクレーム間違いなしですが、すごいものに語彙力を吹き飛ばされる感覚は私にも覚えがあります。 変な虫の接近が危ぶまれるのは妙齢の女性ではなく若いサッカー選手だった。過去を振り返ってしみじみする笠野さんが見つけたのは誰でしょうか。このタイミングで新キャラが登場するとは考えにくいことと、今回前会長が登場したことから、すでに物語に登場している人物なのかもしれません。 |
三十八号 |
戦いは自宅から始まっていた。父と息子は、いつかどこかで対決する存在なのでしょう。 大人達ばっかりズルイ! コータくんは気持ちをぶつけるだけではなく実力行使に出ました。まさか田沼さんの遅刻がコータくんによる足止めだとは思いも寄りませんでした。彼は年齢の割に落ち着きがあり、羽田さんにも一人前のサポーターといして認められたイメージなので、こういった振る舞いは意外です。そんな息子の行動を「気難しい年頃」で済ませる田沼さんは大物だと思いました。 これってどういう状況? お前が大喜びする状況。アウェイゴール裏で微笑ましい会話が繰り広げられています。 椿君がハットトリックを決めて四対一。予想していたよりも早く磐田戦が終わる気がします。その分、次の鹿島戦は丁寧に描かれるのでしょうか。 |
三十六・三十七号 |
一度目と同じコースで。一度よりも早く。 先制ゴールを決めた椿君の意外な貪欲さと、山さんのコメントに二人の成長と伸びしろを感じました。もしかしたら、数年後には山さんがネットでライターとして活躍して藤澤さんや山井さんのライバルになるのかもしれません。 学ぶことに積極的な磐田と、学ぶことに喜びを見出していたETUと。学びに関しては、ETUのほうが先に進んでいることを認める倉茂監督。彼のモノローグだけならば、このままETUが逃げ切って試合終了……という感じがしますが、開幕ホーム磐田戦を思い出させるかのような田沼さんの行動が気になります。 雨だからテクニカルエリア出てくんな。「風邪→肺炎」という凶悪コンボは、高齢者の命に関わります。現役時代に幾度となく苦しめられた相手に対する達海産の敬意やら口の悪さが垣間見えるので、単行本のおまけページあたりで倉茂監督と達海選手のやりとりを描いてほしいものです。 |
三十四号 |
磐田の二十番はホーシャ。彼のシュートは王子に阻まれます。ピンチを凌いだのに王子がものすごく不機嫌なので、今シーズンが終わるまで、彼の守備はレアのままなのでしょう。 女性が自分に気があるとわかった瞬間に自分を磨くことを疎かにするような男達。王子の活の入れ方は相変わらず独特なので椿君が「例えこそちょっとわかりづらい」と思うのも無理はありません。今でこそ有里ちゃんや藤澤さんと話す機会があるものの、椿君は家族か小学校の同級生ぐらいしか「女の子」と関わった経験がなさそうなので。 倉茂監督が大声を出しました! 普段は穏やかな物腰の高齢男性が、ここぞというときに声を荒げる姿にときめきを感じます。磐田戦に入ってから、自分の性癖を暴露しているような気がしてなりません。わたしは高齢男性萌えだった……? 椿君のシュートがストッフをすり抜けたところで次回に続く。このままETUが先制するのでしょうか。 |
三十三号 |
監督の血圧。 赤崎くんは田辺さんの言葉をハッタリだと判断しましたが、高齢者の健康に関わる発言はシャレになりません。ですが三十五歳の達海監督には使えない作戦ではあります。ETUがこの作戦を行うなら、松原コーチのメタボあたりになるのかもしれません。さすがに副会長の頭髪と広報のワーカーホリックは冗談になりませんが。 大事なのは学び。若いコーチを入れ替えることで新しいシステムを取り入れていることからも分かるように、倉茂監督は柔軟な発送の持ち主のようです。慣れない戦術で体力を消耗しても、磐田の選手が走れるのは監督への信頼。健康面に不安はありますが、高齢の監督と若手選手の関係性は、ETUとは別の切り口から楽しめて新鮮味がありますね。 |
三十一号 |
磐田のキーパーはポーランドのストッフ。何だかモデルとなった選手に心当たりがあるような気がします。 ゴールを阻まれた椿君が、「ゴール」という具体的な目標を立てたことが意外でした。カレの目標は「上手くなりたい」「チームに貢献したい」という大きいけれどもフワッとしたものが多かったような気がするので。 磐田はコーチの入れ替わりが激しいチーム。「若い血を吸って生き永らえている」という表現が不穏です。 勝負の肝は前半。笠野さんと達海さんはそのように見立てましたが、試合はどうなるのでしょうか。 |
三十号 |
磐田のシュートはオフサイド。開始七分で、磐田は三回も決定機を作っていたようです。 江戸っ子口調に審判に文句を言う松原コーチ。日ごろのストレスの半分ぐらいは、達海監督が原因だと思います。この試合にETUが勝ったならば、MVPは松原コーチと湯沢くんだと思うのですが、松原コーチがカードをもらわないか少し心配です。 達海猛ほどの人物。磐田のコーチが達海監督が、達海監督にどのような評価をしているのかが気になります。倉茂監督が言うとおり「現役時代からずる賢い」人物で、登場人物だけではなく、読者もそのように評価しているのだと思うのです。コーチの人物眼が磐田のピンチを招く……。という展開は、いくら何でも無理がありますね。 後藤GMと笠野さんは並んで観戦。ETUと磐田が自分たちのスタイルでぶつかり合えば、ETUに分かあるから、倉茂監督は奇策に出たのではないかと分析します。守備がそこそこと評価された王子にボールが渡りましたが、チャンスを作れるのでしょうか。 |
二十八号 |
倉茂監督はメンバー表を利用して4バックに見せかけていた! 相手チームの裏をかくには、様々なやり方があるものです。 欧州の一部で復権しつつあるマンツーマン。ETUにとってはやりづらいらしく、二本目のシュートを打たれてしまいます。磐田にとって今シーズン初めてのフォーメーションであることを考えれば、どこかに綻びが生まれるのかもしれませんが、倉茂監督は老獪なイメージなので、そんな穴もお見通しで作戦を立てているようにも思えます。 第一節(の後の記者会見)は藤澤さんの黒歴史。過去を振り返って赤くなっている藤澤さんの顔に、珍しく三本線が入っています。有里ちゃんの顔にこの線が入っていた時期には、化粧(チーク)の表現なのかなとも思っていたのですが、幼少期の椿君の顔にたくさん描かれていたことから考えると、ツジトモ先生的には赤い頬を表現しているようです。ということは、永田有里というキャラクターは、感情によって頬が染まる「女の子」であって、物語の中で恋愛はしない人物として位置づけられているのだろうかなどと考えていまいました。 ETUに大差で勝利したのは鹿島と磐田だけ。鹿島の選手はアジア杯でも活躍していましたし、村越さんと同い年の五味さんの存在もアピールされているのに対して、磐田の選手で名前と顔が判明しているのは、クロスの名手で日本代表の田辺さんだけです。このまま倉茂監督メインで試合を進めていくのか、代表に選ばれてもおかしくない磐田の選手たちのスゴさを紹介しながら試合が進むのか、どういう展開になるのでしょうか。 |
二十六号 |
病み上がりみたいなもの。プレー面でも優しく! アジア杯で日本代表に合流する時に、スタッフ総出でお見送りされた椿君が八谷さんに「幼稚園児」扱いされたことを思い出しました。 いずれA代表で。そう言った田辺さんに対して「そう思われるくらいの選手になりたい」と椿君が返したことに、彼の成長を感じました。 妖怪ジジイ。達海さんが本人に面と向かって言いたい放題する監督は、倉茂監督ぐらいの気がします。現役時代に痛い目に遭ったせいで、つい気持ちが現役時代に戻ってしまうのでしょうか。 磐田の作戦はフルコートのマンツーマン。戦術やフォーメーションに詳しくない人間でも「ものすごくスタミナが要りそう」に思えました。 新しいフォーメーションを取り入れたばかりETUが小さな違和感からつまずくのは理解できるのですが、今シーズン一度もマンツーマンの守備をやったことがない磐田が、作戦通りに動けるのかが気がかりです。そのあたりは倉茂監督が持ち前の老獪さでどうにかしているのでしょうか。 公式ツイッターによれば、次号は休載だそうです。モーニング発売当日に休載をアナウンスされるような自体でなくてよかった。 |
五十八巻 |
ダキューン。 この巻の感想はこの一言に尽きます。ロッカールームのやりとりには修正が加えられていますが、まさかおまけページで、有里ちゃんが達海さんを「可愛い」と思うとは予想もしませんでした。 有里ちゃんは「ハコヅメ」風に言えば男心検定八級所持者なので、藤澤さんか後藤さんに「達海さんって、可愛いところあるよね」などと発言して「この子は何を言ってるんだ」という視線を向けられそうな気がします。 十歳は年下の女の子に「可愛い」と言われても、達海監督は嬉しくないと思うので、後藤さんの隣で口を尖らせてそうですが。 小さな有里ちゃんか、達海選手のことを「かっこいい」と思っていたのは疑いないとは思うのですが、それ以外の部分は「可愛い」と思われていたのかもしれません。 ローティーンの少女にありがちな「大人の男」への憧れではなく、サッカーが上手なクラスの男子を「いいな」と思うような柔らかな初恋。だとすれば、幼い有里ちゃんが達海選手を呼び捨てにしていたのも頷けるような気がしますが、義務教育中の子どもに「体の大きな同級生」扱いされている達海選手が若干不憫にも思えます。 許してくれ、大介。実子を相手に自分の非を認められる大人は立派です。椿家では長く語り継がれそうなエピソードですが、椿くんがあっさり受け入れたところを見ると、この家族の仲の良さを感じます。 |
二十五号 |
アルバロ! アルバロだ! レアル・マドリーで活躍する同い年の選手を見せられ、椿君の心は(窪田君の予想通りに)燃え上がりました。椿君のフットボール人生において、五輪は重要なポイントだと思うのですが、剛田監督はブラン監督に比べると印象が薄い(※個人の感想です)ので、「ジャイアント・キリング」オリンビック編があるのかどうかは分かりません。もしそんな物語が描かれるのだとしたら、本編と切り離したスピンオフとして展開して欲しいです。 ETUはアウェイでジャベリン磐田と対戦。ピッチに武器を持ちこんで良いのかはともかくとして、ジャベさんが久しぶりに登場しました。 ETUはチームも選手も好調ですが、そこに水を指すのが倉茂監督という人物のようです。第一節では語られなかった「知的というより狡猾」な彼の采配が気になります。達海さんが「クソジジイ」と毒づいていたということは、現役時代に苦労した記憶があるのかもしれません。 |
二十三号 |
一緒にサッカー番組を見るクボバキコンビ。椿君が立ち直ってくれて本当に良かった。リーグ戦では上位陣の鹿島とG大阪が勝利を収めました。思いっきりマイクに拾われたハタカタ+ハウアーの声を「うるさい」で片付ける窪田君に、大阪への慣れを感じました。 こんなとこに尺使わなくていいのに! 椿君の心からの叫び。今後、動画や写真で号泣する映像が使われないようにするには、ETUの優勝に貢献して皆で泣くのが一番だと思います。 それにしても、赤崎君がPKを外したことさえも記憶があやふやなことに、改めて椿君の頭が働いていなかったことを実感しました。この状態の彼を、よく達海監督はベンチに入れたものですね。 UAEでの失敗を力に変える。改めて前を向いた彼に、窪田君が送ってきたのは動画のリンクでした。花森さんと趙さんは所属するクラブで活躍しているようです。「昨日とか今朝にあったゲームのハイライト」の三つ目が誰なのか、とても気になります。アジア杯で負傷退場したアレックさんには「至宝」という言葉は使わないと思うのですが、誰のことを言っているのでしょうか? リーグ戦がものすごく盛り上がっている状態であることや、時間がかかった割にあんな感じでアジア杯が膜を閉じたことを振り返れば、個人的には「ジャイアント・キリング」という物語に、日本代表の要素はもう必要ないと考えています。ツジトモ先生や編集部が日本代表の話を書きたいなら、「ジャイアント・キリング」のスピンオフという形にして欲しいです。 単行本四十九巻の描き下ろしで、ごく一部の選手の意外な一面が描かれたものの、アジア杯では花森さん以外の日本代表メンバーの掘り下げがほとんどありませんでした。そのため、椿君のチームメイトがどういう人なのか分かりづらく、魅力を感じるのが難しい部分がありました。 それとは逆に、日本代表の対戦相手の中国やUAE、オーストラリアは、彼らが一試合で出番が終わるにもかかわらず、選手や監督の人間模様にスポットが当たっていたように思えます。 アジア杯後に、リーグ戦での戦いとタイトル争いを描くことは規定路線だったのですから、韓国代表との遭遇や描き下ろし以外にも、大分の多田君や鹿島の選手の人となりを描写しても良かったのではないでしょうか。 |
二十号 |
四対一で試合終了。敗戦により大分の降格が決定しました。 それぞれの理由で人々が涙を浮かべるなか、多田さんの「仲間だと思ってたのに」に、冷静に突っ込んだ赤崎君はやっぱり赤崎君でした。 多田さんはてっきり移籍するものだと予想していましたが、二部落ち後の代表招集について気にしているということは、彼も他の選手と同様、既に大分と契約更新済なのかもしれません。 泣き顔の椿君を見てもらい泣きする有里ちゃん。彼女は試合のたびに泣いているような気がするのですが、ETUの選手やスタッフからイジられていないか心配になります。 有里ちゃんが目の前で泣いても、気の利いたことを言って慰められそう→王子 気の利いた発言はできないけれども「泣くな」とかは言いそう→達海監督、後藤GM、黒田さん、赤崎君 途方に暮れるが気の利いたことも言えず黙りこむイメージ→村越さん、椿君 ※個人のイメージです! 記者席では藤澤さんが赤い目をイジられていました。セクハラという反撃に、山井さんがものすごく傷ついています。連載開始から十年以上が経った結果、ハラスメントに対する世間の捉え方も大きく変動しています。とりあえず、達海監督が裸で寝る人でなくて良かったと思いました。 リーグジャパンは残り三節。次号は休載ということですが、個人的には「倉茂のジジィ」率いる磐田との試合が楽しみです。 |
十八号 |
椿君のクロスを夏木さんがゴールに叩きこみました。大分の選手が咄嗟に反応できない、でも夏木さんにとっては絶好のボールを送れるのは、椿君が夏木さんのことをよく見ている証拠なのかもしれません。 ガブくんの日本語が上達している……! ピッチという通訳がいない環境に身を置くことで、若い彼の語学力は研ぎ澄まされている。これが伸びしろなのですね。 動き出した心で、周りの人々の声と気持ちを受け止めた椿君が、真っ先に有里ちゃんを思い浮かべたことが嬉しくもあり、代表で一緒だった夏木さんや、盟友の窪田くんよりも先でいいのだろうかという気持ちにもなります。そこから場面は達海監督との回想シーンに入っていきましたから、椿君にとって、達海監督と有里ちゃんは、ETUにおける親のようなポジションにいるのかもしれませんが、三人の年齢を考えれば、さすがに親代わりは無理があるようにも思えます。 椿君の大きすぎる挫折を、伸びしろと言った達海監督。彼の独特の考え方は、選手に新たな視点を与えてくれます。その恩恵を最も受けているのが、今のところ椿君なのでしょう。 復活した椿君が日本でナンバーワンの選手になるまでの道のりがどのように描かれるのか、大分戦後の展開が楽しみです。 |
十七号 |
こうするとパスが通る。中学生のサッカーを見てボールの蹴り方を学んだように、小学生時代の椿君は独学でサッカーを学んでいました。このマンガが今年スタートしていたならば、椿少年はYou-tubeを見てサッカーを学んでいたかもしれません。 くじけた人間を本当に復活させることができるのは、本人しかいない。達海さんの言葉は意外ではなかったものの、彼自身の立ち直った経験を想像させました。ケガで体が思うように動かせなくなった人に、頭ではなく体がサッカーを求めた椿君はどのように見えたのでしょうか。 サッカーが上手くなりたい。シンプルだすが力強い思いと共に、椿君、復活。小松監督の椿君を衝くという指示は裏目に出ましたが、この試合の結末に期待したいものです。 |
十六号 |
椿姉弟物語。小学校四年生の球技大会でサッカーを強く推したことを考えると、このエピソードは彼が小学三〜四年生、お姉さんが中学一〜二年生のときのものだと思われます。運動部の事情はよく分かりませんが、よほどの実力者でもない限り、下級生は試合に出られないイメージがあるので、陽子お姉ちゃんはバレーボールが上手だったのかもしれません。 もしも自分が、中学生たちと一緒にサッカーをしたら。小学生の椿君は、名前も知らない年長者の輪に入ってボールを蹴るという、普段の彼には非情に難易度が高いことを想像しています。自己主張が苦手な椿君の「人と関わりたい」という願いを叶えてくれたのがサッカーならば、まさしくサッカーによって救われたということになります。 ガチガチになって上手にできないなら、緊張しても上手くできるように上達すればいい。達海監督が椿君を「お前はそれでいい」と肯定した作品初期のエピソードを思い出しました。 大分戦の前に、椿君が「オレのせいで姉が破談になったらどうしよう」という不安を口にしていましたが、あれはネガティブになっていただけではなく、心からお姉さんのことを案じての発言だったのでしょう。椿姉弟の幼少時のエピソードを、個人的にはもっと見たいです。 |
十四号 |
心は動かなくても、試合と体は動く。椿君がキレキレに見えたのは、積み重ねたトレーニングによる反射のようなものだったのかもしれません。それでも王子には「顔がつまらなくなっている」などと割とヒドイことを言われているので、本気の椿君はもっと活躍できるのだと思うのですが。 大分のカウンターを止めた村越さんにイエローカードが出ました。お前のミスの尻拭いなんて慣れたものと語る村越さんは、キャプテンを退いてもやはり頼もしいです。 周りに活かされ、周りを好きに使う。体を動かすうちに椿君が思い出したのは、子どものころでした……。 世良さんなら、きっとコッチ。その感覚の根元には、みんなでサッカーを楽しむために、相手のことを考えていた優しさがあるのかもしれません。 |
十三号 |
スタジアムにツバキコールが響くなか、椿君はピッチへ。ETUが調整のつもりなら大分にもつけ込む隙はあるのかもしれない。大分サポのセリフがフラグっぽいですが、自分が入った途端に失点したら、椿君がまた落ち込みそうな気がします。 大介がサッカーを嫌いになるわけない。一生懸命ボールを蹴っていた椿君を、お姉ちゃんはご両親よりも近い場所で見てきたのでしょう。逆に、サッカーが嫌いになってしまった時がフットボーラーとしての終わりなのかもしれません。 交代するのは殿山さんのアドバイスを受けてピッチに入った椿君ですが、やはりいつも通りにはいかないようです。達海監督の「いまのあいつを救えるのは一人しかいない」というセリフは、メンタルの問題は椿君自身が自力で解決するしかないということなのでしょうか。二十歳の若者には厳しい課題のようにも思えます。 王子から椿君にパス。メンタル面が原因での不調にはならない(ように見える)人は、パスにどのようなメッセージをこめたのでしょうか。 |
十二号 |
大分は選手交代。小松監督は未だにショックから立ち直れていませんが、口ぶりからすると現役時代は降格を体験したことがなさそうです。内部昇格で監督就任したにしては、つい最近まで同格だったはずのコーチ陣と降格に対する温度差が激しいように見えました。 勝つために、無難に慎重に。記者たちの予想を裏切って、達海監督は交代のカードを切ります。残り二十分でユニフォーム姿の椿くんが呼ばれました。代表編でブラン監督がやったような「交代すると見せかけて、ピッチにいる選手にやる気を出させる」作戦ではなさそうです。 責任は俺がとるから、好きなようにボール蹴ってこい。達海監督がそういうことを言ってくれる人だから、椿くんは精神的に参っていても、監督を信頼するのかもしれません。もしアジア杯の結果、ブラン監督が責任を取っていれば、それはそれでショックを受けたでしょうが、あえて何も言わなかったことが、マイナスに働いたのではないでしょうか。 |
十号 |
こぼれ球に詰めていたのは世良君。見事にゴールを決め、パフォーマンスを披露します。 バク転ができるようになった(できていない)。小さい時に習っていたスポーツがサッカーの役に立ったとか、大人になってからサッカーに取り入れるために、別のスポーツを学んだという話は聞いたことがあるのですが、世良君が器械体操の教室に通ったのは純粋にゴールパフォーマンスのためのようです。器械体操の教室という言葉の響きのせいか、世良君が未就学児や小学生に混じってバク宙の練習をする姿を想像してしまいました。バランス感覚を鍛えた結果、サッカー選手として成長したという展開は起きなさそうですね。 リードを許してもポジティブな言葉をやめない小松監督に、大分の千葉選手がついにキレました。 嘘でも一言でも残留しようとは言わなかった。小松監督や本宮GMが降格で物事を進めていたことが、ここに来て裏目に出ました。ほとんどの選手と契約更新したと言っても、五輪代表の多田さんなんかは一部のクラブが放っておかないでしょうね……。 ネットには十日発売の次号休載という情報が流れていますが、紙面には何も書かれていないので電子版のみの情報のようです。 公式ツイッターではJリーガーとのコラボ書籍の宣伝が行われていますが、本の宣伝と次号休載を同時にツイートして欲しかったです。 |
九号 |
俺をなんだと思ってんだ。 世良君のツッコミが的確すぎます。FWの彼はセットプレーからゴールを決める立場であって、DFののためにチャンスを作る立場ではありません。 とはいえ亀井君が闘志を示したことで、ETUの選手にゴールへの意識が生まれたようです。 キラキラ監督。相変わらず達海監督はあだ名を付けるのが上手ですが、言っていることは辛辣。余裕が「暗」に転べば、一気に不和が噴き出してチームが崩壊する可能性もあるのでしょうか。 金田コーチはGMのことを「後藤さん」呼び。松原コーチ以外、コーチ陣のプロフィールは明かされていませんが、この人は後藤さんよりも年下なのでしょうか? 夏木さんのシュートはポストに当たって跳ね返ります。ハシラには「こぼれ球といえば…。」と書いてありますが、該当する選手が思い浮かびません。このままETUがゴールを決めるのでしょうか。 |
八号 |
ようやく連載再開。担当さんがツイッターで「バイク便で原稿が届いた」と書いておられたことから、先生はアナログ環境で作業をされているようです。昨今の情勢下では、アシスタントを一ヶ所に集めて作業することは難しいのでしょうが、予告なしに長期休載するのはやめてもらいたいものです。 先生やご家族の病気や怪我、介護等が理由であれば、やむをえないことだと思うのですが、公にできない事情で休載されているのでしょうか。 大分のロッカールームには、スタンドで観戦していた本宮GMが姿を見せ、選手を激励していました。ただ、大分の監督やGMのノリは、必ずしも選手に肯定されているわけではないようです。そもそも選手たちが肯定されるのであれば「他力でない限り降格する」現状にはならないですものね。 杉江キャプテンを含め、クラブの人間の何人かは守りに入っている。達海さんの「引退」回あたりでも「現状に満足している人」とそうでない人の温度差が取り上げられていたような気がします。 ミスを恐れずタイトルを奪う姿勢を具現化してものが、新システムの4−3−3。ジャイキリを読み始めてから結構時間が経っていますが、フォーメーションが未だに分かりません。 大分の不和も含めて、試合後半の展開が楽しみです。 |