2026年モーニング感想部屋


二十九号  少女漫画のヒロインは、しばし作中で「おもしれー女」と評価されることがあります。一般的に、この評価はスクールカーストの上位に位置する人物、いわゆる陽キャの俺様系キャラが、今まで自分の周りにいなかったタイプの女性に対して行うもので、そこから恋愛に発展することもあります。
 有里ちゃんがブラン監督に「おもしれー女」認定されそうです。彼女は周囲を振り回す傾向にある男性に慣れているので、ワガママを言われてもある程度は対処できますし、目上の人物相手に苦言を呈する度胸もあります。これはひょっとしたら、ブラン監督の専属スタッフや広報として、日本フットボール協会に引き抜かれるフラグなのかもしれません。
 有里ちゃんと監督がブラン監督の接待をするということは、従来の広報業務は佐藤君が担当することになるのでしょう。彼一人では心許ないということであれば、広報部長か後藤GMがピッチサイドに立つのかもしれません。顔ぶれがちょっと楽しみです。
 近い未来に、有里ちゃんがETUを離れるという未来はあり得そうな気がします。彼女の暴走を止められる永田会長は、今季での勇退が決まっています。有里ちゃんは今のところ「よく働く若手スタッフ」ですが、五年先、十年先もそのポジションではいられません。ですが有里ちゃんの「こどものすがた」を覚えている人たちが多い現在のETUでは、年少者扱いが続くことでしょう。
 ETUは今後、世界に羽ばたくクラブです。椿君が欧州で注目されているように、他の選手が海外のクラブやスカウトの目に留まることもあるでしょう。フットボーラー達海猛が、選手として、そして監督としても活躍したクラブとして、関心を持つ人も現れるかもしれません。
 言葉や習慣が異なる人々に、ETUの魅力と情熱を伝えるには、専用のスキルやノウハウが必要です。そういったものを学ぶためにも、有里ちゃんは何年かETUの外で働いてみてもよい気がします。
 ブラン監督の側で、鹿島戦を観戦することになる有里ちゃんのリアクションに期待したいです。ですがPK戦は心臓に悪いので、勘弁して欲しいですね!
二十八号  椿君、欧州で注目されていた。
 今シーズンのベストヤングプレイヤーで、A代表でも世代別代表でも活躍している。若くて将来有望。移籍にあたって口を出してくる親戚もいない。事実を列挙すれば、ものすごくお買い得の選手に見えます。リーグ中に誕生日を迎えて、21歳になっていたのですね。
 ブラジルや欧米の有名な選手の移籍には、莫大な金額が動いてニュースになりますが、そういった例に比べれば日本人選手の移籍金は安く感じられるのかもしれません。連載開始時(2007年)に比べると日本円が安くなっていますから、今のうちに高く選手を売ったほうが、日本のクラブとしてはお得なのでしょうか。
 香田さんが椿君を焚きつけています。顔はモブっぽい(失礼)なのに、作中では評価が高い鹿島の江田さん。天宮杯では彼と椿君の戦いが描かれるのでしょうか。村越さんは前回で肩の荷を下ろし、この物語における役割には区切りがついたように見えるので、五味さんとの戦いが深掘りされることはないような気がします。
 隅田川スタジアムでの今シーズン最後の戦いには、チームオッコも勢揃いしていました。アウェイに行った大人たちに、きちんとお礼が言えるのは立派です。ですが、その後で「大人ばっかりズルイ!」が出てくるのが小学生らしいです。セレジェイラ オーサカ戦はアウェイの大阪で平日夜に開催されたので、子どもを連れて行くのには無理がありました。天宮杯の決勝はおそらく都内で開催されるはずです。コータ君たちがゴール裏で応援できるように、ETUには頑張ってほしいものです。
 かつて、キョーコちゃんが試合観戦をきっかけにフットボールを「やる」方に興味を示して、近い未来に創設されるETUの女子チームに所属するという将来を予想したことがあります。サッカーを勉強してパッカ君の言いたいことが分かるようになったのならば、ETUの広報も楽しそうです。
 そんなキョーコちゃんの心を射止めるのは、コータ君にとってはプロサッカー選手になるのと同じぐらい、あるいはそれ以上に難しいのかもしれません。当サイトはコータ→キョーコ→パッカーの人間(?)関係を暖かく眺めています!

 宇宙兄弟、完結。十八年間お疲れさまでした。
二十七号  載ってた……。
 達海監督の部屋は散らかっていますが、飲食物はテーブルの上に置かれており、いわゆる生ゴミがないことに気付きました。ETUで過ごすうちに、達海さんにも清掃や清潔に対する意識改革が起きたのか、元から生ゴミはゴミ箱に捨てる主義だったのか、判断が分かれます。
 お前とは色々あった。達海さんが花やしきへのお出かけを覚えていたことに驚きましたが、わざわざ入場料を払ったのだと考えると、微笑ましい気持ちになります。キャプテンを外された上に、有料の花やしきを待ち合わせ場所に指定された村越さんは、腸が煮えくり返っていたかもしれませんし、「俺を●したいと思っても、解任されてからにするように」という達海さんの言葉は、村越さんの本心を言い当てていたようにも思えます。
 仕事に対する情熱はどこから来ているのか。
 情熱というキーワードは、有里ちゃんの仕事ぶりを評価する際にも使われていたと記憶しています。彼女の答えを突き詰めれば、達海さんと同じように、他者の可能性を信じる気持ちや、もっと大きな「人間への愛情」があるのかもしれません。
 最後は握手とハグで終わるから、相手を叩きのめしても許される……? 達海さんは愛の人ではあるけれども、博愛の人ではなさそうです。
 ルーキーの村越さんにとって、現役時代の達海選手は、優れたプレイヤーではあるものの、つかみどころのない人物だったと思います。十年の間に失望があり怒りがあり恨みがあり、激動の一シーズンを経て、村越さんは達海さんの本性や照れを見抜けるようになりました。それはつまり、村越さんにとっての達海猛が「理解できない人間」ではなくなった証だと思えます。
 ETUを出るにしても残るにしても、村越さんのフットボーラー人生は続くのですから、それがより良いものであることを願います。
 そして可能であれば、十数年後の指導者としての彼の姿も見てみたいです。

 時代が時代ですし、直正様なり他藩の偉い人なりが結婚相手を紹介するというのは十分にあり得るのですが、それでも江藤さんが妻帯者だったことに驚いています。
二十四号  天宮杯ベスト4に進出したのは、ETU、山形、大阪G、鹿島。準決勝で鹿島と当たるのは、達海監督や松原コーチだけではなく、読者にとっても予想通りですが、決勝のカードも気になります。
 椿君と赤崎君が世代別代表に招集されるきっかけとなったのは、ホーム大阪G戦です。無二の親友にしてライバルである窪田君との出会いも、椿君に与えた影響は大きいでしょう。
 椿君と窪田君の対決を見ることできませんが、大阪Gとの三度目の対決が達海猛のETU最後の試合になるのだとすれば、それは「GIANT KILLING」という物語のきれいな締めくくりになるのかもしれません。何年先になるのかは分かりませんが。
 アウェイ山形戦は、試合の内容よりも、ハーフタイム中に達海監督が溺●しそうになった出来事が脳裏に焼き付いています。有里ちゃんの行動は、令和の今ではパワハラに該当するのかもしれません。
 達海監督があいぱっど持ってる……! 二十年近い長期連載で著しく変化しているのは、達海監督の職場環境だと思います。相変わらず部屋は散らかっていますが、見えない部分では、多分ハイテク化が進んでいるのでしょう。
 これは達海監督の責任が大きいのですが、ETUの監督室は真剣な話に適した環境ではありません。かつて花やしきに出向いたように、村越さんと達海監督は浅草の町のどこかで、大事な話をするのでしょうか。

「これは鉄腕DASHで見たことのあるやつだ!」と、どこかの教材のような気持ちになりながら「さがドーン」を読みました。反射炉作れない責任を取って切腹を覚悟する技術者の皆さんが大変過ぎる……。
二十二・二十三号  ETU勝利。王子が緑川さんと抱き合っています。基本的に男性に触れられることを嫌っている彼ですが、勝利の喜びを表現するのは、やはりハグなのでしょうか。緑川さんは清潔感がある大人の男性なので、触れても平気なのでしょうか。アウォーズで椿君に「ご褒美のハグ」をしたことで、男性に触れることに慣れたのかもしれませんが、椿君が王子の中で「犬」カテゴリに入っている可能性は否定できません。
 達海監督が大変なことになっています。鹿賀コーチは監督の右膝にしがみ付いているのでしょうか。下半身が芝に触れてる ので、描かれていない部分で組み立て体操のようなことが起きているのかもしれません。
 仕事しろよ、お前は。達海さんは有里ちゃん相手には、常識的な社会人らしいセリフを口にする機会が多いような気がします。「練習中の選手に話しかけるなって言われてただろう」と言っていた現役時代のように、有里ちゃんにはきちんとした大人に見られたいのか、普段、生活態度や何やらで叱られているお返しがしたいのか、どちらなのでしょうか。
 それでも湯沢くんが抱きついてくるまで、達海監督が「重い」というワードを口にしなかったことは、足のピンチにもかかわらずよくやったと思います。
 後で怒られても俺関係ないからね。クラブの一体感を作った男のセリフとは思えない……。ゴール裏に掲げた横断幕の文言が問題になった話は聞いたことがありますが、ブーイングが問題になるというのは聞いたことがありません。PK戦ならばフラッグが妨害になることもあるのでしょうか。熟練のサポーターならば、大きい旗でも上手い具合に振ることができるものなのでしょうか。
 椿君の対人関係がチョロすぎて、心配になってきました。なぜ笛吹君のこの態度で「不良みたいな子だと思ってたけどめちゃくちゃカワイイ」になるのか分かりません。「ホンマはジーノのが欲しい」と言ってしまうところに、同担として好感を抱いたのでしょうか。
 セレジェイラ オーサカの「京ちゃんと愉快なチームメイト」が「坊ちゃんと執事」に例えられたとき、私は「笛吹くんが新喜劇的で言うところの「アホボン」(アホな坊ちゃん)で終わるか、大阪のヤンチャ坊主らしさを見せるか気になる」と書きました。個人的には「アホボン」の割合が強いように見えます。
 椿君とのマッチアップにあまりページが割かれなかったこともあり、ユニフォーム交換に至るまでの京ちゃんの心境は読み取れませんが、来シーズンの勝負を宣言するあたり、彼なりに椿君を認める要素があったのだと思います。
 京ちゃんの代わりにお礼とお詫びを言うセレジェイラ オーサカの選手たち。オバちゃんには、彼らの方が可愛らしいいい子に見えました。アスリートなので、飴ちゃんをあげることは難しいかもしれませんね。
二十一号  回想が始まりました。達海監督が現役時代に緑川さんにPKを止められた思い出は、単なる昔話ではなかったようです。
 あの日のように、緑川さんはボールを爪先で弾き飛ばしました。このようなシーンを見ると、GKは手足が長くて体が大きい人が適任なのだろうなと考えさせられます。
 ここからますますいいキーパーになる。達海さんの言葉は的中しましたが、緑川さんをいいキーパーに「した」功績の何%かは、達海監督にあると思います。PK外して偉そうにするなという松本さんのツッコミは正しすぎますが。
 ETU五人目のキッカーは王子。キッカーに立候補していた黒田さんは、六人目以降に回されていたのですね。
 延長戦に入った時点で、達海監督は夏木さんと堺さんを交代させ、王子をピッチに残しています。今になって考えれば、このカードを切った時、達海さんはPK戦の可能性を考えていたのかもしれません。
 こういうこと言っては失礼ですが、夏木さんは動いているボールをとんでもない角度からゴールに叩き込むのは得意ですが、PKの駆け引きは得意ではなさそうに思えます。
 当たり前のようにゴールを決める。その困難さを我々は知識として知っていますが、そのために額に汗して努力する姿を他人には見せないのが王子という人です。長い戦いでしたが、ETUが天宮杯ベスト4に進出しました。
 アウェイ大阪まで足を運んだETUのサポーターにとって、セレジェイラ オーサカ戦は「俺はあの時、あのスタジアムにいた……」と向こう十年は語り継げる試合だったと思います。今回、羽田さんやゴローさん、シゲちゃんなどのゴール裏の住人の姿が描かれているのですが、吉蔵さんたちおじいさんトリオが見当たりません。
 このPK戦では、たびたびおじいさんたちの健康に触れていましたが、回を追う毎にネタと本気の割合が変動して、後者が強くなってきました……。
二十号  緑川さんが止めました。
 世良君に「神かよ」などと言われていますが、ETUが勝利すれば、浅草に緑川さんの銅像が建つかもしれません。五人目のキッカーとして黒田さんが決めれば、黒田さん像が建立されることでしょう。試合の場において、祈る、拝む、ピンチを凌いだヒーローを神と讃えるという行為に、日本人の信仰が滲んでいるようにも感じられます。
 ETU四人目のキッカーは堺さん。PK戦でキッカーとキーパーが小競り合い(トラッシュ・トーク?)をするのはルール上認められているのでしょうか。審判に注意されそうなイメージがあるのですが、二人とも定位置についているので問題なしと思われたのかもしれません。
 ポジションは違いますが、椿君はこういった駆け引きは苦手そうです。外国人に日本語(それも関西弁)で強めのハッタリを決められれば、間違いなく彼は萎縮するでしょう。「どっちに蹴るか」と聞かれれば、正直に蹴る方角を答える姿が目に浮かびます。それを考えれば、このPK戦は五人で終えることが望ましいです。
 相手の逆、しかもサイドネットに蹴り込んで二対二。こういう「エグいコース」を狙えることが、ベテランの技量なのでしょう。もしかしたら、FWとGKには相性があって、堺さんは実力があって調子に乗っている系の選手(例:川崎の星野さん)には強いとか、そういう特徴があるのかもしれません。
 セレジェイラの五人目はセンターバックのエドソン。若いチームの殿を任されるということは、確実に決めてくれる安定感のある選手なのでしょうか。
 それはそうと、ゼーハー言ってる吉蔵さんに密かに死亡フラグが立ってないか不安が募ります。無事に家に帰れるか、ゴローさんたちが見守ってあげてください。
十八号  現役時代の達海さん、PKを一度緑川さんに止められていた。
 達海選手はPKには自信があったようですから、止められたことが記憶に残っていたのかもしれません。わざわざ「1回」と言っているあたり、二度目の失敗はなかったようです。
 それはそうと、達海さんの現役時代のエピソードがもっと見たいです。達海さんは功績をひけらかすタイプではありませんから、今回のように他者を賞賛する形で自分の失敗エピソードを語る形になることになるのかもしれませんし、後藤さんや笠野さんなど、現役時代を知る人の思い出という形になるのかもしれません。今、ちょうどいいタイミングで、ETUの監督になる前の達海さんを知っている人が日本にいますね。
 殿山君、外す。GKには相手の動きを読み、ボールに反応することが求められるものですが、プレッシャーをかけて相手のミスを呼ぶことも求められるようです。そういう意味だと、体格が良いとか、顔が厳ついとか、外見的な要素が関係するように思えますし、椿君の「PKが苦手」という自己評価にも頷ける気がします。
 プロでもPKを外すものだし、外したところで選手の評価は変わらない。俺たちにはまだ緑川がいる。挑戦した上での失敗をマイナス評価せず、仕事をする者に信頼を寄せる監督というのは、選手にとってとても良い指導者に思えます。
 有里ちゃん、顔が真っ赤です。今季のETUの躍進により、クラブの女性広報にも注目が集まったことでしょう。試合の動きが表情に出る彼女のあり方は、もしかしたら広報としては不適格だとか、やはり親のコネだとか、そんな非難を浴びたかもしれません。
 そんな苦しさは承知の上で、有里ちゃんは好きを仕事にしたのだと思うのです。
 フットボールは時にスリリングですが、PK戦は本当に心臓に悪いです。しかも十二月のナイトゲーム。吉蔵さんの「気」とか関係なしに、おじいちゃんたちの健康が心配になってきました……。
 セレジェイラ オーサカの三人目は二十五番の香山さん。途中出場。彼の蹴ったボールに届け、緑川さんの手!
十七号  ETU二人目のキッカーはガブリエル君。彼には世界各国のリーグを渡り歩くという夢があるそうです。彼のモノローグは珍しいですね。
 選手でも監督でも、世界中を渡り歩いて活躍するのは大変そうです。本業で結果を出すには、現地の暮らしに馴染むことが不可欠でしょう。そういう意味では、ガブリエル君や達海監督は異国の衣食住を苦労せずに受け入れられそうです。また、二人にはコミュ力が高いという共通点がありますから、現地の人々と仲良くなって、上手くやっていけそうな気がします。
 十九歳のガブリエル君をソンヒョンさんは「ガキ」呼ばわり。U-20の笛吹君と同世代ですからおかしくはありませんが、過去の感想を読み返したところ、二十一歳の赤崎君も笛吹君を「ガキ」呼ばわりしているので、このセリフからソンヒョンさんの年齢を推測することは困難です。
 ですがGKは(おそらく)経験が重視されるポジションです。ソンヒョンさんがガブリエル君のキックを止めました。キツい……。
 勢いに乗りたいセレジェイラ オーサカの三人目は十一番のウィルソンさん。京ちゃんが完全に賑やかし、お笑い番組の「ガヤ」ポジションになっています。この試合で若手対決が期待されていた椿君が、ガブリエル君にベンチコートを渡して慰めている姿とは対照的です。
 たとえ傷だらけでもそれを見せることなく、頼られる存在でいなければならないのがGK。緑川さんがかっこいいです。窮地でも笑みを浮かべることができる胆力は、湯沢くんや佐野くんにはありません。GKの来季の契約も気になりますが、彼ら二人には残された時間を使って、緑川さんから学んで欲しいものです。
 緑川さんがウィルソンさんを止めました。ETUに希望が残りましたが、PK戦は心臓に悪いです。
六十九巻  いつの間にか「シリーズ このだーれ?」なるコーナーが始まっています。U-22のホームカタール戦で窪田君と一緒に試合を見ていた男性は、大阪ガンナーズのフィジオセラピストだそうです。
 プロサッカークラブの事情は分かりませんが、選手の「東京に行きたい」とワガママ(でもありませんが)に、スタッフが付き添うものなのでしょうか。窪田君は二十歳の青年です。新幹線や飛行機に乗って一人で東京に行き、用事を済ませて大阪に帰ってこられるはずです。リハビリを始めたばかりの彼には、補助や介助をする人が必要だという考えから、フィジオセラピストの同行を認めたのだとすれば、大阪ガンナーズは窪田君の意思を尊重しているのだと感じました。日本代表に招集されたことが原因で、窪田君が怪我をしたことを思い返せば、「世代別だろうと何だろうと、代表と名の付くものには関わって欲しくない」とクラブが態度を硬化させる可能性もあったかもしれません。
 巻末のステッカー「ぱかぱかぱっか」が可愛い……!? 最近、子どものあいだで立体シールが流行していますから、ETUがどこかの企業とコラボしてパッカ君をグッズ化する可能性は十分にあります。
 相方は松原コーチ。パッカ君の荒々しい一面をフォローしてて、癒やしと和みを振りまいてくれる人選です。クラブ関係者(人間)をもキャラクター化するあたりに、かつて黒田さんをこけしにしたり、ミスターETUをロボにした有里ちゃんの匂いを感じます。やはり今回のグッズ化もまた、仕事に打ち込むことで達海監督退任のショックを振り払おうとした彼女の仕業なのでしょうか。
十六号  モーニングの表紙はジャイキリ。有里ちゃんが胸の前で両手を組むという漫画のヒロインのようなポーズをとっています。
 彼女は物語の主要なキャラクターの一人ではありますが、ヒロインなのかと問われると彼女をひいきしている私でも、「はい」とは答えがたいです。それに、かっこいいイケメンに顔を赤らめる椿君のほうが乙女力(おとめぢから)が高いような気がします。モーニングの表紙にはいるものの、PK戦は六番目以降と明言されている椿君こそが、この物語のヒロイン兼ヒーローなのかもしれません。
 PK戦のヒーローはGKです。緑川さんがモーニングの表紙を飾るのは当然の流れですし、PKを前にすれば、サポーターは老若男女問わず両手を組んで祈るものです。
 セレジェイラ オーサカ最初のキッカーは十番の松野さん。かつて彼に課された「小生意気な笛吹をどうにかしろ」という困難に比べれば、キャプテンとしてPK戦の一番手を務めることも苦にはならないのかもしれません。
 京ちゃんは「まあまあ」と辛口評価。セレジェイラ オーサカ戦は、彼と椿君の若手対決がメインとなるのかと予想していましたが、後半に入って湯沢くんが退場したあたりから話の流れが変わったように思えます。
 言葉は悪いですが、この試合限りのキャラクターと長期連載の初期から登場しているチームの主要メンバーの復活&見せ場と、どちらに読者の需要があるかを考えた結果のストーリー変更なのかもしれません。
 それはそれとして、セレジェイラ オーサカの描かれなかった物語には興味があるので、単行本のおまけページに京ちゃんと優しいチームメイトのエピソードが描かれたらいいなあとは思います。  メモ:六十九巻は週明け二十三日発売。
十五号  このPK戦はある意味、日韓を代表するキーパー対決。
 決勝戦で韓国と戦うと思わせておいて、オーストラリアに負けたアジア杯を思い出しました。このPK戦は、あの時描かれなかった、あるいは描けなかった「日韓対決」の再現なのかもしれません。
 キッカーに立候補したのは赤崎君、ガブ君、黒田さん。椿君はやや遅れて手を挙げましたが、自信のなさを達海監督に見抜かれてました。
 コイントスの結果、PK戦はアウェイゴール側で行なわれることになりました。羽田さん達がサポーターを盛り立てる姿を見て、浦和レッズのアジア杯を連想しました。決着をつけるためだけの別競技とまで言われましたが、十二人目の選手であるサポーターの力が問われるのも、PK戦なのかもしれません。
 PKなんて遊び。メンタルの強さに定評があった達海さんは、PKも「楽しんで」いたようです。ETU時代にも、PK戦にもつれこむことがあったのでしょうか。後藤選手は一人目か二人目のキッカーで、PKを外してそうなイメージがあります。
 緑川さんがかっこいい……! PK戦の主役がキーパーだというならば、緑川さんにスポットライトが当たるのは当然のように思えます。もしかしたら、緑川さんの試合復帰は、PK戦はセットで描く構想があり、そのタイミングが天宮杯だったのかもしれません。
十三号  ミゲル氏とのコネ、達海さんにジャンプさせて得たわけじゃなかったのか……。
 後藤さんがスペインに足を運んでいたことは秘密でも何でもなかったので、達海さんなら感づいてそうですが、ミゲル氏とマメに連絡を取っていたようには見えないので、「スペイン=ミゲル氏の故郷」という連想は働かないのかもしれません。
 代理人という職業柄、リチャードは達海さんの関係者とマメに連絡を取ってそうですから、有里ちゃんがありったけのコネクションを吐き出させて、ミゲル氏の住所をゲットした可能性はあります。
 達海さんと後藤GM、笠野さんの三人が、監督室でお酒を飲む機会があったことに驚いています。仕事の環境がアップデートされても、相変わらず部屋が散らかっている様子。ETUを去る前に、きちんと部屋を片付けて欲しいものですが、達海さんが部屋をきれいに掃除するようなことがあれば、「達海さんは本当にETUを去ってしまうんだ……」という気分になるかもしれません。
 図々しい野心家。ミゲル氏はETUに良い感触を持ったようです。「世界中の何人もの名監督が師と仰いでいる」「戦術やアイデアは面白い」「徐々に失速して解任に至るトップレベルでは勝てない監督」という評価を総合すると、ヨーロッパのビッグクラブでタイトルを得たような華々しい功績はなさそうに見えます。
 延長戦はタイムアップとなり、PK戦に突入。笛吹君は交代していたようです。意外にも、椿君との直接対決はありませんでした。分かりやすく実在の選手をモデルにすると、作中での扱いが難しいのかもしれません。
 セレジェイラ オーサカ戦がどのような結末を迎えるのかは分かりませんが、ETUの後任候補となる人物に、十人で戦って二点差を追いつき、PK戦に持ち込むという劇的な展開を見せることができたという意味では、ETUにとって大事な試合だったと言えるのかもしれません。
十二号  黒田さんへの信仰が急上昇。このままETUが逆転勝ちをおさめれば、黒田地蔵の建立も夢ではありません。公式グッズの黒田こけしがにわかに注目されて、公式オンラインショップのサーバーが大変なことになる未来が見えました。
 相手の裏をかけ。頭を使え。なぜこの指示が「ケッ、お前バカなんだから頭なんか使うな」になってしまったのでしょうか。やはり達海監督の普段の言動が原因でしょうか。まあ、黒田さんがそう感じただけですし、結果的にETUのゴールにつながったのですから、ハラスメントなどの問題にはならないはず、です。
 試合は延長戦に突入。さすがに夏木さんはバテているので、堺さんと交代するようです。延長戦用の交代枠があって良かった……!
 この時期はETUが敗退してオフだったので、王子の体はバカンスモード。そういえば、彼がアウォーズでサプライズ登場したのも、バカンス名目で世間の目を欺いていたからでした。「バカンス」という言葉からして、温暖な地域でのんびり過ごしているイメージがあります。十二月の大阪のナイトゲームとなると、例年とは違いすぎて体が付いていけないのは当然な気がします。ですがバカンスに入っていたということは、ETUとの契約は更新していたということなのでしょうか? 本人はのんびりしつつ、代理人に交渉を任せていた可能性もありますが。
 代理人と言えば、香田さんも大阪に来ていました。「面白くて厄介な人を再びETUに連れてきましたね後藤GM」というモノローグから察するに、ミゲル・ロレンテ氏は「面白くて厄介な人」で、達海監督とは似たもの師弟のようです。
 後藤さん個人に、ミゲル氏とのコネクションがあるようには見えませんから、達海監督の伝手を頼って連絡を取ったのだと考えるのが妥当なのでしょう。メールやSNSの発達で、遠い場所にいる人とも連絡は取りやすくなりましたが、達海監督のの対人関係を考えると、師匠や同門相手とはいえ、自分が去るクラブのGMを紹介できるほどのコミュニケーションを取っていたとも思えません。実は有里ちゃんがリチャードをジャンプさせて、ありったけのコネクションを吐き出させたのでしょうか。
十一号  アディショナルタイムは十二分。現実のサッカー界ではVARが導入されてから、アディショナルタイムも長くなりましたが、ジャイキリ世界にVARは導入されているのでしょうか? 登場人物がスマホを使いこなしていますし、達海監督の仕事環境もハイテク化が進んでいますから、いつの間にかVARも導入されていても不思議ではありません。
 優勝したクラブ以外は誰の記憶にも残らない。でも、自分はETUのことを忘れないと思う。
 久堂さんの発言通りならば、ETUは記録よりも記憶に残るクラブになったということでしょう。ユニフォームに星が刻まれても、時間が経てばそれは忘れられるだけではなく、過去の栄光という「呪い」に成り果てる可能性もなります。
 今回、ETUのクロスの話が出てきたのは、黒田さんがクロスを上げずに直接シュートをたたき込むという展開への前振りだったのでしょうか。ソンヒョンさんが「高さならウチに分がある」と言っていますから、セレジェイラ オーサカの選手は若くて背が高いイケメン揃いということなのでしょう。
 現行のルールでは、サッカーの延長戦には、延長戦用の交代枠があります。延長戦で選手の交代はあるのでしょうか。個人的には、バテ気味でも動けていた夏木さんが気になります。
十号  八十五分経過。残り時間はアディショナルを含めて十分ぐらい。このまま逃げ切ればセレジェイラ オーサカの勝ちですが、当然ながらETUもリスクを冒して攻めていきます。
 ETUのアホどもめ。京ちゃんの口が悪いです。彼は関西の子なので、「アホ」文化に属しているのは解釈が一致しています。江戸っ子の有里ちゃんは「達海さんのバカ」ですが、彼女の場合は彼女なりの「I love you.」ではないかという気もします。
 十人で戦っているETUの選手は疲れていますが、ミゲル氏は「攻める戦術を挑戦のように受け止めている」と好意的です。やはりETUの次期監督候補は、この人なのでしょうか。
 椿君のヘッドでまず一点。椿君が頭で決めるのは珍しい気がします。このままETUが同点に追いつけば、延長戦に突入するのでしょうが、十二月の大阪の夜ということで、やはり現地の寒さが気になります。在来線は終電はあると思いますが、飛行機や新幹線で帰る人には、帰りの交通機関に間に合うかという悩みも発生するかもしれません。
七号  丹波さんと村越さんに代わって、赤崎君と椿君がピッチへ。ETUは、残り三十分で最低でも二点取らなければシーズンが終わってしまいます。そんな状態で「達海さんのチームだもん。奇跡のひとつやふたつくらい起こしてくれなきゃ困る」と言い切る有里ちゃんは、呼吸をするように自然に、ETUというクラブを信じているのだと思いました。信頼しているからこそ、奇跡だって要求できるのでしょうね。
 椿君に対して、セレジェイラ オーサカは五番の沖選手をマークにつけました。追い込まれた状況で全体のパスの正確性が上がるというのは、何が起きた結果なのでしょうか。ETUでは、王子がパスの精度に定評がある選手として描かれており、例えば彼が投入されることでパスの精度が上がるのは理解できます。赤崎君と椿君が優れた選手であることは間違いありませんが、ゲームのパラメータのように、チーム全体のパスが良くなるのはどうことなのか、ちょっと分かりません。
 ミスをした自分を、多くの人々が助けてくれたように、自分もミスをした仲間を助けられる選手になりたい。椿君のアウォーズのスピーチを思い出しました。「GIANT KILLING」という物語で描くことが可能な試合は残り少なく、そこで椿君の成長を描くには「仲間のミス」が必要で、そのために湯沢君は退場になったのだろうかと考えます。
 久しぶりに後藤GMが登場。彼が連れてきたのは、達海さんの代理人リチャードさんと、達海さんの師匠ミゲル氏でした。リチャードさんが、ミゲル氏の代理人も担当しているのでしょうか?
 わざわざスペインから連れてきたということは、今のところミゲルさんがETUの次期監督に近いのでしょうか。磐田の倉茂監督のような「クセのある老人」っぽさを感じます。
 現在、明かされているキャリアを考えれば、ミゲル氏はETUの達海監督路線を引き継げる人物だと思うのですが、高齢のスペイン人が日本の生活や気候に馴染めるのか、健康問題も気がかりです。
六号  モーニングの表紙に達海監督。セレジェイラ オーサカ戦に入ったあたりから休載が多発したのは、単行本作業やモーニングの表紙のためのスケジュール調整だったのかもしれません。
 試合でテンションが上がったと思われる達海さんのギラギラした眼差しに、かつて椿君を見ていた持田さんを思い出します。果たしてこの顔でモーニングの表紙を飾って良かったのでしょうか……?
 まずは俺を讃えるのが筋と違うんかー!! 拗ね笛吹君が微笑ましいです。態度が大きく年長者に対する礼儀がなっていませんが、言うだけの結果を叩き出すのから、チームメイトやサポーターから「憎めない末っ子」扱いされているのだと思います。彼に関しては「天才・笛吹京太朗はスゴい」というよりも、「笛吹君のような個性を伸ばせるセレジェイラ オーサカ はスゴい」という気持ちになります。
 先制して盛り上がるセレジェイラ オーサカとは対照的に、ETUのゴール裏は静まりかえります。モーニングの表紙にも書かれていたように「負けたら、全部終わり。」なのが、カップ戦の辛いところです。
 ETUが椿君と赤崎君を同時投入する前にセレジェイラ オーサカに追加点。これは両チームのサポーターも「ETU終わったな」と思うか「二対〇は危険なスコア」と思うか、判断に迷います。世の中には、プレーオフで三対〇から逆転勝ちしたクラブがありますからね。
 負けたら終わりの天宮杯。選手は十人で二点差。この時のETUと達海の心境を考えなさい。
 椿君と赤崎君がピッチに入る前にセレジェイラ オーサカに追加点が入りましたが、二人に諦めはありません。最後のページの達海監督は、闘志むき出しというよりも「悪い顔」に見えます。
 天宮杯は負けたら終わりなのですが、達海監督のこの顔を見れば、何だか大丈夫に思えてきました。
四・五号  湯沢くん、レッドカードで退場。PKになるのかと思いましたが、セレジェイラ オーサカに与えられたのはFKでした。
 湯沢くんなりに重圧があったのではないかと藤澤さんが分析しています。去年の五十一号で静かに闘志を見せていたシーンが、退場フラグだとは思いませんでした。
 ETUは十人で戦うことになり、世良君に代わって緑川さんがピッチへ。フィールドプレイヤーがゴールを守ることにならなくて良かったです。
 緑川さんは何年ぶりの試合になるのでしょうか。彼の長期離脱は、Jクラブのチームドクターの診断の結果だったと、ツジトモ先生のインタビューか何かで見た記憶があります。新規のモーニング読者には、緑川さんが試合に出ているシーンを初めて見たという人もいるかもしれません。ETUに「次の試合」があるとしても、レッドカードをもらった湯沢君は出場できないでしょうから、緑川さんがゴールを守り続けることになるのでしょうか。
 俺のお手本、よう見とき。FKを決められなかった本多君(ホンちゃん)に対して、笛吹君は相変わらず偉そうです。
 それでも狙ったところにボールを送り、セレジェイラ オーサカの先制ゴールに繋げるからこそ、小生意気な言動が許されているのだと思います。
 来年は椿君と笛吹君の対決が見られるのでしょうか。
一号  モーニングの表紙は椿君と赤崎君。二人がセレジェイラ オーサカ戦の「切り札」になるということは、ETUのピンチを意味しています。試合の流れが変わり、後半はETUが守る展開となりました。
 監督めっちゃ見てるよ。シモン監督はこの一年、笛吹君の言動を間近で見てきたのかと思うと、若者の成長を手助けすることの大変さが身にしみます。
 黒田さんの「クソ生意気なガキ」認定いただきました。彼はゴール裏に近い場所にいますから、サポーターを煽る笛吹君にはイラついていることでしょう。成人している亀井君が「俺達は大人だ」と言うのは何も間違っていないのですが、二十二歳という年齢を考えると、笛吹君たちとはそれほど年齢差はないな……という気になります。
 笛吹君の生意気さを正せ。セレジェイラ オーサカの十番には、困難な課題が与えられているようです。チームのキャプテンが背負うには重すぎる……! セレジェイラ オーサカのキャプテンは笛吹君がチームにもたらす影響を評価しているようです。「京ちゃん」ではなく「笛吹」と呼んでいることから、若手と呼ばれる年代ではなければ、セレジェイラ オーサカ下部組織の出身でもないのだろうかなどと考えてしまいます。
 ETUのゴールマウスを任されたプライド。湯沢君のそれはプレーに現れました。ボールではなく、笛吹君の足を蹴ったように見えます。ガブリエル君がサンチェスさんを止めたときには笛が吹かれなかったので、次こそは笛が吹かれることになるかもしれません。


GIANT KILLINGのコーナーに戻る