2026年モーニング感想部屋


十六号  モーニングの表紙はジャイキリ。有里ちゃんが胸の前で両手を組むという漫画のヒロインのようなポーズをとっています。
 彼女は物語の主要なキャラクターの一人ではありますが、ヒロインなのかと問われると彼女をひいきしている私でも、「はい」とは答えがたいです。それに、かっこいいイケメンに顔を赤らめる椿君のほうが乙女力(おとめぢから)が高いような気がします。モーニングの表紙にはいるものの、PK戦は六番目以降と明言されている椿君こそが、この物語のヒロイン兼ヒーローなのかもしれません。
 PK戦のヒーローはGKです。緑川さんがモーニングの表紙を飾るのは当然の流れですし、PKを前にすれば、サポーターは老若男女問わず両手を組んで祈るものです。
 セレジェイラ オーサカ最初のキッカーは十番の松野さん。かつて彼に課された「小生意気な笛吹をどうにかしろ」という困難に比べれば、キャプテンとしてPK戦の一番手を務めることも苦にはならないのかもしれません。
 京ちゃんは「まあまあ」と辛口評価。セレジェイラ オーサカ戦は、彼と椿君の若手対決がメインとなるのかと予想していましたが、後半に入って湯沢くんが退場したあたりから話の流れが変わったように思えます。
 言葉は悪いですが、この試合限りのキャラクターと長期連載の初期から登場しているチームの主要メンバーの復活&見せ場と、どちらに読者の需要があるかを考えた結果のストーリー変更なのかもしれません。
 それはそれとして、セレジェイラ オーサカの描かれなかった物語には興味があるので、単行本のおまけページに京ちゃんと優しいチームメイトのエピソードが描かれたらいいなあとは思います。  メモ:六十九巻は週明け二十三日発売。
十五号  このPK戦はある意味、日韓を代表するキーパー対決。
 決勝戦で韓国と戦うと思わせておいて、オーストラリアに負けたアジア杯を思い出しました。このPK戦は、あの時描かれなかった、あるいは描けなかった「日韓対決」の再現なのかもしれません。
 キッカーに立候補したのは赤崎君、ガブ君、黒田さん。椿君はやや遅れて手を挙げましたが、自信のなさを達海監督に見抜かれてました。
 コイントスの結果、PK戦はアウェイゴール側で行なわれることになりました。羽田さん達がサポーターを盛り立てる姿を見て、浦和レッズのアジア杯を連想しました。決着をつけるためだけの別競技とまで言われましたが、十二人目の選手であるサポーターの力が問われるのも、PK戦なのかもしれません。
 PKなんて遊び。メンタルの強さに定評があった達海さんは、PKも「楽しんで」いたようです。ETU時代にも、PK戦にもつれこむことがあったのでしょうか。後藤選手は一人目か二人目のキッカーで、PKを外してそうなイメージがあります。
 緑川さんがかっこいい……! PK戦の主役がキーパーだというならば、緑川さんにスポットライトが当たるのは当然のように思えます。もしかしたら、緑川さんの試合復帰は、PK戦はセットで描く構想があり、そのタイミングが天宮杯だったのかもしれません。
十三号  ミゲル氏とのコネ、達海さんにジャンプさせて得たわけじゃなかったのか……。
 後藤さんがスペインに足を運んでいたことは秘密でも何でもなかったので、達海さんなら感づいてそうですが、ミゲル氏とマメに連絡を取っていたようには見えないので、「スペイン=ミゲル氏の故郷」という連想は働かないのかもしれません。
 代理人という職業柄、リチャードは達海さんの関係者とマメに連絡を取ってそうですから、有里ちゃんがありったけのコネクションを吐き出させて、ミゲル氏の住所をゲットした可能性はあります。
 達海さんと後藤GM、笠野さんの三人が、監督室でお酒を飲む機会があったことに驚いています。仕事の環境がアップデートされても、相変わらず部屋が散らかっている様子。ETUを去る前に、きちんと部屋を片付けて欲しいものですが、達海さんが部屋をきれいに掃除するようなことがあれば、「達海さんは本当にETUを去ってしまうんだ……」という気分になるかもしれません。
 図々しい野心家。ミゲル氏はETUに良い感触を持ったようです。「世界中の何人もの名監督が師と仰いでいる」「戦術やアイデアは面白い」「徐々に失速して解任に至るトップレベルでは勝てない監督」という評価を総合すると、ヨーロッパのビッグクラブでタイトルを得たような華々しい功績はなさそうに見えます。
 延長戦はタイムアップとなり、PK戦に突入。笛吹君は交代していたようです。意外にも、椿君との直接対決はありませんでした。分かりやすく実在の選手をモデルにすると、作中での扱いが難しいのかもしれません。
 セレジェイラ オーサカ戦がどのような結末を迎えるのかは分かりませんが、ETUの後任候補となる人物に、十人で戦って二点差を追いつき、PK戦に持ち込むという劇的な展開を見せることができたという意味では、ETUにとって大事な試合だったと言えるのかもしれません。
十二号  黒田さんへの信仰が急上昇。このままETUが逆転勝ちをおさめれば、黒田地蔵の建立も夢ではありません。公式グッズの黒田こけしがにわかに注目されて、公式オンラインショップのサーバーが大変なことになる未来が見えました。
 相手の裏をかけ。頭を使え。なぜこの指示が「ケッ、お前バカなんだから頭なんか使うな」になってしまったのでしょうか。やはり達海監督の普段の言動が原因でしょうか。まあ、黒田さんがそう感じただけですし、結果的にETUのゴールにつながったのですから、ハラスメントなどの問題にはならないはず、です。
 試合は延長戦に突入。さすがに夏木さんはバテているので、堺さんと交代するようです。延長戦用の交代枠があって良かった……!
 この時期はETUが敗退してオフだったので、王子の体はバカンスモード。そういえば、彼がアウォーズでサプライズ登場したのも、バカンス名目で世間の目を欺いていたからでした。「バカンス」という言葉からして、温暖な地域でのんびり過ごしているイメージがあります。十二月の大阪のナイトゲームとなると、例年とは違いすぎて体が付いていけないのは当然な気がします。ですがバカンスに入っていたということは、ETUとの契約は更新していたということなのでしょうか? 本人はのんびりしつつ、代理人に交渉を任せていた可能性もありますが。
 代理人と言えば、香田さんも大阪に来ていました。「面白くて厄介な人を再びETUに連れてきましたね後藤GM」というモノローグから察するに、ミゲル・ロレンテ氏は「面白くて厄介な人」で、達海監督とは似たもの師弟のようです。
 後藤さん個人に、ミゲル氏とのコネクションがあるようには見えませんから、達海監督の伝手を頼って連絡を取ったのだと考えるのが妥当なのでしょう。メールやSNSの発達で、遠い場所にいる人とも連絡は取りやすくなりましたが、達海監督のの対人関係を考えると、師匠や同門相手とはいえ、自分が去るクラブのGMを紹介できるほどのコミュニケーションを取っていたとも思えません。実は有里ちゃんがリチャードをジャンプさせて、ありったけのコネクションを吐き出させたのでしょうか。
十一号  アディショナルタイムは十二分。現実のサッカー界ではVARが導入されてから、アディショナルタイムも長くなりましたが、ジャイキリ世界にVARは導入されているのでしょうか? 登場人物がスマホを使いこなしていますし、達海監督の仕事環境もハイテク化が進んでいますから、いつの間にかVARも導入されていても不思議ではありません。
 優勝したクラブ以外は誰の記憶にも残らない。でも、自分はETUのことを忘れないと思う。
 久堂さんの発言通りならば、ETUは記録よりも記憶に残るクラブになったということでしょう。ユニフォームに星が刻まれても、時間が経てばそれは忘れられるだけではなく、過去の栄光という「呪い」に成り果てる可能性もなります。
 今回、ETUのクロスの話が出てきたのは、黒田さんがクロスを上げずに直接シュートをたたき込むという展開への前振りだったのでしょうか。ソンヒョンさんが「高さならウチに分がある」と言っていますから、セレジェイラ オーサカの選手は若くて背が高いイケメン揃いということなのでしょう。
 現行のルールでは、サッカーの延長戦には、延長戦用の交代枠があります。延長戦で選手の交代はあるのでしょうか。個人的には、バテ気味でも動けていた夏木さんが気になります。
十号  八十五分経過。残り時間はアディショナルを含めて十分ぐらい。このまま逃げ切ればセレジェイラ オーサカの勝ちですが、当然ながらETUもリスクを冒して攻めていきます。
 ETUのアホどもめ。京ちゃんの口が悪いです。彼は関西の子なので、「アホ」文化に属しているのは解釈が一致しています。江戸っ子の有里ちゃんは「達海さんのバカ」ですが、彼女の場合は彼女なりの「I love you.」ではないかという気もします。
 十人で戦っているETUの選手は疲れていますが、ミゲル氏は「攻める戦術を挑戦のように受け止めている」と好意的です。やはりETUの次期監督候補は、この人なのでしょうか。
 椿君のヘッドでまず一点。椿君が頭で決めるのは珍しい気がします。このままETUが同点に追いつけば、延長戦に突入するのでしょうが、十二月の大阪の夜ということで、やはり現地の寒さが気になります。在来線は終電はあると思いますが、飛行機や新幹線で帰る人には、帰りの交通機関に間に合うかという悩みも発生するかもしれません。
七号  丹波さんと村越さんに代わって、赤崎君と椿君がピッチへ。ETUは、残り三十分で最低でも二点取らなければシーズンが終わってしまいます。そんな状態で「達海さんのチームだもん。奇跡のひとつやふたつくらい起こしてくれなきゃ困る」と言い切る有里ちゃんは、呼吸をするように自然に、ETUというクラブを信じているのだと思いました。信頼しているからこそ、奇跡だって要求できるのでしょうね。
 椿君に対して、セレジェイラ オーサカは五番の沖選手をマークにつけました。追い込まれた状況で全体のパスの正確性が上がるというのは、何が起きた結果なのでしょうか。ETUでは、王子がパスの精度に定評がある選手として描かれており、例えば彼が投入されることでパスの精度が上がるのは理解できます。赤崎君と椿君が優れた選手であることは間違いありませんが、ゲームのパラメータのように、チーム全体のパスが良くなるのはどうことなのか、ちょっと分かりません。
 ミスをした自分を、多くの人々が助けてくれたように、自分もミスをした仲間を助けられる選手になりたい。椿君のアウォーズのスピーチを思い出しました。「GIANT KILLING」という物語で描くことが可能な試合は残り少なく、そこで椿君の成長を描くには「仲間のミス」が必要で、そのために湯沢君は退場になったのだろうかと考えます。
 久しぶりに後藤GMが登場。彼が連れてきたのは、達海さんの代理人リチャードさんと、達海さんの師匠ミゲル氏でした。リチャードさんが、ミゲル氏の代理人も担当しているのでしょうか?
 わざわざスペインから連れてきたということは、今のところミゲルさんがETUの次期監督に近いのでしょうか。磐田の倉茂監督のような「クセのある老人」っぽさを感じます。
 現在、明かされているキャリアを考えれば、ミゲル氏はETUの達海監督路線を引き継げる人物だと思うのですが、高齢のスペイン人が日本の生活や気候に馴染めるのか、健康問題も気がかりです。
六号  モーニングの表紙に達海監督。セレジェイラ オーサカ戦に入ったあたりから休載が多発したのは、単行本作業やモーニングの表紙のためのスケジュール調整だったのかもしれません。
 試合でテンションが上がったと思われる達海さんのギラギラした眼差しに、かつて椿君を見ていた持田さんを思い出します。果たしてこの顔でモーニングの表紙を飾って良かったのでしょうか……?
 まずは俺を讃えるのが筋と違うんかー!! 拗ね笛吹君が微笑ましいです。態度が大きく年長者に対する礼儀がなっていませんが、言うだけの結果を叩き出すのから、チームメイトやサポーターから「憎めない末っ子」扱いされているのだと思います。彼に関しては「天才・笛吹京太朗はスゴい」というよりも、「笛吹君のような個性を伸ばせるセレジェイラ オーサカ はスゴい」という気持ちになります。
 先制して盛り上がるセレジェイラ オーサカとは対照的に、ETUのゴール裏は静まりかえります。モーニングの表紙にも書かれていたように「負けたら、全部終わり。」なのが、カップ戦の辛いところです。
 ETUが椿君と赤崎君を同時投入する前にセレジェイラ オーサカに追加点。これは両チームのサポーターも「ETU終わったな」と思うか「二対〇は危険なスコア」と思うか、判断に迷います。世の中には、プレーオフで三対〇から逆転勝ちしたクラブがありますからね。
 負けたら終わりの天宮杯。選手は十人で二点差。この時のETUと達海の心境を考えなさい。
 椿君と赤崎君がピッチに入る前にセレジェイラ オーサカに追加点が入りましたが、二人に諦めはありません。最後のページの達海監督は、闘志むき出しというよりも「悪い顔」に見えます。
 天宮杯は負けたら終わりなのですが、達海監督のこの顔を見れば、何だか大丈夫に思えてきました。
四・五号  湯沢くん、レッドカードで退場。PKになるのかと思いましたが、セレジェイラ オーサカに与えられたのはFKでした。
 湯沢くんなりに重圧があったのではないかと藤澤さんが分析しています。去年の五十一号で静かに闘志を見せていたシーンが、退場フラグだとは思いませんでした。
 ETUは十人で戦うことになり、世良君に代わって緑川さんがピッチへ。フィールドプレイヤーがゴールを守ることにならなくて良かったです。
 緑川さんは何年ぶりの試合になるのでしょうか。彼の長期離脱は、Jクラブのチームドクターの診断の結果だったと、ツジトモ先生のインタビューか何かで見た記憶があります。新規のモーニング読者には、緑川さんが試合に出ているシーンを初めて見たという人もいるかもしれません。ETUに「次の試合」があるとしても、レッドカードをもらった湯沢君は出場できないでしょうから、緑川さんがゴールを守り続けることになるのでしょうか。
 俺のお手本、よう見とき。FKを決められなかった本多君(ホンちゃん)に対して、笛吹君は相変わらず偉そうです。
 それでも狙ったところにボールを送り、セレジェイラ オーサカの先制ゴールに繋げるからこそ、小生意気な言動が許されているのだと思います。
 来年は椿君と笛吹君の対決が見られるのでしょうか。
一号  モーニングの表紙は椿君と赤崎君。二人がセレジェイラ オーサカ戦の「切り札」になるということは、ETUのピンチを意味しています。試合の流れが変わり、後半はETUが守る展開となりました。
 監督めっちゃ見てるよ。シモン監督はこの一年、笛吹君の言動を間近で見てきたのかと思うと、若者の成長を手助けすることの大変さが身にしみます。
 黒田さんの「クソ生意気なガキ」認定いただきました。彼はゴール裏に近い場所にいますから、サポーターを煽る笛吹君にはイラついていることでしょう。成人している亀井君が「俺達は大人だ」と言うのは何も間違っていないのですが、二十二歳という年齢を考えると、笛吹君たちとはそれほど年齢差はないな……という気になります。
 笛吹君の生意気さを正せ。セレジェイラ オーサカの十番には、困難な課題が与えられているようです。チームのキャプテンが背負うには重すぎる……! セレジェイラ オーサカのキャプテンは笛吹君がチームにもたらす影響を評価しているようです。「京ちゃん」ではなく「笛吹」と呼んでいることから、若手と呼ばれる年代ではなければ、セレジェイラ オーサカ下部組織の出身でもないのだろうかなどと考えてしまいます。
 ETUのゴールマウスを任されたプライド。湯沢君のそれはプレーに現れました。ボールではなく、笛吹君の足を蹴ったように見えます。ガブリエル君がサンチェスさんを止めたときには笛が吹かれなかったので、次こそは笛が吹かれることになるかもしれません。


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