黄檗山境内の樹木、植物 |
この頁では、黄檗山萬福寺境内にある様々な樹木、植物を紹介します。 これらの植物は、みな寛文元年の創建時造成以降に持ち込まれたばかりの植物です。 【凡例】 ○ 樹木(植物)名、科目、所在場所、特記事項の順で紹介。 |
旱蓮木(カンレンボク。別名「喜樹」) 中国南部原産の落葉高木。 ミズキ科 カンレンボク属 大正時代に渡来し、繁殖力が旺盛なことから国内各地で見られる。 丈夫で育て易く、一つの果実の中にたくさんの種ができ、中国では子孫繁栄につながる縁起の良い木「喜樹」として大切にされた。 8~9月にタンポポが種を付けたときのような花が咲き、10月頃にバナナに似た実を付ける。 開山堂近くの中和井庭園一角廊下沿いに一本だけある。 山内には牧野富太郎博士が移植された中国伝来の樹木が伝えられていてこれもその内の一本かも。 |
黄檗 (キハダ) 黄檗山萬福寺山号由来の樹。 ミカン科。 落葉高木樹で雌雄異種。 黄蘗、黄檗、黄膚、蘗などといろいろに書かれるがいずれも「きはだ」と読む。 天王殿前廊下を右に進んだ聯燈堂前にある。 (有聲軒前竜宮門の手前)元あった樹は枯死したため、現在は二代目。 〔注〕初代黄檗樹写真は、黄檗文華115号口絵写真を参照されたい。 |
金銘竹(キンメイチク) マダケの変種。 姿はマダケながら稈は黄色でみどりの条が入り観賞用に最適。 東方丈中庭、中和井庭園、黄龍閣西側等。 宗祖将来。 古典落語の演目としてよく知られている。 |
香椿(チャンチン) 鼓楼下、新廊下を塔銘(道業碑)に向かって進んだ右側。 センダン科落葉高木で10mにも成長。 繁殖力旺盛。 新芽は天ぷら、炒め物になる。 宗祖将来と伝える。 |
菩提樹(ボダイジュ) 三門から天王殿に向かう参道中程左側の鎮守社殿横。 宗祖将来と伝える。 |
布袋竹 (ホテイチク) イネ科マダケ属。直径は2~5cm、高さは5~12mと一般の竹より小ぶり。 稈の基部から枝下あたりまでの節が、さながら布袋和尚の腹を連想させるような形が連なる。 齋堂裏大庫裡勝手口横(東林院前) 拄杖にもってこいで、禅僧に人気がある。 |
木犀(モクセイ) モクセイ科モクセイ属常緑小木樹。 中国での一般名は、桂花。キンモクセイは丹桂、ギンモクセイは銀桂。 黄檗山内の木犀は、ほとんど対にして植えられている。 大雄宝殿前(丹桂一対)。五雲居前。萬寿院前。宝蔵院前。 創建当時の絵図には大殿前ばかりか、裏側にも植えられていた絵が書かれている。 岡山県津山市本光寺本堂前の双桂樹(銀桂)は300年以上の見事なものである。 〔注〕関連資料 『黄檗文華』第115号口絵並びに本文「月と桂」を参照されたい。 |
孟宗竹(モウソウチク) イネ科マダケ属。 総門(漢門)を入ってすぐ左側土塀の中の隠元薮内。 宗祖他、唐僧が食用に将来したと伝える。 |