北近江の山城の多くは熊の生息域であり、山中で熊と遭遇する可能性は大いに有ります。近年は餌を求めて麓の集落まで下り、人家に危害を加える事も多くなってきてるくらいですから、その背後の山には間違いなく熊が徘徊しているわけです。

熊の恐怖におびえながらながらも、山城の魅力に引かれて危険を承知で山に入るのですから、あとはいかに熊との遭遇を避けるか!しか有りません。

 私はこれまでは幸いにして”熊と遭遇”した事はありませんが、至近距離で鹿と出くわしたり、熊らしき気配を感じたことはあります。そんな時は恐怖のあまり城攻めどころでは有りません、あえて危険な山に入った事を後悔してやみません。

 もしも本当の熊に出くわしたら、逃げることすらできずに腰を抜かして熊の餌食になってしまうのが実態ではないでしょうか?(^^;

そうならないためにも以下の事を参考に、熊を避ける方法を取って下さい。

 

熊は自分から人間を襲うことは先ず有りません。突然人間に出くわしたか、熊の警戒域に入り込みすぎた場合に、応戦やいかくの意味で攻撃して来るのです。熊の方にとっても人間は怖いから、向こうも必死になんです。

前もってこちらが近ずいた事を知らせ、熊の方に避けてもらえば熊との遭遇をすることも無くなります。その為には音の出るものを携帯して下さい。

●熊鈴を付ける。

    (渓流釣り用、登山用など釣具店やアウトドアーショップで売られています)

●ラジオを鳴らしながら登る。

●ホイッスルを鳴らす。

●爆竹を鳴らす。

●空のペットボトルをつぶして「ペコペコ」音を鳴らす。

    (聞きなれない音なので、効果があるそうです?)

人間の生活習慣が変わるのと同じで、熊も聞きなれた音は怖がらなくなります。

 

●熊の方からも接近する人間に対して、警戒の合図を送っています。

 

人間が聞くと木を叩いた様な音に聞こえますが、実際は熊が地面を大きな手で叩いています。その時は、「これ以上近寄るな!」って合図で、特に子連れの親熊がそうやって音を出して警告します。この時音を聞いたら速やかに、退散しなければなりません。

 

●背中を見せて走ってはいけない。

●大声を出す。

●じっと立っているだけでよい。その場合身体を大きく揺り動かさない。出来るだけ自分を大きく見せます。

●腰を抜かしてもいいから動かない。

●熊から目をそらさない。

●子連れ熊に出会ったら子熊を見ないで親だけを見る。

●ベルトを蛇のように揺らしたり、柴をヒューヒュー音を立てる様に振り回す。

 熊は蛇が嫌いなので、細くうねる物を非常に嫌います。車の古いワイパーゴムやロープをを携帯し熊に投げつけて、事なきを得た事例もあります。

●柴を引きずって静かに離れる。引きずるった物を飛び越えて来ない習性があるらしい。

 

背を向けたり、人間の方が弱いと気付かれたら、熊は襲いかかってきます。熊は山中でも時速60km位で走りますから、到底逃げ切ることは出来ません。熊は木登りの名人なので木に登るのも間違いです。

 

 熊におおい被られたからと言って、まだ諦めないで下さい。

人におおい被った熊は、かぶりつくまでに少し時間があります。その間に心を落ち着けて、このまま食い殺される位なら、最後に思い切って格闘する覚悟を決めましょう。

 熊は人間をかじろうとして口をあけますから、手を口の中に入れて熊のベロ(舌)を

つかんで押したり引っ張ったりする。そうやって喉を塞がられると、熊の方も驚いて逃げていったと言う話があります。(喉を塞がれると噛む力が出ないのです。)

 物を持っている場合はナタやノコギリを口に突っ込んだ方が効果があります。ナイフや木の枝でもいいでしょう。

 

※熊におおい被られて、まだ格闘する気力を持っていろなんて、・・・私には無理ですな〜。(^^; 


 

参考資料:クマにあったらどうするか  アイヌ民族最後の狩人 姉崎 等 より抜粋

上記の事柄はあくまで参考にしてください。

実行すれば間違いなく事故を防げるものでは有りません。

あくまで自己責任で、山城行きを楽しみましょう。