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アクセシビリティ・マップ | |
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夢アイデア賞受賞 平成15年2月15日、アクセシビリティ・マップをテーマに地元米原町の便利さを探ろうという小論文「『便利な米原』へ〜アクセシビリティ・マップという手法〜」が、滋賀県米原町主催「まちづくり夢コンペ」にて「夢アイデア賞」受賞。 発表用原稿 ![]() 地図を作るときには距離を正確に測ねばなりません。つまり測量という作業ですが、基準となる点から別の地点へどの方角へ何メーターという感じです。でもはるか昔の人はどうやって地図を作成していたのでしょうか? 古墳時代から既に日本中から税を集めたり各地へ軍隊を動かしたりするために地理の情報は必要でしたから、昔から日本地図は存在していたわけです。ただ距離の測り方は歩いて半日かかる1日かかるといったような感じでしかありません。そこには歩きやすい平野もあれば歩きにくい峠もあり、同じ一日分でも距離にするとばらつきがあります。こうして出来上がった日本地図は行きやすいところは近くに、行きにくいところは遠くなるという、現在の地図と比べると相当形が歪んだものとなります。ただ距離や方角は不正確でもかかる時間の予測は出来る地図であることは確かです。現在の地図では、時間がどれくらいかかるかということは見ただけでは分かりません。 さて私はJR醒ヶ井駅そばのコミュニティ・センターで交通に関する展示物の製作を何度か行っておりますが、先日アクセシビリティ・マップというものを製作しました。アクセシビリティとは交通の用語では便の良さという意味になります。我々が便が良いと思えるのはやっぱりかかる時間が短かくて済むということでしょう。では、かかる時間で以って現在の日本地図を作成してみるとどんなものが出来上がるでしょうか。これこそ最初に述べました昔の人々の地図の作成の仕方です。要するに昔の地図はアクセシビリティ・マップであった訳です。
今回作成したアクセシビリティ・マップは、徒歩の代わりに公共の交通機関の鉄道を使った場合のものです。JR醒ヶ井駅を中心に日本各地へはどのくらいの時間がかかるかを調べ上げ、距離の代わりに時間軸で地図を作成しました。それで日本の形がどんなものになったかといいますと、まず醒ヶ井駅はお隣が新幹線の停まる米原駅でありますから、関東や、京阪神、九州の北部が非常に近くなっています。反対にその恩恵のない北陸や紀伊半島、山陰は遠くなっています。そのアクセシビリティ・マップには実際の日本地図を重ね合わせていますが、比較すれば便の良し悪しが明らかです。今回のアクセシビリティ・マップはJR東京駅を中心としたものも作成しました。これは醒ヶ井駅中心のものより一回り小さくなっています。それだけ東京が日本各地へのアクセシビリティが良いということです。二つのアクセシビリティ・マップを比較すればまたいろいろなことが分かりますが、ここではそれよりも便の良さを左右するのは何かに焦点を絞りたいと思います。。
近いところより、遠いところへ行くのに時間がかかるのは明らかですが、それが交通網の不平等からその差が開いているということは改善すべきでしょう。こういうことを見つけ出そうというのがこのアクセシビリティ・マップを作成した理由なのですが、視点を今度は米原町内に移し、町内版アクセシビリティ・マップを作成すると、それはどんな形になるでしょうか。 全国版では交通手段は鉄道中心でしたが、町内版ではバスが主な移動手段となるでしょう。今回、町内版はまだ作っていません。バスの路線図を使えば簡単なように思えますが、何処を中心にするかなど、難しいことがいっぱいあるからです。 実はこの町内版のアクセシビリティ・マップには私自身大きな関心があります。我々のような自家用車を持っている者は、普段から通勤や近所への買い物などは自分でクルマを使って済ませています。私自身バスを利用することなどほとんどありません。しかしそれも今だけで、歳を取って自動車の運転が出来なくなったり、極端な話今晩にでも事故を起こしてクルマの運転が出来なくなったら、明日からどこに行くにも苦労しなければなりません。家族のクルマに乗せてもらうといっても、そう都合の良いことばかり言ってはいられません。高齢化も少子化も現実問題であって、誰も運転できないから家にクルマがないということにだってなりうるのです。 マイカーの依存率の高いこの辺の地域ではどこもかしこも車中心の構造をしています。それは言い換えればクルマでないと不便だということです。普段の買い物をバスを使って行くとなると、下手をすると一日仕事になってしまう可能性だってあります。 だから我々は今のうちから我が町の公共交通というものを考えておかねばならないのです。クルマがあったからどこへでも簡単に行けたけど、本当は自分の町は交通の便の悪いところだった、なんてことが分かったら愕然とするでしょう。だからこそ、アクセシビリティ・マップで自分の町のことをよく知っておきたい、なければ自分で作るしかないとも思うわけです。 実際、町内版アクセシビリティ・マップはどんな形になっているでしょうか。便利な米原町というものを実現するために、米原町には是非これを活用してもらいたいと思います。 地図上の赤い線は地理的な日本地図。緑色の領域が、所要時間で作成した日本地図である。短時間で到着できる地域ほど中心の醒ヶ井駅に近くなり、時間のかかる地域は遠くなるので、赤い地図と比較すれば、各地のアクセシビリティが良く分かる。 地理的に近い北陸や紀伊半島が大きく離れているのは、その地域が醒ヶ井駅からは不便であるからだと言える。また東海道新幹線が利用しやすいために、首都圏や九州・四国の一部が近くなっている。なお、空路も対象となっているので、東北や九州・四国の一部だけが極端に近くなっている箇所もある。 比較のために、首都・東京駅からの地図も作成した。醒ヶ井駅発の地図と縮尺は同じだが、全体的に小さいのがお分かりであろう。これは東京駅から全国各地への路線が充実しているからである。ちなみに東京−醒ヶ井駅は2時間32分だが、醒ヶ井−東京駅は3時間5分。交通というものは登りと下りで対称ではない。場合によっては回り道の方が時間短縮になる場合もあり、サスペンスでアリバイ工作に良く使われる手段である。 地図の作成にあたっては 各駅への所要時間調べには、パソコンソフト『乗換案内 時刻表対応版』(Jordan Co.,Ltd)2001版を使用。検索の条件は、 ・JR醒ヶ井駅および東京駅の出発時間を朝6時とする(便の発車時刻とは異なる) ・最も合理的に到達できる路線・手段での最短時間とする(金額は問わない)。 とし、地図作成に選択した駅は、 ・日本の海岸線に近い駅 ・半島などの終点の駅 ・2本以上の路線の分岐点となっている駅 ・その他の有名な駅 とした。 時間を優先にしたため、空路も路線に含む。北海道は空路が前提となり、本州の駅との比較が難しいため割愛した。 |