1万分の1米原町
作業概要
 何か滋賀県坂田郡米原町のシンボルとなるものを作ろう。しかも精密にということで、米原町の地形図をJR醒ヶ井駅コミュニティセンターの展示物第2弾として企画したところ、2002年9月に「醒井・水の宿駅」にて作品展が決定し、急遽そこでの発表となった。
 材料にはダンボールを用い、製作方法としては、まず地形図から等高線をトレーシングペーパーに写し取り、カーボン紙でダンボールに転写。それをカッターで切り抜く。
 使用したダンボールの厚みから換算して一段を高度20mとし、平野部の海抜80mから、地図内最高峰の霊仙山1,084mまでを50段に分割して、作業を重ねていった。低海抜の地域は面積も広く、一段仕上げるのに2時間を費やすこともしばしばだった。

 当初、困難を極めたダンボール切抜き作業も標高が高くなるにつれて面積が小さくなり、ペースアップ。作業の合間に、ダンボールを積み重ねたときに表からは見えない部分を切り抜き、模型全体の軽量化を図った。
 それでもいざ積み重ねてみると、段がずれている箇所が出てきた。それは標高100m単位で現れた。トレース作業は100m台5段ごとに行ったので、その際にズレが生じていたのだった。はみ出た部分は後から切り落とすとして、とりあえず、全体の形が狂わないように調整して積み上げてゆく。
 地形が出来上がったら、表面の仕上げに取り掛かる。まずダンボールの断面剥き出しの表面にティッシュペーパーを貼り付ける。水でといたボンドをむら無く塗り、ティッシュペーパーを貼り付けて霧吹きで湿らすと、乾けば張りが出てそれらしくなる。

 ただ、この作業から水分の乾燥によるダンボールのそりが発生してきた。山の斜面は気にならないが、平野は凸凹が発生し、1枚板の湖面などその影響が一番顕著であった。
地形完成
地形完成
細かく再現した立体構造物
細かく再現した立体構造物(米原ジャンクション)
 次に色を塗ってゆく。山は緑、平野は黄緑、湖面は青。線路は茶色、道路はグレー、町は白。塗料が乾くと、ますますそりが激しくなってゆく。
 最後に立体的な建造物を作る。米原町は交通の要所であり、高速道路や新幹線の高架など、省略する訳にはいかない。

 7月20日から8月29日までの長い作業を経て、ついに完成。作品展会場に展示する。しかしエアコンの効いた室内は、乾燥による模型のそりをますます激しくさせた。毎日展示時間が終わってから裏面を霧吹きで湿らし、重石をしてそりの修正をおこなった。
 その甲斐あって、そりは徐々に回復。完全に模型が乾燥したのか、形状の変化は展示期間終了時には収まっていた。
 会場での評判も上々。いかに米原町が山の多いところなのかがよく分かる。
米原公民館にて展示中
この作品は現在、滋賀県米原市・米原公民館にて展示中