
除雪車キ555とは 除雪車キ555は昭和18年に誕生して以来、当時の国鉄東海道線・米原〜大垣駅を39年もの間除雪してきたものである。役目を終えて現在は滋賀県米原市米原公民館前に展示されているが、老朽化が激しく、近く処分されるという話も出て、当時の国鉄職員OBを中心に保存会が結成された。
このユニークな除雪車を模型として再現すべく、2008年夏に作業を開始した。
設計
模型の大きさは1/33とした。線路幅約32mmのO(オー)ゲージを想定し、当初は1/45を予定したが実物の採寸を行い、図面を起こすと車両と車輪幅の寸法が合わないことが判明。実は鉄道模型の縮尺は車両本体と台車(車輪)の縮尺率が異なるものであった。つまり車輪に対し、本体が小さく作られている。これは模型における走行安定性を優先したためであろう。ここではOゲージの線路幅から逆算して全てを1/33として模型を作ることにした。材料は厚紙。補助として木材を使用する。
キ555の基本構造は運転台と本体からなる。妻面と呼ばれる車両の前後面をつくり、運転台と本体を繋ぐ面を中心に、車両側面・屋根を一体の厚紙から起こす。
設計
側面・屋根を曲げて運転台と本体を作る。側面・屋根板は角が折れてしまわないように曲げが急になる部分はカッターで切り込みを入れ、妻面に合わせてきれいなカーブを描けるようにそこに妻面を貼り合わせ、結合する。
長い車体を紙のみで作るにはどうしても強度不足になる。そこで今回の模型では運転台と本体の間を仕切りが強度を担う大きな役目を果たす。運転台と本体の背の違いから、この部分の接着がポイントとなるが、仕切り板に一工夫して本体側には車体後方の妻面と同じものを貼り付け、その僅かな段差を接着代とした。
そもそも材料が紙なので、どうしても車体側面はたわんでしまう。そこでさらに強度を加えるために角材を車両底に貼り合わせる。この角材は床面を固定するためのものでもある。床面の厚みを考慮し、角材は車両本体の底ぎりぎりではなく、床の厚みの分だけ隙間を残しておく。
設計
複雑な構造を持つ車両前面を作る。最初に平面だけで構成されている部分を作る。一見簡単そうだが、雪かき部分は模型の制作途中で現物合わせなどの作業が必要になるので(実物からは曲率等が算出しにくいため)、直角などは相当正確に再現しておく必要がある。
模型の一番の難所である雪かき部分の内側である。実物を観察すると一枚板をプレスしたというものではなく、いかにも職人の叩き出し(計算上の数値では表現できない曲面を職人の手作業で作るもの。現在の新幹線の先頭部分も同じ製造方法だという)という感じである。模型では曲面をいくつもの部分に分けて折り曲げて接着したときに一体の曲面となるように慎重に加工を行う。
同じことをもう一度やれと言われても、多分ムリであろう。ただでさえ平面を頭の中で立体にするのは至難の業である。
塗装

車両本体ができたら、塗装に入る。その前に紙製の車体を強くするためにサーフェイサーを吹き付ける。その後にマスキングテープでオレンジのラインを引く場所を隠し、エアブラシを使って黒く塗る。予めマスキングテープを貼っておくのは、黒の上からは明るい色を発色させるのは難しいからである。
細部の製作
台車(車輪含む)、窓、ツララ切り、連結器など、細かい部品を挙げればキリがないが、これがないと除雪車とは言えないという部品は面倒でも作ることになる。何しろ既製品が全くないので全て一から自作した。なお、材料のほとんどはプラ板だが、お菓子のトレイなど、この頃は「これはそのまま模型に使える」というものは片っ端から集めていた。何気なく目にしたものから、模型の完成品が想像できてしまうのが不思議である。
製作終了
何はともあれ完成。実物と比較してみると所どころ違う点も見受けられるが、模型の強度の面から作りやすいようにした部分もある。機会があれば更なる改良もしたいところだが、ちょこちょこ作って約半年、一応期限を決めてこれで一旦終了とする。
写真後ろに見える実物がどうなるのかは現時点では不明だが、できればこのままずっと展示しておいて欲しいものである。なお、現存するのは2両だというが、もう1両は小樽にあるという。ただし小樽のものは単線用で、複線用は米原のものだけである。ちなみに複線用の特徴としては、対向車線に雪を押しやらないために、進行方向に対して常に左に向かって雪を押しやるよう、雪かき器が左右非対称となっているところである。
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