2000年より厚生労働省が有害物質への規制を厳しく言ってまいりました。
私どもの取り扱っている物では鉛がその対象物となります。早速日本ではビスマスや珪素を鉛の代替品とした合金が JIS 化されました。しかしレアメタルを使っているもの他の青銅材に悪影響をもたらす珪素を含んでおり加えて鋳造性及び加工性が悪く(不良率が高い)鋳造業者を苦しめるものでしかありません。逆手に取れば技術力が試されビジネスチャンスかもしれません。しかし、最終的には不必要なエネルギーを虐げられ地球にも良い物でないと考えます。
そこで私たち滋賀バルブ協同組合が関西大学と滋賀県の東北部技術センターつまり産学官で開発いたしました硫黄化合物分散型青銅材を JIS 化し多くの分野で使っていただこうと事業を進めてまいりました。
平成21年10月20日お陰を持ちまして JIS に青銅鋳物材 CAC411 として認定されました。
滋賀県だけでなく国・世界が取り組んでいる環境に優しい材料であると確信していただきたく期待しております。
項目 | CAC411 | ビスマス系鉛フリー青銅 | 備考 |
形状分野 | 薄肉・厚肉問わずオールマイティー | 厚肉分野に問題あり | 複雑形状鋳物 可能 |
高温特性 | CAC406相等以上 | 120度域で脆性が現れる | ボイラー配管に使用可能 |
加工性 | CAC406の90%程度 | CAC406の90%程度 | CAC411は個体潤滑性とチップ分断特性あり |
タップ加工 | 可能 | 不可 | CAC406相等 |
バフ研磨 | CAC406相等 | 砂型鋳物では良好な結果が得にくい | |
メッキ | CAC406相等 | 砂型鋳物では良好な結果が得にくい | 表皮形成型凝固のため |
溶接 | 可能(アルゴン溶接) | 熱間脆性にて不可 | CAC406相等以上 |
ロウ付け | 可能(BAg-7使用) | 熱間脆性にて不可 |