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血液の病気の話をする前に知っていたほうがいい話

このページでは、血液に含まれるさまざまな細胞の働きについてお話ししようと思います。大きく分けると血液の中には赤血球・白血球・血小板という三種類の細胞が含まれています。まず血の中に一番多く含まれるのが赤血球という細胞です。顕微鏡で血液を眺めるとほとんどがこの細胞でうっすらと赤い色をしています。血が赤いのはこの細胞の色なのですが、これは赤血球のなかにヘモグロビンという赤い物質が多く含まれているためです。ヘモグロビンという物質は酸素と強く結びつきます。赤血球が肺の中で酸素を受け取り、身体のあちこちに酸素を運べるのはこの物質のおかげなのです。貧血とは赤血球すなわちヘモグロビンが不足した状態で、めまい、動悸、息切れや疲れやすいなど、酸素不足による症状がみられます。

次に白血球についてお話ししましょう。顕微鏡でみると大多数をしめる赤血球に混じってパラパラとこの細胞が見られます。白血球には大きく分けると細胞の中に顆粒が認められる顆粒球という細胞と、顆粒が余り見られないリンパ球という細胞があります。おおまかに言えば、顆粒球は身体に侵入した細菌をやっつけるために働き、リンパ球は抗体という特殊なタンパク質(血の中を流れ、細菌やウイルスにひっついてやっつける)を作ったり、他の免疫(身体の防御機能のこと)細胞に命令を下して、ウイルスや真菌(カビ)・結核菌・癌細胞などをやっつけるために働きます。病原体との戦争という意味では、顆粒球は前線で白兵戦をする兵隊、リンパ球はミサイル部隊や司令部という役回りになります。役に立たない白血球の増える白血病の場合、あるいはその他の血液の病気や抗癌剤による治療などで正常の白血球が極端に少なくなった場合は、病原体に対する身体の抵抗力がなくなり、発熱したり、カゼひきがすぐ肺炎になってしまったり、ばい菌が血の中で増えてしまう敗血症になってしまったりします。血液の病気で極端に正常の白血球が少なくなってしまったとき、無菌室や簡易無菌装置(ばい菌を含まないきれいな空気を患者さんに提供する空気清浄器のような装置です)が必要になるのはこのためです。

 最後に血小板についてお話しします。顕微鏡では小さなゴミ・チリの様にしか見えません。ところがこのゴミのような小さな血小板も身体にとって重要な働きをしています。けがをしますと血管が破れて血が出ます。血小板はたちまち互いにひっついて破れた血管の穴を塞ぎます。これはとりあえずの応急処置で壁に穴が開いたときまず詰め物をしてすきま風を防ぐのと同じですが、これが血小板の働きです。ここへ凝固因子というタンパク質がひっつくことにとってさらに強固に穴を塞ぎ、セメントのように塗り固める。血液の病気ではしばしば血小板が少なくなり、血が出やすくなる結果として、手足に赤い小さなブツブツがでる(点状出血という皮膚の細かな出血です)・打ってもいないのに身体のあちこちに青いあざがでる・鼻血(はなぢ)や歯ぐきからの出血が止まらないなどの症状が見られます。
 さまざまな働きが血液の細胞にあることをご理解いただけたと思います。またそれらの働きがうまくいかなくなったときの症状もお話しさせていただきました。これらの症状は多くの血液の病気に共通して認められます。また血液検査だけで血液の病気の診断の糸口をつかむことができます。以上に述べました症状に思い当たる方はお近くの医療機関での検査をお勧めします。 (Y)

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