3歳未満の子を持つ従業員はいませんか?!



貴事業所に3歳未満の子供さんがいる方はいらっしゃいませんか?
もしいらっしゃる場合は、今回の情報はお見逃しなく!! 知らずに済ますと、その方の将来の年金額が減ってしまうかもしれません。本人さんが損をするだけでなく、「どうしてそんな制度があることを知らせて手続きをしてくれなかったの?損した分を払ってくれ!」と、後になって事業主様や事務担当者の方が責任を追及されることにもなりかねません。
 その制度とは、今年4月からスタートした「養育期間の標準報酬月額の特例」です。
3歳未満の子を養育する厚生年金の被保険者が、養育する前と比べて、標準報酬月額が下がった場合、将来の年金額については、従前の高い標準報酬により計算してもらえるというものです。そもそも、厚生年金というのは、「加入年数」と「加入中の標準報酬の平均額」を用いて計算されます。育児のため、短時間勤務をしたり残業ができなかったりしてお給料が減ると、標準報酬が下がり、その分将来の年金が減ってしまうわけです。それを解消するため設けられたのがこの新しい制度なのです。


*** ここがポイント!! ***

この説明を読んでいただくと、「私は短時間勤務しないからダメだわ」とか「僕は育児をヨメさんに任せきりだから関係ないな」と思われる方が多いでしょう。ところが!! この制度は、主旨としては育児による賃金低下を想定したものではあるのですが、実際には、賃金低下の理由は限定していません。ですから、3歳未満の子を養育さえしていれば、その低下の理由が、育児に直接関係のないものであったとしても、なんと適用されるのです。
・ 引越しや転勤により通勤手当が減った
・ 残業の少ない部署に異動になり残業手当が減った
・ 妻が就職したので家族手当が減った
こういった理由でもOKということです。
また、
・ 男女ともに適用されます。
・ 妻が専業主婦である夫にも適用されます。
・ 共働き(夫婦ともに厚生年金加入者)の場合は二人とも適用されます。 
 つまり、3歳未満の子を養育する厚生年金加入者なら、誰でもこの特例措置の適用を受けられる可能性があるということなのです。しかし、この特例措置は、所定の申出手続をしないと受けることはできません。申出をしなくても今すぐ何か影響が出るわけではないので、つい億劫になって、ほったらかしにしてしまいがちですが、手続を怠ると、何十年か先に後悔することになるかもしれません。


*** 手続の方法 ***
誰が:本人の申出により、事業主が

いつ:3歳未満の子を養育し始めたとき。(一般的には、子が生まれたとき) 
育児休業を取る人は、育休中はいったん特例期間は途切れるので、育休が終わった時にもう一度します。なお、現在すでに3歳未満の子がいる方は今すぐできます。また、転職等により厚生年金を脱退し再加入したときは、再加入時に再度必要です。

どこへ:事業所の管轄の社会保険事務所へ

何を:
「厚生年金保険 養育期間標準報酬月額特例申出書」を。添付書類として戸籍抄本・住民票等が必要です。

 お給料が下がる見込みのない方でも、とりあえず子供が生まれた時点で申出書を提出しておけば、もし何かの事情で標準報酬が下がった場合は、自動的に特例が適用されるので安心です。
なお、特例が適用された場合、将来の年金額が子の養育前の高い標準報酬で計算されるわけですが、保険料は当然、下がったお給料に見合った安い額を払えばよいことになります。本人にとってはもちろん、事業主様にとっても、この特例の適用を申し出ることによるデメリットは今のところ特に考えられません。

 西多事務所では、今後子供さんを出産された方については、健康保険の出産手当金や出産育児一時金の手続の際、この制度についても本人様にご案内したいと思いますが、すでに子供さんのいらっしゃる方など、把握しきれないケースもあり、対象者全員に個別にお知らせすることは難しいと考えています。そのため、事業主の皆さんにもご協力いただいて、この制度について従業員の皆さんに周知していただき、ぜひ特例の適用をもれなく申し出されるよう勧めていただきたいと思います。顧問契約いただいている事業所様には、掲示・回覧等にお使いいただける周知文をお渡しする予定ですので、ぜひご活用下さい。



 その他の新しい育児サポート制度(17年4月開始)
@ 育児休業期間中の健康保険・厚生年金保険料の免除が3歳まで延長に
A 育児休業終了時の標準報酬月額の改定
今までは、育休後、短時間勤務等によりお給料が減っても、随時改定に該当しない限り、次の保険料見直しの時期までは、高い標準報酬月額のまま(つまり保険料も高いまま)でしたが、育休終了後3ヶ月のお給料の平均が、従前より1等級でも下がれば、低い標準報酬に改定できるようになりました。(将来の年金は前述の特例により損をしないようになっています。)


★ その他、ご不明な点は、西多事務所までお問い合わせ下さい。