正しく申請できていますか?「健康保険の扶養家族」今年から扶養家族の年収チェックが厳しくなります!


健康保険の扶養家族(被扶養者)になるには、収入が一定額以下であることなどの条件があります。扶養家族として申請する際に、所得証明書等を添付することにより、条件を満たしているかどうか確認を受けます。ところが政府管掌健康保険(社会保険事務所の健康保険)では、いったん認定を受けると、扶養家族の年収のチェックは、原則3年に1度行われる健康保険証の更新の際しか行われませんでした。そのため、あってはならないことですが、年収が限度を超えてしまっているのに扶養に入りっぱなし、ということがよく見受けられました。

そこで社会保険事務所では、今年から毎年定期的に扶養家族の認定が正しくできているかの確認調査が行われることになりました。詳細はわかり次第、改めてご案内させていただきますが、9月末に「健康保険被扶養者調書(異動届)」という書類が社会保険事務所から、社労士経由で扶養家族のいる方に対して交付され、各人に記入いただいた上で回収し、10月中に社会保険事務所に提出するという運びになりそうです。事業主様、事務ご担当者様には、お手数をおかけしますが、ご協力のほどよろしくお願いいたします。


● 健康保険の扶養家族になる条件とは


@被保険者と同居の場合…年収130万円未満かつ被保険者の年収の半分未満であること。
A同居でない場合…年収130万円未満かつ被保険者からの仕送り額より少ないこと。

・60歳以上の方、障害者(障害厚生年金が受けられる程度の障害のある方)の場合は、「130万円未満」とあるのは「180万円未満」となります。

・直系尊属(父母・祖父母・曾祖父母)、配偶者(内縁可)、子、弟、妹については、同居でなくても扶養家族になれます。それ以外の3親等内の親族(例えば兄、姉、配偶者の父母、甥、姪など)は同居していることが条件です。

・収入には、遺族年金、失業給付、傷病手当金など、税法上は非課税のものも含みます。

・失業給付の場合、日額3,612円(60歳以上および障害者は5,000円)未満なら年収130万円未満(同180万円未満)とみなされます。

・税法上の「扶養親族」の範囲とは異なりますので注意が必要です。




● 扶養家族の削除漏れとして、よくある事例

 

@パートの奥さんの収入が徐々に増え130万円以上になってしまっている。
A子供が学校卒業後、定職にはついていないがアルバイト収入が130万円以上ある。
B収入のない父母を扶養に入れていたが、限度額以上の年金をもらい始めた。

@、Aの事例では、奥様やお子様が勤務先で社会保険に加入しない限りは、扶養のまま
でいいとお考えの方が多いようです。社会保険に加入する要件は、「勤務時間および勤務日数が正社員のおおむね4分の3以上であること」ですので、短時間のパート等なら勤務先で自分の社会保険に加入することはありません。しかし、扶養家族の条件は、前記の通り年収「130万円未満」ですので、それを超えると扶養は外して国民健康保険に加入しないといけないのです。




● 削除漏れがあるとこんなコワイことになるかも


Aさんは、お母さん(無職・58歳)を扶養家族に入れています。1年前、お父さんが亡くなり、お母さんは遺族厚生年金を150万円もらい始めましたが、扶養家族から外していませんでした。社会保険事務所の総合調査によりそれを指摘され、1年前に遡って扶養の認定が取り消されました。お母さんは、扶養を外れた日に遡って国民健康保険に加入し、1年分の保険料を払わなければなりません。さらに、扶養家族として保険証を使った分の医療費を全額社会保険事務所に返還しなければなりません。Aさんは、社会保険に返還した医療費は、本来国保を使うべきものなので、国保から払い戻されるはずだと思い、市役所に相談に行きました。ところが、このようなケースは払戻しできないと言われました。

どういうことなのでしょうか。本来、治療を受けるときは、保険証を病院に提示すれば、自己負担は3割で済み、残りの7割は保険が負担してくれます。やむを得ず保険証を提示しなかったときは、いったん全額を病院の窓口で支払い、後で保険の方へ請求して7割分を払い戻してもらうことができます。やむを得ない事由があったかどうかは、国保の場合市町村単位で運営しているため、各市町村によって判断が異なる場合があるのです。Aさんのお住まいの市町村では、今回のようなケースは、「やむを得ない事由があった」とは認めてもらえなかったのです。改善に向けた動きは出ているようですが、今のところ、このような場合に払戻しが受けられない市町村は3割程度あるようです。ご注意ください。