景気の良し悪しにかかわらず、社会保険加入事業所は、社会保険事務が適正に行われているかの確認のため、定期的に社会保険事務所の調査が行われます。主な内容をご紹介しますので、今年は調査が入らなかった事業所様も今後の参考になさってください。


●調査実施基準の変更 〜全事業所対象となっています〜


西多事務所でも今年は事業主様の代理として20数社の調査を受けました。この件数は昨年12件だったことからすると、調査対象の事業所が大幅に増えたのが特徴です。
なかには「社会保険事務所の調査など受けたことが無かった。」という事業所も含まれていました。理由は従来、社会保険事務所が調査を「5名以上の事業所を5年に1回」の基準で行っていたものが、今年からは「事業所規模にかかわらず全て対象として、4年に1回」の基準に切替えたことが理由です。そのため、事業所のみなさまは、規模にかかわらず今後、原則として4年に1度は、調査を受けることを念頭において日々の人事労務業務を行う必要があります。



●社会保険の加入もれ 〜 今年も重点的にチェックされた項目です! 〜


 
調査終了後の雑談で調査官に「今年、社会保険事務所は何を重点的に調べているのですか?」と質問したところ返ってきた答えが、やはり「社会保険の加入もれ」でした。

@パート・アルバイト・フリーター・・・パート・アルバイト・フリーターであっても、 「1ヵ月の勤務日数と1日の勤務時間がともに正社員のおおむね4分の3以上」であれば、社会保険に加入しなければなりません。

A試用期間中の者・・・最近、採用してもすぐ辞めてしまう人が多く、「続くかどうか、しばらく様子を見てから社会保険に加入させたい」という事業主さんの声をよく聞きます。お気持ちはわかりますが、これも認められていません。試用期間や見習期間であっても、採用1日目から加入してもらうことになります。

 以上のような加入もれについて、調査官は、社会保険事務所が予め用意した社会保険加入者リストと、タイムカードや賃金台帳、労働者名簿などによりチェックしていきます。また、それらの書類に誤りやごまかしがないか、源泉税の納付書等税務関係の書類に記載された給与額や人数と突合することにより調べます。


【@の対策】
 加入したくない人、させたくない人を合法的に未加入とするには、正社員の4分の3未満の日数または時間で雇用契約を結ぶしかありません。この場合、4分の3未満であることがはっきりわかるような雇用契約書をしっかり取り交わしておくことが重要です。

【Aの対策】
 新たに採用した人で、様子を見たい場合は、「2ヵ月以内の期間を定めて雇用される者」は社会保険が適用されないことになっていますので、とりあえず、2ヵ月以内の期間雇用をしてみてはいかがでしょうか。この場合、その期間で雇用関係が切れることが前提ですが、期間終了後、新たな雇用契約を結ぶことは可能です。当初の期間後、新たな契約により引き続き雇用することになった場合は、そのときから社会保険に加入すればよいことになります。

  ※@、Aの対策用の「雇用契約書」が必要な顧問先事業所様は、ご連絡ください。



●その他のチェック事項


イ、 賞与支払届の提出もれはないか
平成15年4月より賞与を支払うと、毎月の給与と同じ保険料率(以前の率からすると大幅アップ)で保険料が徴収されています。そのため、賞与支払の届出がもれていると、保険料追徴の額も多額となるため、調査官も賃金台帳
や源泉税の納付書等税務関係の書類で重点的に調べていました。


ロ、月額変更届(昇給・降給による保険料の改定)のもれはないか
給料や手当に改定があり、一定の条件を満たすと、4ヵ月後に月額変更届を提出し、保険料を改定する手続きが必要です。保険料の追徴が必要となるかどうかを見るため、調査官は給与の変動があった人の月額変更届のもれが無いかをチェックするのはもちろん、月額変更届が提出されていても、その改定の時期が適正かどうか(遅れていないか)を確認するため、それ以前5〜6ヵ月前から昇給、降給があったかどうかも調べていました。


ハ、傷病手当金や出産手当金等の給付金請求時、以下の給料控除もれはないか
私傷病による欠勤および、産前産後期間中、概ね給料の6割が支給されるのが傷病・出産手当金です。この手当金は、給料が支払われていないことが条件で、支給されます。
そのため、欠勤控除がされていないのに手当金をもらってしまうと返還を求められます。調査官は、手当金受給者に関しては、給付金請求期間でも特に休み初めと終わりの時期の賃金台帳をチェックして、給料の控除もれがないかを調べていました。

 
 以上のようなことが主な調査項目です。今回、西多事務所ではの各顧問先事業所様のご協力により、全事業所「適正」との評価をいただきました。今回の調査に関する事項で不安や疑問をお感じの顧問先事業所様は、今すぐ西多事務所までご相談ください。