政府管掌健康保険(社会保険事務所の健康保険)に加入されている事業所様には、先日より、「被扶養者調書」の配布、記入、回収等にご協力いただきましてありがとうございました。この調書は、扶養家族(被扶養者)の認定が正しく行われているかを調査するためのものです。調書作成にあたって、各事業所様より、扶養家族に関するご質問・ご相談をいくつかいただきましたので、その中からよくある質問をご紹介します。

 ●1●健康保険法上の「被扶養者」になれるのは?

主として被保険者の収入で生計を維持している下表の人
⇒具体的には、年収が130万円未満(60歳以上・障害者は180万円未満)であり、 被保険者の年収の半分以下、別居の場合は、収入が仕送り額より少ないこと。

ア、同居・別居どちらでもよい イ、同居していることが条件
配偶者(内縁でも可)、子、孫、弟妹、父母、祖父母、曽祖父母 兄姉・おじおば・甥姪とその配偶者、弟妹の配偶者、配偶者の父母や子など左記「ア」以外の3親等内の親族

参考までに…
税法上の「控除対象配偶者・扶養親族」になれるのは?

「所得者と生計を一にする配偶者・親族(6親等内の血族および3親等内の姻族)で年間(1月から12月)の所得が38万円以下の人」です。

給与収入でいうと、年収103万円以下のとき、「所得が38万円以下」となります。
健康保険の「130万」と税金の「103万」、数字が似ているので、混同しやすい点です。
 また、健康保険では内縁関係でも事実上の配偶者である場合は被扶養者となれますが、税法上では内縁関係の場合は認められていません。


 ●2●年間140万円の遺族年金を受給中の、無職の母(58歳)は扶養に入れますか?

健康保険では、遺族年金も収入としてみますので、130万円以上の年金をもらっている人は被扶養者にはなれません。遺族年金、障害年金、失業給付、傷病手当金など、税法上で非課税とされるものでも、健康保険上は「収入」とみなしますので、注意が必要です。
なお、このお母様が、60歳以上または障害者であれば、180万円まで収入の枠が上がるので、被扶養者になれます。


 ●3●妻が8月いっぱいで退職し無収入となります。今年1月から退職までの給与は150万円あります。 扶養に入れますか?

 1月以降の給与が103万円を超えているので、今年は税法上の「控除対象配偶者」にはなれません。しかし、健康保険では、今から将来に向かっての年収が130万円未満であれば被扶養者になれますので、この奥様の場合、9月1日から被扶養者となれます。この点も、税法と健康保険法の大きな違いです。
 なお、この奥様が退職後、失業給付を受給される場合はどうでしょうか。前述の通り、健康保険では、失業給付も収入と考えます。失業給付(基本手当)の日額が、3,612円以上の場合、年収130万円以上に相当するとして、被扶養者にはなれません。(60歳以上または障害者は、日額が5,000円以上の場合、年収180万円以上とみなします。)
 ただし、自己都合で退職した場合、失業給付は原則として3ヶ月間の給付制限がありますが、その間は無収入ですので、健康保険の扶養に入ることができます。
   注:「健康保険組合」「共済組合」では、上記と異なる取扱いをしている場合があります。


このように、税法と健康保険法では、扶養の条件が異なるため、「税法上は扶養に入れないが健康保険では入れる」逆に、「税法上は扶養に入れるが健康保険では入れない」というケースがあります。「片方がダメなので、もう一方もダメ」と思い込んで、せっかく扶養に入れるのに、申告・申請が漏れている方が時々いらっしゃいます。
「こんなケースはどうかな?」という点がありましたら、健康保険のことは西多事務所へ、税法のことは貴事業所の顧問税理士様に是非ご相談下さい。


平成20年10月より、「全国健康保険協会」が設立され、「政府管掌健康保険」は「協会けんぽ」に変わります。これに伴い、10月以降、新しい保険証への切り替えが予定されています。切り替えが終了するまでは、現在の保険証が使えます。切り替えの日程等、詳細はわかり次第お知らせいたします。
また、保険料率は当面、現在の率が適用されますが、将来的には、都道府県別の保険料率が設定されます。給付(傷病手当金、出産手当金、出産育児一時金、埋葬料など)の内容は変わりません。