「従業員の定着を図るために退職金制度を設けたい…」
「今まではその都度、退職金の額を決めていたけど、きちんとルール化したい…」
「従業員の退職時に慌てないよう、今から退職金の準備をしておきたい…」

そのような中小企業の皆様にお知らせです。
「中小企業退職金共済制度(略称 中退共(ちゅうたいきょう))」に加入されませんか?


● 「中退共」制度とは?
 
自社で独自の退職金制度を持つことが困難な中小・零細企業をサポートするために設けられた国の制度です。「独立行政法人 勤労者退職金共済機構 中小企業退職金共済事業本部」が運営しています。
全国で約36万9千事業所が加入しています。


● 「中退共」制度のしくみ
 
事業主が、従業員を対象に、「中退共」と退職金共済契約を結び、毎月、掛け金を納付します。従業員が退職したとき、退職金請求手続きをすると、「中退共」から従業員の口座へ退職金が支払われます。。


● 加入できる「中小企業」の範囲とは?
 
・一般業種(製造業・建設業等)→「常用従業員数300人以下」または「資本金3億円以下」
・卸売業          →「常用従業員数100人以下」または「資本金1億円以下」
・サービス業  →「常用従業員数100人以下」または「資本金5千万円以下」
・小売業    →「常用従業員数50人以下」 または「資本金5千万円以下」


● 加入の対象となる従業員の範囲は?
 
 加入事業所となった場合、次の@からCに該当する者は除くことができますが、
原則として全員加入させることになります。
@ 期間雇用者
A 試用期間中の者
B 休職期間中の者やこれに準ずる者
C 定年などで短期間内に退職することが明らかな者

 ただし、次のような加入基準を設けることは可能です。
・「正社員」は加入するが、「非正規社員」は加入しない        → ○
・週30時間以上のパートは加入するが、30時間未満は加入しない   → ○
・試用期間終了後、2年経過したら加入させる           → ○

このような加入のさせ方はできません。
・パートについては、希望者だけ加入させる               →×
・正社員Aさんは入社後すぐに加入するが、同じ正社員のBさんは1年後加入→×

つまり、雇用形態や勤続年数等により、加入させる範囲を定めることはできますが、
同じ雇用形態・労働条件の者を恣意的に加入させたり、させなかったりということは
できないということです。


● 加入できない者は?
 
 @ 事業主および「小規模企業共済」(事業主用の退職金制度です)に加入している者
 A 法人企業の役員(ただし、従業員として賃金を受けている兼務役員等は加入可能です。)
 B 特定業種退職金共済制度(建設業・清酒製造業・林業退職金共済)に加入している者

※ 事業主と同居の親族については、「小規模企業共済」に加入しておらず、従業員と
しての実態があれば加入できます。同居の親族の加入の際には、「賃金の支払いがあるか」、「事業主の指揮命令を受けて労働をしているか」などの確認があります。また加入中、および退職時にも従業員としての実態が続いているかの確認があります。

※ 平成23年1月の改正により、今まで加入できなかった「同居の親族のみを雇用する事業所」も加入できることになりました。


● 掛金の月額は?

次の16種類の中から選択します。年齢や経験度、勤続年数、給与額などに応じて、従業員ごとに選ぶことができます。

5,000

6,000

7,000

8,000

9,000

10,000

12,000

14,000

16,000

18,000

20,000

22,000

24,000

26,000

28,000

30,000


また、「パートさんにも退職金制度を!」という事業主様を応援するため、1週の所定労働時間が30時間未満の短時間従業員については、次の3種類の掛金も選択可能です。

2,000

3,000

4,000

※ 掛金は全額事業主が負担します。従業員に負担させることはできません。
 ※ 掛金は、増額・減額することができます。(減額については従業員の同意が必要)
 ※ 掛金は、法人企業の場合は「損金」、個人事業の場合は「必要経費」となります。

● 掛金には助成制度があります!

 初めて中退共に加入する事業主に対しては、掛金月額の2分の1を1年間、国が助成してくれます。また、掛金を増額した場合、増額分の3分の1を1年間、助成してくれる制度もあります。いずれも、同居の親族のみを雇用する事業所は対象となりません。
その他に、自治体独自で掛金の助成を行っている場合があります。滋賀県では、大津市や草津市など8つの市に助成制度があります。条件や金額は自治体によって異なります。

● 退職金の額は?

 退職金の額は、 掛金額と納付月数により決まります。一部を抜粋すると…

納付月数          掛金月額

5,000

10,000

20,000

1〜11

0

0

0

1年(12月)

18,000

36,000

72,000

2年(24月)

120,000

240,000

480,000

3年(36月)

180,000

360,000

720,000

4年(48月)

240,850

481,700

963,400

5年(60月)

304,100

608,200

1,216.400

10年(120月)

632,800

1,265,600

2,531,200

15年(180月)

975,000

1,950,000

3,900,000

20年(240月)

1,333,300

2,666,600

5,333,200

30年(360月)

2,106,550

4,213,100

8,426,200

40年(480月)

2,958,950

5,917,900

11,835,800




● 中退金加入の特徴をまとめると・・・ 

 初めて中退共に加入する事業主に対しては、掛金月額の2分の1を1年間、国が助成してくれます。また、掛金を増額した場合、増額分の3分の1を1年間、助成してくれる制度もあります。いずれも、同居の親族のみを雇用する事業所は対象となりません。
その他に、自治体独自で掛金の助成を行っている場合があります。滋賀県では、大津市や草津市など8つの市に助成制度があります。条件や金額は自治体によって異なります。

利  点

注 意 点


@国の制度なので安心です。

A従業員の退職時に一度に大きなお金を 用意する必要がありません。

B掛金の助成制度があります。

C掛金は全額非課税(損金・必要経費扱い)となります。

Dお金の管理・運用は機構がしてくれます。

E納付状況や退職金額は毎年知らせてもらえるので、簡単に把握できます。

   F掛金は、毎月(または1年間の前納で)    口座振替により簡単に納付できます。

G初めて中退共に加入する事業所は、すでに勤続年数が長い従業員のために、加入前の勤務期間分についても掛金を納付することができる制度があります。

H中退共加入事業所から加入事業所へ転職するときは、一定の条件を満たせば、退職金を請求せず、転職先へ通算することができます。

  @ 納付月数が1年未満の場合、退職金は支給されません。この場合でも掛金は事業主に戻っ   てきません。 また、2年未満では、掛金納付額より退職金額の方が少なくなります。これらは、   長期加入者の退職金を手厚くするためです。

A   自己都合退職と会社都合退職で退職金額に差はつけられません。

B懲戒解雇の場合でも退職金が支払われます。一定の手続きにより、退職金の減額の申し出ができますが、減額分は事業主には戻りません。











● 加入手続きはどうすればいいの?

 申し込み窓口となるのは、金融機関、労働保険事務組合、商工会などです。西多事務所併設の労働保険事務組合である「滋賀県労務管理協会」も、取り扱い団体として委託を受けています。
 
今まで退職金制度をお持ちでなかった事業所様だけでなく、すでに自社独自の退職金制度のある事業所様が、自社制度との併用(中退共を自社退職金の「内払い」とするなど)という利用方法もあります。どうぞお気軽にご相談ください。

また、中退共加入に伴って、就業規則(退職金規程)の制定や改定が必要になってきます。こちらも西多事務所にお任せください。