平成14年10月より健康保険法が一部改正されています。今月は、前回ご紹介できなかった改正点について説明させていただきます。



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70歳から74歳の方の医療について(平成14年10月より)
* 70歳以上の方は、加入している医療保険を問わず、これまでは各市町村が運営する老人保健制度により医療を受けていました。ところが、10月より老人保健の対象年齢が75歳に引き上げられたため、75歳になるまでは、会社の健康保険や市町村の国民健康保険など、その方の加入する医療保険で医療を受けることになります。この方たちのことを「高齢受給者」といいます。
  ただし、平成14年10月1日現在すでに70歳以上の方(昭和7年9月30日以前生まれの方)は引き続き老人保健の対象となります。


 病院での自己負担割合は、原則1割、一定以上所得者は2割となっています。
  健康保険加入者の場合、2割負担となるのは、「標準報酬月額」が28万円以上の被保険者と、その70歳以上の扶養家族です。例えば、被保険者(夫・73歳)の標準報酬が30万円で、71歳の被扶養者の奥さんがいる場合、お二人とも2割負担となります。
  なお、被保険者が70歳未満の場合は、標準報酬が28万円以上でも、その70歳以上の扶養家族は1割負担となります。例えば、45歳の息子さんが、70歳のお母さんを扶養している場合、そのお母さんの自己負担割合は息子さんの標準報酬にかかわらず、1割負担となるということです。


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対象となるのは、70歳のお誕生月の翌月から(1日生まれの方は、お誕生月から)です。

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対象年齢となった方には、自己負担割合の記載された「高齢受給者証」が発行されます。会社の健康保険加入者には、社会保険事務所または健康保険組合から会社を通じて交付されます。(西多事務所に社会保険事務を委託していただいている事業所様には西多事務所からお渡しします。) 発行を受けた方は、保険証と一緒に病院の窓口に提示してください。

* 「高齢受給者証」は退職時に保険証と一緒に返却していただきます。対象者や対象扶養家族のいる方が退職される場合は、必ず本人さんから返してもらってください。

* 標準報酬月額が28万円以上から28万円未満へ改定になったとき、あるいはその逆の場合は、自己負担割合が2割から1割(または1割から2割)に変更になります。「高齢受給者証」は変更後の負担割合を記載したものが再発行されますので、古い方は返却していただく必要があります。受給証の交換が遅れると、病院の窓口で、医療費の払いすぎ、または支払い不足が生じるため、後日返してもらったり、返還したりといった手続が発生することが考えられます。


* 標準報酬が28万円以上の場合でも、70歳以上の被保険者および70歳以上の被扶養者の収入合計額が637万円(70歳以上の被扶養者がいない場合は450万円)未満の場合は、1割負担にしてもらうことができます。この取り扱いを受けるには、所得証明書等を添付の上、申請が必要です。

* 平成14年10月以降70歳になる方から対象となってきますので、今はまだ対象者は少ないですが、貴事業所でもこれからだんだん該当者がでてくるかと思います。事務ご担当者様には何かとお手数をおかけしますが、ご協力のほどお願いいたします。


◆ 配偶者以外のお産にも「出産育児一時金」(平成14年10月より)
  今までは、健康保険加入者本人または、扶養家族である奥さんの出産にしか支給されなかった「出産育児一時金」がそれ以外の扶養家族の出産の場合にも支給されることになりました。例えば、ご主人の失業により、一時的にお父さんの扶養に入っている奥さんが出産した場合などが該当します。金額は一律30万円で変わりありません。




◆ 継続療養制度の原則廃止(平成15年4月より)

  継続療養制度とは、1年以上継続して健康保険に加入していた方が退職する場合、在職中より治療中の傷病に限り、引き続き健康保険を使って2割負担で治療が受けられるというものです。今回、自己負担が3割に統一されることにより、平成15年3月をもって廃止されることになりました。


◆ 任意継続被保険者期間が2年に統一(平成15年4月より)
  任意継続制度とは、2ヶ月以上健康保険に加入していた方が退職後、引き続き2年間は個人で在職中と同じ健康保険に加入できるというものです。今まで、55歳以上の方は例外的に60歳まで加入できましたが、これらの方も原則通り2年間となります。