■■■ 知っておきたい 高年齢者賃金設計 ■■■
   

 少子高齢化時代を迎え、みなさんの事業所でも経験と実績を積んだ高齢者を活用していくことが今まで以上に求められているかもしれません。また従業員の側からも年金の支給開始年齢が段階的に65歳に引上げられ、現役で働きたいという要求は増えてきています。
これまでも西多事務所では、「給料」、「年金」および「雇用継続給付」を組合わせた、60歳以降の高齢者活用をお薦めし、多くの事業所にご利用いただいています。そんな中で今回5月1日に改正された雇用保険法により、「雇用継続給付」について、支給額の計算方法が変わることになりました。そこで改正後の高齢者の賃金設計について考えてみましょう。


  
 今回の雇用継続給付改正点
今回の改正は、平成7年に高年齢雇用継続給付制度が施行されて以降初めての改正です。改正点は給付の条件となる60歳以降の賃金低下割合の見直しと給付率の見直しで、以下の表のとおりです。

改正項目 改正前 改正後
給付の条件となる60歳時より賃金の低下 85%未満 75%未満
給付率(最大) 25% 15%

●●●例・・・・60歳の時の給料が46万円の場合●●●

 @支給対象月に支払われた賃金が20万円に低下低下率200,000円 ÷ 4600,000円 × 100 = 43%
改正前 85%未満に低下している200,000×25%=50,000円(給付額)
改正後 75%未満に低下している200,000×15%=30,000円(給付額)
           
 
 上記をご覧いただいてわかりますように、支給率・支給額ともに低下していることが分かります。
ただし、平成15年4月30日以前に60歳になっている人は、原則として改正前の制度が適用されます。

●そこで、年金も組合わせた高齢者賃金設計(シュミレーション)を実際に見てみましょう。
●例・・・Aさん 昭和18年9月1日生まれ(今年で60歳) 60歳時 給料46万円
年金額・60歳から・・144万円(報酬比例) / 62歳から・・240万円(報酬比例+定額+加給)

■表1・・・・60歳から

 

 
■表2・・・・62歳以降

 

●今後の高齢者賃金設計は、以下のようなポイントが挙げられます。
 
 @60歳時の手取り60〜70%を確保する賃金設計をおこなう。  
 A職種や業務内容によっては、勤務形態を変更し社会保険の脱退も考慮する。
 B60歳の部分年金(報酬比例年金のみ)受給時でなく、(表2)62〜64歳のフルセット(報酬比例・定額・加給)の年金を受給できるようになってから賃金設計をおこなう。

 



今までのように、60歳になると「給料」を半額にしても「年金」と「継続給付」を活用すれば、「手取りの減少はない」といった、魔法のような手法はもう取れないかもしれませんが、西多事務所に顧問契約をいただいている事業所様には、60歳になる従業員が発生した時点で、上記のエクセルを活用した、60歳賃金設計の資料をその都度、ご提案させていただく予定です。 またご質問等ありましたら、西多事務所までご遠慮なくお尋ねください。