■■■交通労働災害等の防止ポイント■■  
   

 最近、世間で大きく取り上げられるような、業務中の大きな交通 事故・違反が多発しています。

・東名高速で大型トラックが居眠り運転で前走車に追突後、車を乗り越えてさらに、前方の車両に追突し4人死亡
・ミキサー車運転手が運転中に意識を失い歩道に乗り上げ通行人2名が死亡
・高速バス運転手が業務中に飲酒運転で逮捕
・路線バス運転手が1年4ヶ月間免許失効のまま勤務
              ・・・・・・・新聞テレビ等で報道されているのを見た方も多いと思います。


  
 もしこのような、重大事故・違反が職場で発生すれば、会社のイメージダウンはもちろんのこと、会社(事業所)がとらなければいけない社会的責任は非常に大きいといえます。
 例えば、業務中の交通事故で会社(事業所)が負う代表的な法律上の責任としては・・・・・・・、


@使用者責任(民法第715条)
被害者がその従業員(加害者)を雇っていた企業(事業所)に対しても損倍賠償できる。



A運行供用者責任(自賠法第3条)
被害者は運行供用者(事業所)に対し、従業員(運転者)の過失を主張立証することなく損害賠償請求できる。


B安全配慮義務違反による債務不履行責任(民法第415条)
企業(事業所)は、安全な作業環境や条件を確保し、従業員の生命や健康等を危険から保護するように配慮する義務を負っているので企業が安全配慮を欠いて労災事故が発生し、従業員が被災した場合、従業員は会社(事業所)に損害賠償ができる。


C労働基準法の災害補償責任(労基法75条〜88条)
従業員が業務中に負傷、死亡した場合、労働基準法で使用者側に過失があるか否かを問わず、従業員に対して災害補償しなければならないことを義務付けている。


・・・・・・などが挙げられます。では前出のような事故・違反を防止するためにはどうすればよいか検討をしてみましょう。

●業務用車両管理規程等の諸規定の整備

 何も問題が無い場合は、「就業規則」関係に目を通すことがありませんが、ひとたび問題が起きると「就業規則ではどうなっていたかな?」と、調べるケースがよくあります。
服務規律に「交通事故を起こさないよう安全運転を心がけること」の一文でもあれば、  従業員に、就業規則違反を問うことが出来ます。別規程で「業務用車取扱規程」などを制定しておれば、より労務管理をしていたということになるでしょう。何も規則が無ければ従業員を懲戒することも出来ませんし、被害者にも、「何も労務管理していない杜撰な企業」という印象を与えてしまい、より厳しく責任を問われることになりかねません。
そういったことから、諸規程を整備しておくのは重要なことなのです。
                                                                 

●車を運転する人の採用時・2〜3年に一度、免許証等の確認をする

 採用時に免許証を提出してもらい、免許の有無を確認するのはもちろんのこと、運転業務に就く場合は、自動車安全運転センター発行の「運転記録証明書(1通700円)」を提出してもらったらよいかもしれません。これには、過去5年間の交通違反、交通事故、運転免許の行政処分の記録について証明してありますので、業務に適しているかの判断材料になります。また、採用後も本人が免許停止、あるいは失効していたりしているのに、運転業務を任せていると大変です。そのため、2〜3年に一度は免許証を見せてもらう・証明書を提出してもらう機会を設けておいたほうが交通違反・事故防止によいといえるでしょう。

●健康管理をおこなう。
 
 通常、雇入時と年1回の定期健康診断が、労働安全衛生法で義務付けられています。そこで、健康診断をおこなった際、要注意の出ている従業員をチェックして、運転に支障がでる恐れがあれば「運転業務可」などの医師の診断書を提出させる。また、長期欠勤者を運転業務に復職させる際も同様に「運転業務可」の診断書を提出させる(前出のミキサー車の事故は、運転手は病気療養のため休職し、職場復帰した直後の大事故です。)などのように、会社が健康管理を行い、本当に運転業務が大丈夫か確認することが交通事故防止に万全を期すことになるのです。
もし、放置していて、事故が起き従業員本人も怪我をすれば、業務災害になりますから、、安全配慮が足りなかったとのことで従業員やその家族からも損害賠償請求される場合があります。

 


以上、業務中の交通事故・違反に対応する労務管理で特に重要と思われる点について説明させていただきました。もっと詳しく、という事業所様は、西多事務所までご遠慮なくお尋ねください。