労務相談Q&A
   
気になる疑問を一気に解決!! よくある質問、まとめてお答えします!
今月は、事業主様や人事担当者様からよく受ける質問とそれに対する解答をご紹介します。


(1)ご主人の扶養の範囲内で働きたいというパートタイマーが多いのですが、年収いくらまでなら扶養に入れますか? よく103万とか130万とか聞きますが・・・?

⇒ 健康保険の扶養家族(被扶養者)と税法上の扶養親族では考え方が少し異なります。

年収要件

そ  の  他

健康保険の

被扶養者

130万円未満

(60歳以上は

180万未満)

・年の途中で退職・減収のときは、原則としてその時点から扶養に入れる。

・失業給付や遺族年金、傷病手当金等も収入とみなされる。

税法上の

扶養親族

103万円以下

(所得38万円

以下)

・年の途中で退職・減収しても、その年の1月以降すでに限度額を越える収入があれば、その年は扶養に入れない。

・失業給付や遺族年金、傷病手当金等は所得に入らない。


 (2)もうすぐ定年を迎える者がいます。定年後も嘱託として、週2,3日勤務してもらいたいのですが、本人が「あまり働くと年金が減らされるので困る」と言っています。
いくらまでなら働いても大丈夫なのでしょうか?

⇒ 老齢厚生年金が減額されるのは、社会保険(厚生年金)に加入しながら働いている方の場合です。社会保険に加入するかどうかは、事務所だよりでもたびたびご紹介しているとおり、「勤務時間と勤務日数がおおむね正社員の4分の3以上の場合」です。この方のように週2,3日の勤務ということであれば、社会保険に加入しませんので、収入があっても年金が減額されることはありません。もし、この方の勤務時間と勤務日数が増えて、社会保険に加入することになった場合は、お給料(標準報酬月額)に応じて年金が減額されます。また、来年4月以降は、前1年間の賞与額も影響します。西多事務所では年金減額のシュミレーションシステムがありますので、お気軽にご相談ください。

  


(3)従業員が仕事中に指を切りました。労災保険を使うと保険料が上がると聞いたの
ですが本当?保険料が上がると困るので健康保険を使って治療を受けてもいいですか?

⇒ 労災保険料率は、業種ごとにその危険度に応じて決まっていますが、災害の多い事業所は保険料率をアップし、逆に災害の少ない事業所は保険料率を引き下げるという制度があります。これを「メリット制」といいます。ただし、メリット制はすべての事業所に適用されているわけではありません。適用になるのは例えば次のような事業所です。
● 前々年度までの3年度において労働者数が100人以上である事業所
● 20人以上100未満であって、災害度係数といわれる数値が0.4以上の事業所
これらの要件に該当しない事業所では、メリット制は適用されないので、労災保険をいくら使っても、保険料が上がるということはありません。もし、メリット制が適用になっていたとしても、その災害についてなされた給付の額が一定以上になって初めて保険料が割増になるのであって、軽いケガで1回使ったからといって、すぐ保険料のアップにつながるわけではありません。なお、健康保険は、仕事中や通勤途中のケガの治療には使えません。誤って使った場合は、後日、かかった費用を返還することになりますのでご注意を。


(4)来月退職予定の者が、残っている有給休暇を退職前に全部取得したいと言っています。会社としては、引き継ぎも必要なので出勤して欲しいし、そもそも、退職する人に有休を与える必要はあるのですか?

⇒ 事業主側の事情と気持ちはとてもよくわかるのですが、結論から言うと与える必要があります。有給休暇は本人の申請した日に与えるのが原則です。退職予定の場合は与えなくていいという例外はありません。なお、「事業の正常な運営を妨げる場合」は取得時季を変更させることが認められていますが、退職日以降に有休を取得することはできませんから、この場合、時季変更も無理ということになります。ですから引き継ぎなどは余裕をもってさせなければなりませんが、どうしても無理な場合は、本人さんとよく話合い、本人納得の上で(決して強制ではなく)、有休取得の申請を取り下げてもらうしかありません。