労災事故の防止について

 ここ数年で西多事務所が取扱った労災事故の発生状況を振り返ってみると、次のような時期に
事故が起こりやすい傾向があるようです。


  @年末や、年度の変わり目などの忙しい時期

 公私共に何かと用事が多く、世間も職場もせかせかした 雰囲気の中、「心ここにあらず」の
状態
になってしまうのでしょうか。
  また、忙しいときや急いでいるときは、ついつい
決められた手順を省略してしまったり、確認を
怠ってしまったりしがちです。そんなとき事故が起こってしまいます。

 【 事 例 】
 ・ 機械の中にゴミが入ってしまったので、電源をOFFにして取り除こうとしたところ、 年末までに
 済ませなければならない仕事が多くあったため気が急いており、機械が完全
に停止する前に
 つい手を入れてしまい、巻き込まれて負傷したというもの。



A ゴールデンウィーク、お盆、お正月などの長期休暇明け

これはおそらく休み明けというのは、体と頭が仕事モードに切り替わっていないことが原因だと思
われます。
普段からやり慣れているはずのなんでもない作業中にケガをしてしまうケースが多いです。
 
【 事 例 】

 ・木材をのこぎりで切断中、手元が狂って、指を負傷。
 ・書類の運搬中、階段から足を踏み外し、足を捻挫。



労災事故が発生すると、事業主は被災した従業員に対して補償責任を負うことが労働基準法で定められて
います。それが、従業員の不注意によるものであったとしてもです。

この災害補償責任は、ほとんどの場合「労働者災害補償保険」いわゆる労災保険により肩代わりされるた
め、事業主が直接治療代を支払ったりすることはありません。
しかし、事業主に「安全配慮義務違反」(注参照)や不法行為があった場合には、さらに民法上の損害賠償
責任が生じ、労災保険だけではカバーできないほどの補償金が必要になってくることも考えられます。この
ような場合の経済的損失は莫大なものになります。

それほどの重大事に至らなかった場合でも、大切な人材をケガさせてしまったことによる労働力面での
損失、仕事の手を止めてしまうことに
よる時間的損失など、事業にとって損失は計り知れません。何としても 、 事故は未然に防ぎたいものです。
  もう一度職場内の安全策が十分かどうか、安全に配慮した正しいマニュアルが作られているかどうか、
またそのマニュアルが守られているかどうか、見直してください。

 また、事業主様、所長、店長、工場長など職場の責任者の方は、是非、朝礼やミーティングの際に、従業員
の皆さんに、安全を呼びかけてください。特に、前述の、事故が多発する傾向のある時期には、安全に対す
る注意を喚起してください。



 (注)「安全配慮義務」について
  企業は、労働契約に付随する義務として、従業員の生命や健康を危険から 保護するよう
 配慮する義務があります。企業が安全配慮義務を欠いて事故が 発生し、そのため従業員が
 被災した場合は、民法第415条により、債務不履行ということで、企業に損害賠償責任が生
 じることになります。 
  例えば、ビル工事現場で、2階床の開口部から従業員が転落死したケースで、 開口部に
 手すりや囲いなどの転落防止設備を設ける義務があったのに、これを怠ったために発生した
 ものとして、損害賠償責任を負うとの判決が出た例があります。



※ 万が一、事故が起こってしまったときは、けが人を病院へ連れて行くと同時に、西多事務所へ
すぐ
お知らせください。